18 秋田實『ユーモア辞典』
秋田實と言えば、大阪の漫才作家として有名な人でしたが、晩年にまとめていたのがこの『ユーモア辞典』だそうです。(秋田實編『ユーモア辞典1~3』、文春文庫、1978)
その中の第3巻から、本が出てくるものをひろいました。
つながる
チェコスロヴァキアのブラスティラヴァのある書店で、四冊のロシアのベストセラーをショウウインドウに大々的に飾った。ところが、その店の女主人は共産党警察に逮捕されてしまった。
なぜ?ウィーンのウィーナー・クーリエ紙が報じたところによると、その四冊の書物を次の順序で並べて陳列したから──
「モスクワから遠く離れて」
「高層建築の陰で」
「外国の旗の下で」
「われらは生きたい」
(秋田實編『ユーモア辞典3』文春文庫、1978より(以下同じ)、P56)脅迫
母親「坊や、そんなに行儀よくしないんならお祖母さんがクリスマスのお祝いに買ってきてくださった、あの難しいご本を本当に読ませますよ。──そのお話を、お祖母さんは、坊やにして貰いたがっているんだから!」
(P83)誇大広告
”トマトの作り方”という本を注文して取りよせた百姓が発行者に手紙を出して曰く、
「この本は広告を書いたものが書けばよかったのに!」
(P117)用心用心
女A「”百歳まで長生きする法”って本、まだ持ってらっしゃる?」
女B「とっくに燃やしちゃったわ。おしゅうとさんが読むといけないから」
(P263)百科全書
小児「おとうさん、ちょっとその大きなエンサイクロペディアを貸してくださいナ」
父「いいとも、そっちへ持っていってたんとお使い。お前もこの本を使うようになったのかい!」
それからしばらくすると、いかにも不思議だと言わぬばかりの母の声で、
「オヤ、どうしてこの高い棚の上にのせておいたお菓子に、あの子の手がとどいたのだろう?」
(P275)自叙伝
自叙伝とは、他人についての真相を語るための無類の手段である。
(P313)
わたしが小学生の頃、秋田實の弟子の秋田Aスケ・Bスケという漫才コンビが大人気で、Bスケの猿の物まねがはやっていました。当時の上級生で、今でも「Bちゃん」と呼ばれている先輩がいます。
ラジオに「漫才学校」という番組があって、ミヤコ蝶々が校長、南都雄二が小使、生徒がAスケ・Bスケなどで、楽しみにして聞いていたのですが、はてどういう内容だったのか、ギャグのひとつくらい憶えていないかと、頭の中をさぐってみましたが、何もでてきませんでした。ともかくおもしろかったんだけど、今聞いたらどうでしょう。おもしろいと思うかどうか、ちょっと心配ではありますが、聞いてみたいところです。
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