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2014年2月28日 (金)

J50 『滑稽和歌と笑話集』

 今回はちょっと変わったところで、戦前の雑紙「少年倶楽部」への投稿を集めた『滑稽和歌(こっけいわか)と笑話集』(講談社、少年倶楽部文庫、1976)からひろってみました。

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 まず笑話です。本といえばまず教科書です。(タイトルはわたしが仮につけたものです。)

(上海はどこに)

『上海はどこにあるか』という地理の試験問題に、茶目助は平然として、次のように答案を書いた。
『上海は、地理の教科書の二十八ページにあります』(P16)

(開幕以来)

歴史の先生、長らく病気でやすんでいた太郎が、出てきたのを見て、
「太郎君は、いつ頃から休んでいましたか」
太郎「はい、源頼朝が鎌倉へ幕府を開いた時からずっと休みました」(P16)

(昔の辞書は)

先生「フランスの英雄ナポレオンは『わしの辞書に不可能という文字はない』と言いました。これで皆さんは、どんなことを教えられますか」
生徒「ハイ、皇帝でさえ立派な辞書を持ってなかったのですから、昔はよい辞書がなかったことがわかりました」(P34)

(乃木大将の父)

 国語の時間に、
先生「乃木大将のお父さんが大将が勉強中いねむりをすると、大将に井戸水をかけたのはなぜですか」
 勢いよく手をあげて、
凹坊「はい、それはまだ、水道がなかったからです」(P144)

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 滑稽和歌というのはこんなものです。

立志伝読むにつけても思うかなどれを手本に
すればよきかと  (茨城 大森誠一)(P47)

姉さんは悲哀小説読みながら菓子を食ったり
涙ふいたり    (函館 寿々木英郎) (P60)

買いたての英語の字引まっ先に知ってるのから
引いて見るかな (栃木 戸叶隆視) (P114)

弟の本箱見ればおかしけれホンバコイレと
書いてあるかな  (滋賀 平柿健次郎)(P115)

われときて遊べや友のないポチよのらくろ曹長
読んでやるから  (埼玉 市川作治)(P118)

弟の声高々と本読むはたしかにお客
来たしるしなり  (東京 藤野武久)(P121)

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 全体として本が出てくるのものはあまりない中で、「少倶=少年倶楽部」そのものを題材にしたものが目立ちます。宣伝のためでもあるでしょうが、少年倶楽部はそれだけ人気もあったのでしょう。

来月もまた「少倶」だよと母さんは「少倶」でぼくを
使うなりけり (P20)

新聞に「少倶」の広告出てあるを父の所へ
むけておくかな (P29)

さがしても見えぬそのはず「少倶」をば父が読んだり
母が読んだり (P30)

「幼倶」をば「少倶」に代えしその時は少し大きく
なりし心地す (P76)

少倶でる頃と思えば父母の肩をもむやら
足さするやら (長崎 枝元 忠) (P79)

のらくろが連隊長になるまでは断じて「少倶」
やめぬ覚悟ぞ (P80)

凸坊は「少倶」出る日のいそがしさ庭をはいたり
水をくんだり (P82)

弟は少倶を読んでもらう時やたらに兄ちゃん
兄ちゃんとという (朝鮮 永井哲郎)(P133)

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 わたしより一世代前の子供たちの生活がなんとなく浮かんできます。
 投稿者の住所には、「朝鮮」や「台北」もありました。
 わたしの時代、『少年クラブ』(カタカナ表記になっていた)もありましたが、わたしは、鉄腕アトムが連載されていた光文社の『少年』の愛読者でした。笑話やなぞなぞのページも大好きだったせいか、いまだにジョークの本を追っかけています。

 

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