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2014年9月10日 (水)

米助、小遊三、一朝、円丈

 9月7日(日)、鎌倉芸術館で「かまくら名人劇場 よったり、寄ったり競演会」を見た。前から二列目の、演者の顔がよく見えるいい席だった。

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 出演は、三遊亭円丈、三遊亭小遊三、桂米助、春風亭一朝の四人。下のチラシは3カ月分の公演が一緒にのっている。一番上の四人である。

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 出し物は、

雷門音助     まんじゅう怖い
桂米助      野球寝床
三遊亭小遊三   長命
(中入り)
春風亭一朝    天災
三遊亭円丈    新ぐつぐつ

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 前座の雷門音助の「まんじゅう怖い」は声がよく通って、期待が持てた。

 桂米助は、テレビの「突撃!隣の晩ごはん」で有名なヨネスケである。といっても、わたしは「笑点」で、春風亭昇太が「ヨネスケでーす」と言って真似をするので、そういう番組があるのを知っただけだったが。
 まくらに、その「晩ごはん」ネタと長島監督ネタがずっと続き、おやおや話はやらないのかと思いかけた頃、プロ野球ロッテ球団のオーナーが、嫌がる関係会社や社員を集めてロッテの試合を観戦に行く、という話がはじまった。関係者はみんな、観戦に行けないとあれこれ言いわけをする。
 これは古典落語の「寝床」の現代版か、最後の落ちはどうつけるのか、まさか球場が寝床だったとは言えないだろう。声がくぐもる感じでちょっと聴き取りにくいけれど、落ちを楽しみに聴いていたら、突然「途中ですが、お時間が来ましたので」と終わってしまった。
 おいおいこんなとこで終わるなよ、落ちはどうなるんだ。晩ごはんと長島を少し削ればできたじゃないか。
 落ちが知りたくて、帰ってから「野球寝床」をネットで調べてみたら、なんと7年前にわたしとまったく同じ感想を書いている人がいた。そのときも番組裏話と長島ネタが長く、途中で突然終わったそうだ。ひょっとすると、米助はずっとこの形でやっているのかもしれない。
 まくらの方がずっと受けていたとはいえ、話のきまりはつけてほしかった。
 ニコニコ動画に「野球寝床」があった。いつ頃の動画なのか、ロッテ愛甲のサヨナラホームランが出てきた。なつかしいといえばなつかしい。ともかく落ちは確認した。

 三遊亭小遊三はやっぱり「笑点」楽屋話ではじまった。
 演目の「長命」は、女房がいい女だと短命になる、という話。「短命」と呼ばれることもある。小遊三は笑点でもときどきこの話の、「手と手が触れる、目と目があう…」をギャグでやっている。得意な話なのか、下品にならず、さらっと聴かせた。

 春風亭一朝(しゅんぷうていいっちょう)は、初めて聴いた。いきなり「イッチョウ懸命がんばります」のダジャレではじまったので、ちょっとどうかと心配したが、語り口がとてもきれいでいい。テレビの時代劇の江戸言葉の指導をしたりしているそうだ。
 「天災」は、短気で喧嘩っ早い八五郎が、心学の紅羅坊名丸(べにらぼうなまる)先生のところへ、少しは気が落ち着くように話を聞きにいく。江戸っ子のぽんぽん喋る口調がいい。

 三遊亭円丈は今や新作の大家ということになっている。足立区に住んでいて「東京足立伝説」という作品もある。
 まくらで、最近世界もいろいろ大変だという。ニュースで「イスラエルがガザ地区を爆撃」と言うと「足立区を爆撃」に聞こえる、には笑った。
 「新ぐつぐつ」は、屋台のおでん屋が舞台で、おでん屋のおやじと客のやりとりと、なんとおでんの具たちの会話が交互に語られるという話。彼女にふられた客の嘆きに、売れ残りで下に沈んでいるおでんの具の嘆き…
 この場面転換に、両手を左右に振りながら大きな声で「ぐーつ、ぐつ、ぐつ」という歌が入る。かなり馬鹿馬鹿しくて、こりゃなんだと思ったが、何度も聞かされているうちに、場面転換の間奏なんだと了解できてきた。円丈も途中「六十九歳でやる話か」と言っていたが。
 当然円丈が作った話だろうと思ったら、これは柳家小ゑんの新作だそうだ。小ゑんの「ぐつぐつ」をもとにしたから「新ぐつぐつ」らしい。
 

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