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2008年11月24日 (月)

『簡易木工器具の作り方』

 こんな本を手に入れました。昭和五年発行の『簡易木工器具の作り方(蒲田賢三、誠文堂、S5.12.25)』。七十八年前の本だけに、表紙など、だいぶ 傷んでいます。

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 「木工器具」というのはなんだろう。作業用の台とか治具のようなもののことだろうか、と思って見てみると、木工による家庭器具=本立て、郵便函、テーブル、椅子などの作り方を書いた、普通の家庭用木工の本でした。
 今は「DIY( Do It Yourself )」と言いますが、ちょっと前までは「日曜大工」でした。昭和五年には、まだ「日曜大工」という言葉は普及していなかったのか、それとも著者がふさわしくないと思ったのか。
 「少年技師ハンドブック第十九編」となっていて、巻末にはこのシリーズの紹介があります。最後に「少年科学者必携のシーリイズ」とうたっていますから、やはり「日曜大工」ではふさわしくなかったのでしょう。

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 わたしは戦後の生まれですが、このリストは子供の頃に雑誌「子供の科学」などを読んであこがれていた世界そのままです。昭和五年の発行ですから、これを読んでいたのは大正生まれの子供たちです。子供の頃、戦前は暗黒時代のように思っていましたが、同じような子供たちがいて、ちゃんとつながっていることがわかります。

 「子供の科学社代理部」の模型材料などの通信販売の広告ものっています。発行の誠文堂は、今も「子供の科学」を出している誠文堂新光社でしょうが、この頃は「子供の科学社」は別会社だったのでしょうか。

 内容を見てみると、ノコギリ、カンナの使い方からはじまって、当然のことながら電動工具はでてきません。(わたしの感覚では、「日曜大工」は手ノコギリ・カナヅチで、電動ノコや電動ドリルを使うようになったのが「DIY」です。)
 附録として「木彫の話」と「木工細工の常識」という章がついています。その「木工細工の常識」の中で、ガラス瓶を輪切りにしたいとき、切りたいところに銅線を巻いて電池から電流を通して熱し、冷水をぶっかけて切る、というのが唯一、電気を利用した工作です。
 「ブリキのハンダ付の法」もありますが、これは「七輪に火をおこして、その中に鏝(こて)を充分に焼いておきます。」となっています。

 作例の中には「巻煙草入」や「煙草盆」が入っていますが、当時は特に問題にもならなかったでしょう。親のため、家庭のために工作する感心な少年です。
 時代を感じさせるのは、下の「炭箱」とか、「芥溜(ごみため)箱」です。

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 「ビール箱を使ったソファー」「ビール箱の腰掛け」というのもあります。この頃ビールは木箱に入っていたんですね。わたしも子供の頃、木のリンゴ箱に紙を貼った本箱を使っていたのを覚えています。この「ビール箱を使ったソファー」では、藁でソファーの中身を作っています。 今では、藁は高くて、なかなか手に入りません。

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 木工編の最後には、なんと「極く簡単な家の作り方」までのっています。下の設計図は九尺四方ですから、四畳半です。「土地の選び方」からはじまって「地ならし」「柱と骨組み」「屋根はどうする」…と続いていきます。

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 これをもとに実際に家を作った少年がいたかどうかわかりませんが、これを読んで胸をときめかせた少年は数多くいたことでしょう。

 わたしも、家は造れませんが、これにならって、バーベキュー用の炭箱でも作ってみるこにしましょうか。

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