« 夏野菜その後 | トップページ | 六月喜劇特別公演 »

2010年6月21日 (月)

第三十三番 那古寺

 第一番の次は、6月12日にいきなり最後の第三十三番札所補陀洛山那古寺(ふだらくさんなごじ)、那古観音へ行ってきました。千葉県館山市那古にあって、南無谷から買い物で館山の街へ行くときにときどき前を通る、なじみの寺です。

 これで最初と最後がつながってキセル三十三カ所巡礼の完了!というつもりではありません。
 しかし観音様には四万六千日(しまんろくせんにち)という縁日があって、その日に参拝すると四万六千日分の御利益があるということになっています。八代目桂文楽の「船徳」の「四万六千日、お暑いさかりでございます」という文句が有名です。
 チベットあたりでは、筒の中にお経を入れたマニ車というのがあって、一回転させると一回お経を読んだことになるそうです。
 これだけお手軽にしてるんだから、そのうちキセル巡礼でもいいことになるのではないでしょうか。

 ちょっと坂を登ると山門です。

Dscf2809
 多宝塔の前を通ります。

Tsdscf2816_2
 そしてこれが本堂。

Dscf2813_2

  おまいりをすませて納経。第一番の杉本寺では「発願」の印をおしてもらいましたが、ここでは「結願(けちがん)の印はまだ押せません」と言われてしまいました。全部まわってからもう一度来なければなりません。まだキセルではだめなようです。
 書いてもらった一番上の文字はキリークという千手観音をあらわす梵字で、その下の大悲殿は、観音様の慈悲の殿堂というような意味だそうです。

Photo_2

 ご詠歌は

 ふだらくは よそにはあらじ 那古の寺 きしうつなみを みるにつけても

 補陀洛というのは観音菩薩のいるところ、観音浄土というような意味で、若いころ井上靖の「補陀洛渡海」という小説で知りました。これは那智の補陀洛寺からはるか南方の彼方にあるという補陀洛浄土をめざして僧侶が船出するという話です。
 那古寺から海はすぐそこですし、昔は補陀洛渡海が行われていたのでしょうか。ご詠歌ではこここそが補陀洛であるとうたわれていますが。

 ひとつ余計な話をつけ加えておくと、松本清張に『Dの複合』という推理小説があります。「僻地に伝説をさぐる旅」という連載をはじめた作家が、次々に事件にまきこまれるという筋書きで、その中で作家は補陀洛渡海伝説を求めて千葉県へ行くのですが、館山まで行きながらそこでは見つけることができず、鋸南町保田(ほた)の鋸山(のこぎりやま)の日本寺がそうではないかということになってしまいます。「ほた」は「ふだらく」が転訛したものだなどという前に、どうして補陀洛山那古寺が目にとまらなかったのか、不思議です。

Photo

 この近くには崖観音と呼ばれる船形山大福寺があって、崖の中腹に磨崖仏の観音様がまつられています。

Dscf2801
 
下から見上げてもなかなかのものですし、登るとすぐ目の前に海が広がっています。補陀洛渡海はこのあたりでも行われていたのではないかという気になってきます。

|

« 夏野菜その後 | トップページ | 六月喜劇特別公演 »

板東三十三カ所」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第三十三番 那古寺:

» ケノーベルからリンクのご案内(2010/06/22 09:18) [ケノーベル エージェント]
館山市エージェント:貴殿の記事ダイジェストをGoogle Earth(TM)とGoogle Map(TM)のエージェントに掲載いたしました。訪問をお待ちしています。 [続きを読む]

受信: 2010年6月22日 (火) 09時18分

« 夏野菜その後 | トップページ | 六月喜劇特別公演 »