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2014年4月30日 (水)

J54 『スイス・ジョーク集』

  『スイス・ジョーク集』(中谷和男編著、実業之日本社、1979)から本のジョークを。

09    

.隣人愛
      
「あなた自身のように、あなたの隣人を愛さなければならない(『聖書』レビ記)
「なぜなら、時計を買ってくれるから」(時計同業者組合)
(P48)

・ 時計はスイスの特産品で、ジョークの世界ではスイス人はケチで金にうるさいことになっている。

 

蔵書家
      
 たいへんな蔵書家もいるものだ。古今東西、奇本珍本、二〇万冊で家も傾くほどである。
「これだけの本を集めるには、二〇年はかかったな」と、蔵書家は本棚のホコリをはたいてつぶやいた。
「それにしても、よくみんな、返してくれといわないね」
(P68)

・これもケチだから、自費で買ったとは思っていないということ。

 

生き字引き
      
 生き字引きを鼻にかけるやつは、まことにもって、鼻もちならない。しかしこの生き字引きは、スイス百科事典を毎日一〇ページずつ読破するという、文字どおり、きわめつきの生き字引きなのである。
 それなら、生き字引きに挑戦する者は、なんといえばいいのか。
「教養とバターの相違をいえ」
「……」
「元が少なければ少ないほど、薄くのばすもの」
(P119)

 

・ これではなんだかよくわからないが、きっとこういうことだろう。

「教養とかけてなんと解く」
「バターと解く」
「その心は」
「どちらも、元が少なければ少ないほど薄くのばす」

  

粗暴な台詞
      
 古典劇に造詣の深いある興業主、脚本家志望の青年に原稿をつっかえしながら、
「残念だが、うちの劇場では粗暴な台詞(せりふ)はご法度なんだ」
「お言葉をかえすようですが」と、青年はおずおずと反論した。「これはみやびやかな宮廷劇で、粗暴な台詞など、ただのひと言も」
「それはわかってる。でもきみ、お客の口をついてでる野次のことを考えたかね」
(P136)
 

地理

 地理の宿題は『この本にもとづいて、スイス地図をえがけ』。
  手ぶらで登校した生徒、お尻をたたく先生にむかって、
「国の法律を守れとおっしゃったのは、先生のはずです。本の裏表紙をよくみてください。『転載禁止』とあるのを」
(P201)

 

ウィリアム・テル
      
「ママ、ウィリアム・テルといっしょに学校へかよってた子って、幸せだったと思うの」
「そりゃそうだよ、スイス建国の英雄だもの」
「ちがうの。いまより。歴史の教科書が、うんと薄かったはずだから」
(P204)

・ 建国前だからスイスの歴史そのものがなかった。実際、北朝鮮では金日成以降の歴史しか教えていないという話を聞いた。まあ、古代史や中世史がなくても別に不自由しないんだろうけれど…

 

教育法
      
 小学校は夏休みである。でもなんの因果か、祖母の家でバカンスを過ごすハメに     なった女の子、日本PTA全国協議会編集の『児童教育概論』を買いこんできた。
 驚いた母親、「おまえはまだ、自分の子どもの教育を考える年じゃないんだよ」
「これ、おばあちゃんにあげるの」と小学校一年の娘。
「だって、お尻さえたたけば、なんかの役にたつと思ってるんだもん」
(P211)

 

山羊
      
 二頭の山羊がばったり出会った。
「やあ、ひさしぶり。おれんちにこないか。ご馳走するぜ。いま、裏の山から新芽をつんできたばかりなんだよ」
「残念だな」と眼鏡をかけた山羊。
「いまから古本漁(あさ)りにいくところなんだ」
(P213)

 

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