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2014年3月27日 (木)

『図書館警察』

 さてまた図書館つながりで、スティーヴン・キングの『図書館警察』(文春文庫、1999)である。
 『図書館戦争』『図書館の死体』『図書館警察』と並ぶと、なんだか図書館はずいぶん物騒なところのように見えるが、現実の図書館はけっしてそんなことはない。
 ホラー小説の大家の作品で、これも推理小説ではないけれど、題名が気になって読んだ本だった。
 ”Four Past Midnight”という原題の中篇小説集の一篇で、これは『真夜中四分過ぎ』という意味だそうだ。「図書館警察」の原題は”The Library Policeman”、だから正確には「図書館警察官」だ。
 中編小説といっても、「図書館警察」だけで395頁ある。日本なら十分長編小説と呼ばれる長さだ。この文庫本は、「サン・ドッグ」という一篇が合わせて収録され、696頁もある。他の二篇は『ランゴリアーズ』(文春文庫、1999)という別の本になっている。アメリカの小説は長いのが多い。

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 カバーにはこう書いてある。やっぱりホラー小説だ。

あの図書館には何かがいる。不気味な貼り紙、冷酷な司書、期日に本を返さないと現れる図書館警察。幼い頃の恐怖が甦り、サムの心を侵す。戦え、心の闇を消し去るのだ―恐怖に対決する勇気を謳い、感動を呼ぶ表題作。さらに異界を写すカメラがもたらす破滅を描く「サン・ドッグ」。翻訳者+装幀者による巻末の解説座談会も必読。

 つまり、図書館警察官の仕事は、本の返却期限を過ぎても返さない悪い子どもたちのところへ直接取り立てにやってきて、恐ろしいめにあわせることなのだ。アメリカでは子どもの間に広がっている都市伝説 urban legend のひとつだという。日本の「トイレの花子さん」のようなものか。(ひょっとするとキングが思いついた都市伝説かもしれないという気もするが。)
 借りた物を返さないことへの後ろめたさ、その後の罰に対する子供の不安・恐怖の象徴が図書館警察ということになる。キングはこれをさらに、子どもたちの恐怖を食って生きている化け物がいたというホラー小説に仕立てた。
 子供の頃怪談が苦手だったせいか、怖い夢とか幻想部分とか、どうもイメージがうまく浮かばないところもあった。まあこれがうまく浮かぶようになると怖くて読めなくなってしまうのかも知れない。
 しかしキングは話がうまくて、嘘がうまい。多少ひっかかるところはあっても、読んでいると話に引きずり込まれて、最後まで一気に読まされてしまう。

  図書館ものは、これで一区切りです。

 

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