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2011年11月21日 (月)

sp18 ベルン観光

(第6日の続き)

ベルン観光

07dscf4723  朝、バスでグリンデルワルト駅まで行くと、なぜか駅よりちょっと離れたところにバス停が移動していたので、予定の列車に乗るのに急がなければならなかった。駅前で何かイベントの準備をしているようだった。
 後で、同じ車両に乗り合わせた日本人観光客から、グリンデルワルトが、自転車競技のツール・ド・スイスの今日のゴールになっていると聞いた。

 列車のテーブルはこんなふうに拡げることができた。わたしは鉄ちゃんではないが、一等車に乗ることはほとんどないから、ささいなことでも感心してしまうのである。

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 このスイス旅行は恒例の新年会の席で、I長老がスイスへ行ってみたいと言い出し、T局長がそれじゃ行きましょうかと受け、K機長もそれじゃあと乗って、三人で話がまとまったもので、わたしは最初は来る気がなかった。三人とも金がないわけではないからいいだろうけれど、わたしはそんなに金があるわけではない。同じ金をつかうなら、ギリシアとかローマあたりへ行きたいと思っていた。
 結局、三人で行くより四人の方がホテルの部屋をとるのにも都合がいいからお前も来いよ、という誘いに乗って、後から参加することにした。経験のある友人二人が一緒に行ってくれるというのはいい機会であることはたしかだし、ギリシアへ行きたいといってもすぐ計画があるわけではない。「金があるわけではない」が、三人が「金がないわけではない」のなら、「わけではない」ところは同じだから、まあいいか、ということにした。

 だから計画はほとんどまかせっ放しだったうえ、ベルン Bern は行けたら行くくらいの話だったから、スイスの首都であることくらいしか知らなかった。ガイドブックによればアーレ川 Aare に囲まれた旧市街にいろいろ観光名所があるらしい。

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 駅のすぐ近くにあったのが聖霊教会

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 バーゼルと同じような、昔からの街並みが続くが、ここは両側がアーケードになっているのが大きな特徴。ラウベン Lauben と言うそうだ。トラムも走っている。

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 そして噴水があちこちにある。左は「バグパイプ吹きの噴水」、右は「ツェーリンゲンの噴水」で、熊が甲冑を着ている。ツェーリンゲン家のベルヒトルト五世という町の創始者が、狩猟の最初の獲物だった熊 Bär (ベーア)にちなんでベルン Bern と名付けたという伝説があって、今も熊がベルンのシンボルになっている。
 噴水は16世紀に造られ、公共の水場として使われていたという。

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 アーケードにはときどきこんなふうに斜めに扉がついているところがある。開いているところを見ると、階段があって地階へ通じている。古くからの貯蔵庫や地下道もあるそうだ。

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 若き日のアインシュタインが暮していたアインシュタイン・ハウス Einstein Haus 。下左の奥の階段を上がったところ。

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 左は駅などに置いてあった無料の雑誌だが、これを見てわたしはアインシュタインかと思ってしまった。これは実はハーダー・ポスチェッテ Harder Potschete というインターラーケンのお祭りにつかわれる仮面で、山の精のような男だそうだ。ハウスにあった彫像と比べても似ているような気がするがどうだろう。

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 この時計塔が有名らしい。前に見えるのは射撃手の噴水。時計塔をくぐって振り返ったのが真ん中の写真で、毎正時に鐘が鳴って、からくりが動くというので、次の正時の1時になるのをしばらく待っていた。そうしたら、当然だけれど、鐘は一つしか鳴らないし、からくりも動いたかどうかわからないうちに終わってしまって、ちょっとがっかりした。だいたいどこを見たらいいのか、よくわからなかったのだが、右に拡大した部分の人形が動くのだった。
 これも16世紀に造られたものだそうだから、日本のショッピングモールなどにあるからくり時計のような派手な動きを期待する方が間違っているのだ。

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06  最近読んだ『暗号名スイス・アカウント』(P・アードマン、新潮文庫、1993)というスパイ・スリラーでは、第二次大戦中、アメリカの情報活動指揮官アレン・ダレス(後のCIA長官)が、この時計塔の下で、ヒトラー暗殺を計画するドイツ人と会うことになっていた。スイスを勢力下に置こうとするドイツとそれに協力するスイス人に対抗して、連合国の側に加担しようとするスイス人とアメリカが協力してたたかうという話で、バーゼルが主な舞台となっている。
 これは単なる小説だけれど、今回少し本を読んでみたところ、スイスの中立と平和の歴史は、なまやさしいものではなかったらしい。
 昔は傭兵が一つの産業であったから、フランスとドイツが戦争すれば、その双方へ傭兵として雇われて、戦場ではスイス人同士が戦うこともあった。常に強国の谷間にあって、あちらへついたり、こちらへついたり、あちらともこちらとも共謀したり裏切ったりと権謀術数をこらし、血も流しながらなんとか独立を保ち、また一方では中立の立場を生かしてそれなりの経済的利益を得たりと、したたかに独立を守ってきたもののようだ。

 また、スイスのからくり時計と言えばまず鳩時計を連想するが、これは映画『第三の男』のあの有名なせりふのせいだろう。第二次大戦直後、連合国占領下のウィーンで、まがいもののペニシリンを売る闇商売の責任を問われたオーソン・ウェルズが言う。(字幕はもっとずっと簡単だが、ちゃんと訳すとこうなるようだ。)

 「だれかがこんなこと言ってたぜ。イタリアではボルジア家30年間の圧政下は戦火・恐怖・殺人・流血の時代だったが、ミケランジェロやダ・ヴィンチの偉大なルネサンスを誕生させた。
 片やスイスはどうだ? 麗しい友愛精神の下、500年にわたる民主主義と平和が産み出したものは何だと思う? 鳩時計だ!」http://boxheadroom.com/2009/04/15/the_third_man

 ピンボケの平和より、生気溢れる混沌を、という、いかにも戦後の混乱期らしいセリフである。しかしスイスの歴史は、鳩時計のような牧歌的なものではなかったのだ。
 それに鳩時計の本場は、実はスイスではなく、ドイツのシュヴァルツヴァルト(黒い森)なのだそうだ。映画公開後、スイスからオーソン・ウェルズに、 そう指摘する手紙が届いたという。

 これはベルンの大聖堂。この塔も工事中のようだった。

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 U字型に蛇行するアーレ川 Aare に囲まれた部分が旧市街で、この赤茶色の瓦屋根が特徴だ。アーレ川はライン川の支流で、ポストバスで行こうとしたグリムゼル峠の西にあるアーレ氷河が水源だそうだ。

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 ニーデック橋を渡ったところに、熊公園とバラ公園がある。熊公園の食堂で遅い 昼食にした。大きな食堂で、かなり混んでいた。

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 右はピザではなく、土台はジャガイモである。

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