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2014年3月 3日 (月)

『図書館戦争』

 図書館で『アンネの日記』関連の本が破られる事件が報道されている。誰が何のためにやっているのか。いわゆる「歴史修正主義者」のしわざなのか、それともただの愉快犯なのか、よくわからない。
 古本ミステリとは言いにくいが、この事件で思い出した本を紹介する。

 有川浩(ありかわひろ、女性)の『図書館戦争』シリーズである。(メディアワークス、2006~2008)
 『図書館戦争』、『図書館内乱』、『図書館危機』、『図書館革命』の本編4冊と、別冊の『図書館戦争Ⅰ』『図書館戦争Ⅱ』の全6冊からなる。ライトノベル調なので、6冊あってもそう苦労せずに読める。

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 ミステリというよりSFで、あらすじはこうだ。
 舞台は2019年の日本。過去に公序良俗を乱す表現を取り締まる「メディア良化法」が成立し、「メディア良化委員会」が、良化特務機関を駆使してメディアを取り締まっており、抵抗する者には武力も行使されていた。
 これに対抗して、図書館側は「図書館の自由法」を制定し、図書館の役割と本の自由を守るために、武装した「図書隊」による防衛制度を確立した。
 そして良化特務機関と図書隊との永年にわたる武力闘争が繰り広げられる中、一人の女の子が、憧れの王子様のいる図書隊に入隊し、戦いに、恋に奮闘する…
 つまり、この本はけしからん、と本を検閲し廃棄する良化委員会に対し、本を守ろうとする図書館が戦う、という話なので、『アンネの日記』事件から思い出したというわけだ。

 この図書隊と良化特務機関の間に限って武力行使が認められているという設定になっているので、まずここで、そんなことありえないだろう、この設定はおかしいと思ってしまうと、先へ進めない。そこはSFだから、ということにして読んでいくと、「図書館の自由」だけでなく、現在の図書館がかかえているその他の問題もいろいろ折り込んで事件は展開していく
 この小説のメインは、憧れの王子様である図書隊の上司とのラブストーリーなので、図書館の問題は結局刺身のツマのような位置づけになってしまうけれど、ひととおり図書館のことは調べてあるなと感じた記憶がある。(このあたり、読んだのが何年も前で、今は本も手元にないので、具体的に説明できない。間違っていたらごめん。)
 『図書館戦争』という名前に惹かれて読んでみたところ、中身は若者向けの軽い恋愛小説だった。おもしろい設定なので、恋愛抜きでやってくれればよかったのに、とわたしは思うけれど、まあ、それではまるで売れなかっただろう。
 作者は、現在テレビでやっている『三匹のおっさん』の原作者でもある。一度見てみたが、ドラマもライトノベル調の軽いつくりのように感じたので、以後見ていない。

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 『図書館戦争』         『図書館内乱』

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 『図書館危機』         『図書館革命』

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  『別冊 図書館戦争Ⅰ』    『別冊 図書館戦争Ⅱ』

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