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2011年10月 5日 (水)

佐藤優講演会2011

 今年も佐藤優講演会に行ってきました。2011年10月2日(日)、かながわ県民センター・ホール、去年と同じところ。去年は多少空席がありましたが、今年は満員の盛況でした。
 初めて聴いた去年の印象は強烈でした。(→佐藤優講演会)その博覧強記とエネルギッシュなことに驚きました。二回目となるとそのあたりは承知のうえなので、感動こそ薄れますが、話の内容は、去年同様濃いものでした。

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 覚えている範囲でメモしておきます。

・ 「3・11」により、これまでの「合理主義、生命至上主義、個人主義」の時代が終わったことが明らかになった。原子力事故では人智の限界を知らされたし、原発の現場では職員や自衛隊が命を賭してを処理にあたった。

・ 米軍の「トモダチ作戦」は名前が悪い。こういう名前をつけるのは「トモダチ」関係が薄らいでいる、危なくなっていると感じるときだ。

・ 世界は新帝国主義の時代に入った。「力の均衡」が重要。弱くなったらまわりから襲ってくる。日本を帝国主義的に再建しなければならない。

・ 中国は海洋国家をめざしている。マカオで洋上カジノにすると嘘をついて、ソ連の中古の航空母艦を手に入れ、タグボートで一年半かけて曳航して、大連港へ入れ、訓練用の空母にした。空母の運用は非常に難しく大変なこと。歴史的にも空母を五艦以上もって運用できたのはアメリカとわが大日本帝国だけ。
  今後中国の南方に対する軍備が強化されてくると、アメリカは海兵隊では対抗しきれず沖縄から撤退せざるをえなくなる。

・ 中国は、一九七一年に尖閣諸島は自国の領土だと主張し始めたが、歴史はどんな組立でもできる。外交は力のゲームだが、領土を取り決めた処分条約のような、守らないといけないルールもある。これを力でひっくり返そうとしている。

・ もと防衛大学校教授だった孫崎享という人が、尖閣は中国領だとか言っているが、こういう人が防衛大学で教えていたのは問題。汚染された自衛官を除染しなければいけない。 (→孫崎享『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土』 (ちくま新書、2011)という本が出ているが未見)

・ ロシア語では中国のことは「キタイ」という、北方騎馬民族のキタイ、契丹からきている。
  ロシアのKGBアカデミー育ち(プーチンなど)はみな中国がきらい。
 メドベージェフは、ポピュリズムから領土問題をひっくり返してナショナリズムをかきたてようとした。菅首相が「許し難い暴挙だ」と発言して対立したのは、二人とも似た者同士で、ちょうど磁石のN極とS極が反発しあうようなもの。
 
プーチンはちがう。大統領が変わることで北方領土問題は動き出す可能性がある。

・ 最近北朝鮮が、今までは自力でやったとして言わなかった、北朝鮮独立に際してのソ連軍の貢献に、感謝を表明したりしてロシアに接近している、援助を受けるため。

・ こういう帝国主義のゲームができるのは民主党の前原誠司くらいしかいない。前原は帝国主義者だから。

・ 前原誠司に対する外国人献金問題。月5万円の献金元が外国籍だったからといって、外交・国益になんの害も及ぼしていないのだから、外務大臣を辞めるべきではなかった。この後北朝鮮が偽装工作で若手議員に5万円ずつ献金していったら、都合のいいときにいつでも辞めさせられることになる。

・ 玄葉光一郎はあぶない。どうしてこんなのを外務大臣にしたのか。外交のルールを知らずに、無用のレトリックをつかってはいけない。10月6日、7日に韓国へ行って、向こうで慰安婦問題で不用意に何か言ってしまうと大変だ。この問題は中国が後を押すし、アメリカでも取り上げられていて、ハーグ条約の国際離婚のときの子供の帰属問題とあわせて、下手すると国際的に日本が叩かれる。

・ 顕在化した現実的脅威としての中国を封じ込めるのが最大の課題。WTOは自由貿易だが、TPPはアジア太平洋のブロック経済である。農業など大きな影響があるだろうが、「東アジア共同体」なんて言ってないで、こちらでやるべき。

 こうやって話の要点だけ書いていくと、なんとなく右翼の演説とたいしてかわないようですが、実際には、多彩なレトリックにいろんなおもしろいエピソードや該博な知識が披露され、真摯な訴えかけもあって、おもしろくかつ迫ってくるものがあります。(といって、わたしは全面的に賛成というわけではありません。)

 講演が終わってからの質問への回答がまた凄く、今年も提出された数十枚の質問用紙に、一時間以上もかけて全部答えました。
 中には「鈴木宗男さんはお元気ですか?」というのもありました。年内には出られるのではないか。最新の手紙では田中真紀子が外務委員長になったのを喜んでいる、とあったそうです。外務省の伏魔殿ぶりを暴いてくれることへの期待でしょうか。
 「カダフィはどこにいますか?」というのもありました。「わたしも知りたい」というのが答でしたが、おそらくリビアの田舎の地下施設にいるのではないか。北朝鮮の地下道建設の技術はなかなかのもので、世界中あちこちに細菌兵器保管用やらなにやらの地下施設・地下道を請け負って掘っている、とのことでした。

 来年もやるそうです。2011年10月7日(日)。

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