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2010年2月19日 (金)

『吉宗と宗春』そして「むねハルくん」

 しつこいようですが、また尾張宗春の話。

 海音寺潮五郎に『吉宗と宗春』(1995、文春文庫)という作品があるのを知り、早速、読んでみました。

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 さすがというか、うまいものです。戦前の作だそうですが、少しも古びていないし、時代のつけ方というか、全体の雰囲気が清水義範とは一味違います。いかにも時代小説らしい。
 この作品の宗春は、わたしが前に書いたように(『尾張春風伝』)、幕府への謀反も覚悟して準備も進めますが、尾張藩の存続大事の家老たちが幕府にとりこまれて敗北、という筋書きになっています。やっぱりこの結末は避けられません。
 中編にまとめられていますが、もう少し内容を濃くして、いろいろ書き込んでくれるとよかった。そうすれば宗春ももっと有名になったにちがいありません。
 昭和14年(1939)から15年(1940)にかけて「風流大名」の名で雑誌「現代」に連載し、昭和18年(1943)の単行本は『尾藩勤皇伝流』と題して刊行。昭和62年(1987)には旺文社文庫から『宗春行状記』として出ているそうです。
 出版されるたびに題名が変わっているというのは、あまり認められていなかった作品ということでしょう。今回の『吉宗と宗春』で定着するでしょうか。

 清水義範の『尾張春風伝』は中日新聞に連載された(平成8年~9年(1996~97))そうで、最近の名古屋では宗春はかなり有名になっているようです。

 「むねハルくん」という名前のマスコットキャラクターが、できていました。

Mune01_4

 「ムネを張って元気で頑張ろう」というメッセージを込めたNHK名古屋のデジタルキャラクターです。今の名古屋の街の基礎を創ったとも云われる尾張藩7代藩主の徳川宗春公にちなんでつけられました。http://www.nhk.or.jp/nagoya/ti_degi/08-mune/index.html

 「むねハルくん、かわいーい!」というのは、宗春を評価することとはちょっと違うけれど、まあ名前も知らないよりはいいだろう、ということにしておきましょう。

追記:旺文社文庫の『宗春行状記』(1987)を見つけたので、画像をのせておきます。(2010/08/06)

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コメント

NHKのブログで見かけた「むねハル」を検索しててお邪魔しました。

むねハルのモデルとなった実在の人物がいるのをはじめてしりました。愛知県にかかわりの深い人だったのですね。
『吉宗と宗春』、探してみたいと思います。

失礼しました。

投稿: まひる | 2010年10月13日 (水) 00時25分

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