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2010年2月22日 (月)

てなもんや三度笠

 俳優の藤田まことが2月17日に亡くなりました。

 藤田まことと言えばなんといっても「てなもんや三度笠」です。
 こんなものを持っています。

 DVD「てなもんや三度笠爆笑傑作集」1~5です。定価は1枚三千円ですが、以前特価セールに出ていたのを見つけて5枚まとめて買ったものです。

1

 「てなもんや三度笠」は、わたしの若い頃の超人気番組で、DVDの帯には「超高視聴率で昭和37~43年のテレビ界を席巻したお化け番組」とあります。
 主に中学時代の番組だと記憶していたのですが、わたしの中学三年から浪人時代を含んで大学二年までということになります。大学の下宿時代はテレビなんか持っていませんでしたから、主に見ていたのは高校時代ということになります。

 日曜6時、鐘が鳴ると、お堂の中から三度笠で顔を隠した藤田まことがあらわれて、そこへ刺客が襲いかかってくる。それをやっつけると、
「俺がこんなに強いのも、当たり前田のクラッカー」
という決めぜりふ。これが毎回の始まりでした。

 とにかくおもしろくて、ばかばかしくて、笑い転げながらみていました。中学時代の記憶が強いのは、その頃の学校からの帰り道、クラブ活動の仲間たちと、こないだの「てなもんや」がいかに面白かったか話し合ったり、目明かし役の平参平の「アーホー」というギャグの真似をしたりしながら歩いた思い出が大きいからでしょうか。
 あるときその帰り道で、仲間の一人が向こうから歩いてくる若い女性を見て、大きな声で
「わあー、きれーなねーちゃんやわあ!」
と藤田まことの真似をしました。
 そのお姉さんは、うつむいてクスクス笑いながら、ちょっと頬を赤くして恥ずかしそうに、それでもうれしそうに、すれ違っていきました。あのお姉さんはほんとうにきれいだったなあ。

 DVDには、当時の三十分番組が一枚につき二本ずつ収録されています。五枚で五時間、十回分です。各巻に、プロデューサー沢田隆治のマル秘裏話がそれぞれついています。収録作品は昭和42年以降のもので、わたしの大学時代、もう番組も終わりに近い頃のものです。だから見た記憶のない番組ばかりでしたが、話の筋立ては同じようなものです。
 財津一郎が写真師の役で藤田まこと・白木みのるとトリオの準主人公になっていましたが、これはわたしの記憶にはありませんでした。なんといっても財津一郎は、この番組の怪浪人「蛇口一角」役で売り出したはずです。
 毎度まぬけな悪役があらわれ、毎度ばかばかしい話がドタバタで終わるのは変わりません。なつかしく見ました。
 しかし残念ながら画像が悪い。がっかりするくらい悪い。みんなピンぼけみたいな顔になっている。テレビ局の番組製作用のビデオは何も残っておらず、このDVDは、なんと沢田隆治が自分用に家庭用のビデオで録画したものが元になっているそうです。だから終わりの方は番組の途中に「カラー放送」と字幕が出るのですが、まだカラーの家庭用ビデオなんかなかった時代で、このDVDは全編モノクロです。
 そんなわけで、ちょっと残念なところもありましたが、例えばDVDの第1巻第1作「月の鰍沢」の配役を見ると、てんぷくトリオ、唄子・啓助、平凡太郎、やすし・きよし、という豪華な顔ぶれです。てんぷくトリオは三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗の三人がそろっているし、やすし・きよしはちょうど売り出し中で、ドツキ漫才をやっているところです!貴重な映像と言えるのではないか、と自分なりに納得しました。

 藤田まことの自伝という 『人生番狂わせ』(1999、集英社)も、以前読んでみましたが、あまりおもしろくなかった。 「ああ借金―藤田まことの火だるま人生。借金返済法、教えます。」という売り文句ですが、ライターの腕が悪いのか、ちっともおもしろい話がでてこない。
 そのなかで、売れて、大阪のミナミを中心に遊び歩いていた頃

 キタの雄二か ミナミのまこと 東西南北藤山寛美

と言われていたというのがおもしろかった。雄二はミヤコ蝶々の相方の南都雄二です。「東西南北藤山寛美」というのがなんともおかしい。遊びの横綱ですね。

 Youtubeに「てなもんや三度笠」の冒頭シーンがありました。映像はよくありません。おそらく同じDVDからとったものでしょう。
 →http://www.youtube.com/watch?v=v9yR7z5Ldnc&feature=related

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