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2010年4月30日 (金)

世界は腹黒い

 前回(インディアスの破壊についての簡潔な報告)、高山正之の文章を紹介しましたが、これと同じ趣旨のものが『変見自在 サダム・フセインは偉かった』(高山正之、2007、新潮社)にありました。「スペインの蛮行」(P45)と題して、マヤ族の末裔のことが書かれています。

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 これは週刊新潮のコラム「変見自在」をまとめたシリーズの一冊です。タイトルが『スーチー女史は善人か』、『ジョージ・ブッシュが日本を救った』と続いて、最新刊は『オバマ大統領は黒人か』ですから、世の常識にさからおうとしている本であることがわかります。
 これらの前に書かれた産経新聞のコラム「異見自在」をまとめた、『世界は腹黒い 異見自在』(高木書房、2004)もあります。

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 基本は、白人を先頭に「世界は腹黒い」、日本人はお人好しでだまされている、という視点です。書かれていることをすべて鵜呑みにしているわけではありませんが、なるほど「世界は腹黒い」と思わせる、毒ありのおもしろい本でした。

 右の立場から見ている高山正之とはまったく反対の、左の本多勝一にも、大航海時代・新大陸での白人の所業については、同じ趣旨の本があります。
 『マゼランが来た』(本多勝一、1989、朝日新聞社)です。

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 帯には「「悪魔の死者」マゼラン」と題して、こう書いてあります。

 初の世界一周をなしとげ、「栄光」に輝くマゼラン艦隊。しかし、その艦隊が寄港した南米大陸、マリアナ諸島などの先住民からみれば、マゼランたちは略奪・暴行・虐殺を尽くす民族絶滅の尖兵だった。

 マゼランが寄港した現地を実際に訪れながら、五百年前に何が行われていたのかを探ろうとするルポルタージュです。なにしろ五百年前のことなので、本多勝一の他のルポに比べると迫力に欠けますが、マゼランも「落ちた偶像」でした。

 右も左も、新大陸における白人の暴虐については、意見が一致しているようです。最近の世界史の教科書では、このあたりのことはどう書いてあるのでしょうか。「世界は腹黒い」という見方があることも教えないといけません。

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