« 神奈川宿田中家 3/3 | トップページ | 筒井康隆講演会 »

2014年7月18日 (金)

JB25 指導者たちのユーモア

 最近東京都議会や国会でのセクハラ野次が問題になった。
 日本の政治家たちのユーモアのレベルが低いのは昔からで、下品な話やダジャレがユーモアだと思っているようなオヤジが多かった。とりまきの後援者の方も同じようなものだったから仕方がないところもあった。
 ところが今回、わたしよりずっと若い議員が昔ながらのオヤジセクハラ野次を飛ばしていた。進歩がない。
 
  また、そういう野次が飛びかい、みんなで笑っていることをずっと知っていたはずの新聞・テレビの記者たちが、いまさら驚いたような報道をしているのも納得がいかない。
 しかし、とりあえずこれでセクハラがやんで、野次やユーモアのレベルも少しはあがることを期待したい。

 村松増美『指導者たちのユーモア』の帯には「聴き手の心を捉え、振り上げたこぶしを下ろさせるユーモアは、指導者たちにとって「笑いごとではない」重要なコミュニケーションの手段」なのだとある。
 今回は、ジョーク集とは言いがたいけれど、そういう「指導者たちのユーモア」を書いた本を紹介する。

98 指導者たちのユーモア

Photo
    (書名)  指導者たちのユーモア
               
同時通訳者のとっておきの話
      (著者)  村松 増美
      (出版者)  サイマル出版会 
      (形状)     四六判ハードカバー
      (頁数)     246
      (出版年)   1996/08

・著者は日本における同時通訳者の草分け的存在で、ケネディ、フォード、カーター、レーガン各大統領、田中角栄、三木、福田 、大平各総理などの通訳をしている。

・英語でジョークの応酬をすることをバンタリング(bantering)というそうだ。banter というのは軽くジャブを出すようなことらしい。オーストラリアとニュージーランドは隣国同士でバンタリングできるが、日本はアジアの隣人たちとはまだできていない。そういう関係をつくりあげられるといい、と書いてある。嫌○○、反○○本ばかりでは、道は遠い。

 

99 チャーチル ウィット

Photo_2

    (書名)  チャーチル ウィット
      (著者)  A.サイクス、I.スプロート 編
           金子 登 訳
      (出版者)  ダイヤモンド社 
      (形状)     四六判ハードカバー
      (頁数)     142
      (出版年)   1965/08/16

・政治家のユーモア、ウィットというと、まず名前が出てくるのがチャーチルである。この本はそのチャーチルの演説や議会答弁、講演などの名文句を集めたもの。
 発言の状況がわからないとよくわからないものもある。

・よくわかるウィットの実例をひとつ。

 1948年、彼は下院において、絞首刑の弁護をして、その根拠としてイギリスの法律下において、もし適当に運用されるならば、それは絶対に苦痛のない死だ、と説いた。
 「試してみろ!」
と、ある議員が口をはさんだ。
 すると、チャ-チルが、答えて、
 「そうですな。そうさせていただくことになるかもしれませんぞ」(P12)

 

100  ケネディ ウィット

Photo_5
    (書名)  ケネディ ウィット
      (著者)  B.アドラー 編
           金子 登 訳
      (出版者)  ダイヤモンド社 
      (形状)     四六判ハードカバー
      (頁数)     129
      (出版年)   1965/08/16

・ケネディのユーモアも有名である。しかしこの本に収められている話は、アメリカの当時の政情や大統領選挙の歴史などに詳しくないとよくわからないものが多い。
 例えばある晩餐会でケネディがこんな話をしたという。

 この経費ということに関しては、今年初めに、たとえ当選しても、選挙資金の寄付をもって、大使たちを任命しようとは考えない旨は、既に声明したとおりであります。その声明を出して以来、わたくしは父から、ただの1セントさえももらっておりません。(P101)

 これのどこかおかしいのか。
 まず、アメリカでは大統領選挙に多大な貢献をすると見返りに外国大使に任命してもらえるという話がもっぱらであることを知っていないといけない。そしてケネディの父親は大変な金持で、フランクリン・ルーズヴェルトに多額の献金をして英国大使になったと言われていた。また、父親がケネディに多額の選挙資金を出しているとも言われていた。(そういえば現駐日大使のキャロライン・ケネディも、オバマを支持した功績による論功行賞人事だという話があった。)
 ジョークを理解するには知識と教養が必要なのだ。しかしこの本はそういう注釈がちょっと足りない。
 

101  ケネディのウィット

Photo_4
    (書名)  ケネディの ウィット
      (著者)  ビル・アドラー 編
           井坂 清 訳
      (出版者)  扶桑社 
      (形状)     文庫
      (頁数)     188
      (出版年)   2002/05/30

100の『ケネディ ウィット』と同じ本の新訳。こちらの方が訳がこなれている。注釈も詳しくてわかりやすい。

 

102  天皇家のユーモアPhoto_7
    (書名)  天皇家のユーモア
          
あんなジョークも!こんなシャレも!!
      (著者)  女性自身」皇室取材班
      (出版者)  光文社 
      (形状)     四六判ソフトカバー
      (頁数)     233
      (出版年)   2000/05/30

・副題に「あんなジョークも!」とあるが、残念ながらジョークらしいジョークは載っていない。いわゆる「ほのぼの系」のエピソードがあつめられている。

 

|

« 神奈川宿田中家 3/3 | トップページ | 筒井康隆講演会 »

ジョークの本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/217746/59948199

この記事へのトラックバック一覧です: JB25 指導者たちのユーモア:

« 神奈川宿田中家 3/3 | トップページ | 筒井康隆講演会 »