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2007年11月20日 (火)

6 開高健のジョーク

 開高健は、わたしの大好きな作家の一人ですが、エッセイの中で、よく世界中で聞いたジョークについて書いています。その中から本に関するものを探してみました。

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モスコーで。
 一人の男が書店へ入ってきて、『男は女の支配者』という本はどこにおいてあるかしらとたずねたら、店員がそっけなく、空想小説ならとなりの売場ですと答えた。

(開高健『食卓は笑う』p32)

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 開高の本に出てくるジョークは下ネタが多く、本に関するものでも、こんなのがありました。

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 つぎに紹介するのは今から二十五年前ぐらいに文壇、出版界、マスコミ界を風靡した一作。ウワサによると森繁久弥氏の作だとのこと。

 都市生活にくたびれたあなたが、ふらり、田舎へ旅に出る。肩がコッてしようがないので、世ふけにアンマを呼ぶ。品の良い盲目のお婆アさんがやってきてにがい肉をしこしこともみほぐしてくれる。お婆アさんは問わず語りに盲いとけなげ一途にたたかった半生記を語り、いまでは点字でなくても普通の活字を撫でるだけですべてわかるようになりました。ウソだと思うならお試しあれと、いう。そこで枕もとのバグから雑誌をだしてわたすと、お婆アさんは指で一撫でして、ア、わかりました、これは『文藝春秋』ですねといいあてる。つぎに一冊わたすと、ア、わかりました、これは『プレイボーイ』ですねといいあてる。何をわたしてもピタリ一言でいいあてる。そこであなたは感動し、婆アさんの手をとってフトンにひき入れ、ごぞんじにさわらせようとする。婆アさんはするりと手をひきぬき、これはさわらなくてもわかります、『主婦の友』ですねと、いった。

(開高健『食卓は笑う』p74)
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