« 第十一番 安楽寺 | トップページ | 第九番 慈光寺 »

2013年12月21日 (土)

忠七めし

 昼食は、前回弁当だったので、今回もそうだろうと思っていたら、埼玉県小川町(おがわまち)の二葉という割烹旅館で、「忠七(ちゅうしち)めし」というものが用意されていました。
 左が昔からの建物で、実際に食べたのは右側の新館の三階です。ちょうど結婚披露宴があって、庭は見られませんでした。

Dscf8483 Dscf8481

 はじめて聞きましたが、忠七めし日本五大名飯(ごだいめいはん)(あるいは「五大めし」)のひとつだそうです。
 だいたい五大名飯とはいったいなんだ、誰がそんなもの決めた、とネットで見てみると、この五つだそうです。

深川めし(東京・深川)
忠七めし(埼玉・小川町)
さよりめし(岐阜・山岳地方)
かやくめし(大阪・難波)
うずめめし(島根・津和野)

 深川めし、かやくめしのほかは知りません。昭和14年、宮内省の全国郷土料理調査において日本の代表的 な郷土料理として選ばれたもの、ということになっています。
 しかしこの調査がどんなものだったのかはまるでわからないので、疑り深いわたしは、ちょっとあやしいと思っていますが、とりあえずはいいことにしましょう。

 忠七めしは、幕末・明治に活躍した山岡鉄舟との関わりから生まれたものだそうです。
 山岡鉄舟は幕臣で、勝海舟西郷隆盛の会談に先立って西郷と交渉し、江戸城の無血開城を成功させたことで有名です。維新後には明治天皇の侍従もつとめました。
 『日本歴史人名辭典(講談社学術文庫)』には「人となり豪邁沈毅、容貌魁偉にして膂力絶倫」と書いてあって、いかにも強そうです。
 剣・禅・書の三道の達人としても知られ、書は、頼まれれば断らず書いたのでたくさん残っているそうです。そういえば、最近テレビの「開運!なんでも鑑定団」に出ていました。
 

 もらったパンフによれば、鉄舟は、父の知行地が小川町にあったので、この料理旅館をよく訪れた。そして館主忠七に「料理に禅味を盛れ」と示唆したのに応えて忠七が苦心を重ね、「剣・禅・書」三道の意を取りいれて創始したのが「忠七めし」で、鉄舟が「我が意を得たり」と喜んで、そう名付けたものだそうです。
 なかなか凄そうな料理です。さて出てきたものは、これ。

Dscf8476 Dscf8478

 しかしこれは単なる「おかず」で、忠七めしは次に出てきました。
 海苔をまぶしたご飯に薬味のさらしネギ・わさび・柚子をのせて、土瓶に入っている秘伝のつゆをかけて、さらさらと食べます。

Dscf8479_3

 ううむ。つまり、これはお茶漬けのようなもの、あるいはお茶漬けそのものなのでした。おつゆはカツオだしで、わりとさっぱりしています。

 剣…わさび(ピリリとした刺激の中に剣の鋭さをあらわす)
 禅…海苔(極めて淡い味の中に禅の深さを宿す)
 書…柚子(香り高い中に書の精神を観る)

だそうですが、修行のいたらぬわたしにはそこまで感得できません。禅味はわかりませんでしたが、おかわりは二杯いけました。

剣・禅・書あなたと食べたい海苔茶漬け  窮居堂

 こんなことを書くと鉄舟先生におこられそうですが、趣向は趣向としておいしくいただきました。ごちそうさまでした。

 

|

« 第十一番 安楽寺 | トップページ | 第九番 慈光寺 »

板東三十三カ所」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 忠七めし:

« 第十一番 安楽寺 | トップページ | 第九番 慈光寺 »