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2009年4月 5日 (日)

薄墨桜を見る

 4月2日(木)、岐阜県根尾谷の薄墨桜を見てきました。長男が昨年の秋に転勤になって岐阜県にいるため、長男の様子見にかこつけて、実は桜見物というわけです。

 全国的に例年より早く桜が咲きそうだという予報と長男の休みにあわせて、4月2日に見に行く予定をたてました。ところが3月の終わりから全国的に寒気が居すわって、開花した桜がなかなか見ごろになりません。
 本巣市のホームページに紹介されている薄墨桜の開花状況を見ても
  3月31日 3分咲きになりました。
  4月1日 3分咲きですが、今日は気温が高いので開いてくると思います。
といったところで、ちょっと早かったな、これではせいぜい5分咲きくらいかと思いながら出かけました。
 全国的に有名な桜ですから、見ごろにはずいぶん混雑して、駐車場へ車を入れるのに四時間かかったなんて話もあるようです。だからはじめは、樽見鉄道のこんな電車に乗って行くつもりでした。

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 しかし、残念ながら見ごろには早いけれど、その分道路はすいているだろうと予定を変更し、岐阜駅前でレンタカーを借りて出かけました。そうしたらやはり道はスイスイ、楽に駐車場までたどり着くことができました。駐車場はガラガラといっていいくらい余裕があります。
 そして駐車場のおばさんに、「桜咲いてますか」とたずねると、なんと「咲いてますよ。満開に近いくらい」との返事。「えっ」と驚きながら行ってみると、こうでした。

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 うれしいことに本当にきれいに咲いていました。さすがに満開まではいかないけれど、八分以上は開いています。

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 これは裏側。樹齢千五百年というだけあって、手厚い介護が必要なようです。

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 明くる日、4月3日(金)の地元の中日新聞朝刊の一面には、薄墨桜の記事が載っていました。

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 記事によれば、薄墨桜の高さは十六メートル、枝は最大で幅三十二メートルに広がるとのこと。見出しはもう「満開」とうたっているし、「ここ十日間ほどが見ごろ」と書かれているので、きっとこれで観光客のラッシュがはじまったことでしょう。
 見ごろの花を、すいている状態でゆっくり見られたわけで、幸運でした。

 まわり一帯が公園になっていて、その一角から、北の方に雪をかぶった能郷白山(のうごうはくさん)がよく見えました。岐阜県と福井県の県境の山で、標高は1,617m。太平洋と日本海の分水嶺だそうです。

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 深田久弥の『日本百名山』の「88 荒島岳」の章に、福井県の代表的な山を選ぶとしたら、この山か、あるいは荒島岳か、と書かれています。

越前と美濃との境には、あまり世に知られないたくさんの山が並んでいるが、千二、三百米前後では推すに足りない。その中で能郷白山(一六一七米)だけが一きわ高く、長大な白山山脈の最後の盛り上がりであり、一部の登山家の間に知られていた。私はこの山にもかねてから目をつけていた。選ぶとしたら、能郷白山か、荒島岳か。(新潮文庫版、372P)

 結局「山の気品のある点では、荒島岳が上だった。」と、おしいところで能郷白山は日本百名山には選ばれませんでした。山にランクづけするような行為にどれほどの意味があるのか、とは思いますが、いまや深田の個人的な趣味をこえて、「百名山」は権威あるひとつのブランドのようになっています。荒島岳と能郷白山の年間登山者数の過去の推移を知りたいものです。
 世界遺産に選ばれると観光客がどっと増え、ミシュランの星がつけば行列ができる。みんながレッテルを欲しがり、漢字検定のように、レッテル発行組織が荒稼ぎをするようになりました。「評判に惑わされず、心の眼で見ろ」と昔の少年漫画で教えてもらったものですが、もうそういうのは、はやらなくなったんでしょうか。

 そう言えば、薄墨桜も「日本三大桜」の一つ、と言われています。

 みやげ物屋の店頭に、その薄墨桜の子供だという桜の苗木を売っていました。
「薄墨桜の枝を接ぎ木にしたの?」と聞いてみると、実生で生えてきたものを育てたもので薄墨桜の子供だといいます。
 まわりには他の桜の木もあるから、実生だと、本当に薄墨桜の種から生えてきたものかどうか、DNA鑑定でもしないと確信はもてませんが、安かったし、レンタカーだったこともあり、旅先で植木なんか買うもんじゃありませんが、ついつい買ってしまいました。

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 花が咲くまで五年くらいはかかるそうです。それまで大事に育てて、咲いたら、なにはともあれ大きな「日本三大桜、薄墨桜」の看板を立てることにしましょうか。

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