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2014年5月31日 (土)

JB17 秋田實の『ユーモア辞典』

 秋田實は、有名な漫才の台本作家で、上方漫才の「育ての親」と言われている。わたしが子供のころ大好きだった漫才の秋田Aスケ・Bスケの師匠にあたる。(→「18 秋田實『ユーモア辞典』参照)
 その秋田が、若い頃から集めていた笑話に自作の笑話を加えて、晩年に集大成しようとしたもので、各巻それぞれ1,000の笑話が収められている。残念ながら第三巻は、死後に編集部が遺稿をまとめたものとなっている。
 金子登にも同名の『ユーモア辞典』(青蛙房、1963)という本がある。
 加島祥造は『新・英語の辞書の話』(講談社、1983)のなかで、秋田と金子の『ユーモア辞典』に収められた笑話を評して、英米人のユーモア感覚にも加島の江戸伝来のユーモア感覚にもあわない、大正期に生まれた冗談感覚だと書いている。(第Ⅱ章「ユーモア引用句辞典の話」)
 この本には海外の雑誌からひろった笑話も少なからず入っているはずだが、たしかに洋風のジョークでも江戸小咄でもない、どちらかといえば泥くさい、上方漫才風の味になっている。
 しかし露骨な下ネタは少なく、一定の品格がある。時代遅れの感は免れないが、それが逆に時代を感じさせる。
 金子登加島祥造の本についてはまた別途紹介する。

 
 

67 ユーモア辞典 壱

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    (書名)  ユーモア辞典 壱
      (著者)   秋田實 編
      (出版者)  文藝春秋
      (形状)     文庫
      (頁数)   297
      (出版年)  1978/01/25

・作者によれば(第二巻冒頭)、第一巻には「期待の失望」「洒落」「うかつ」「思いつき」「誇張」「言葉とがめ」の六つの笑わし方による笑話を収める。

 

68 ユーモア辞典 弐

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    (書名)  ユーモア辞典 弐
      (著者)   秋田實 編
      (出版者)  文藝春秋
      (形状)     文庫
      (頁数)   331
      (出版年)  1978/02/25

・この巻は「道理・理屈」「本末転倒」「結果と原因」「勘違い」「シーソー」「習慣」「矛盾」の七つの笑わし方を紹介することになっている。こういう笑いの分類はなかなかむつかしい。

 わたしの身にしみた笑話をひとつ紹介する。

   335 親思い
 「息子や」と、父親が苦々しそうに言った。
「四年間も大学へ行かしてやったのに、お前は、酒呑みで、怠け者で、厄介者でしかないんだね。何一つ良いことをしたことがないじゃないか」
 息子はしばらく黙っていたが、急に目を輝かして言った。
「そんな事はないよ。無理に自分の息子のことを自慢しなくてもいいようにして上げたじゃないの」(P110)

 

69 ユーモア辞典 参

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    (書名)  ユーモア辞典 参
      (著者)   秋田實 編
      (出版者)  文藝春秋
      (形状)     文庫
      (頁数)   334
      (出版年)  1978/10/25

・この巻にも1,000の笑話収録。死後に編集部によってまとめられたもの。

 

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