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2014年10月13日 (月)

J61 『頭がよくなるユダヤ人ジョーク集』

 ユダヤ・ジョーク、続いては、烏賀陽正弘『頭がよくなるユダヤ人ジョーク集』(PHP研究所、2008)から。タイトルは仮にわたしがつけました。

Photo_4

 

喜びと誇り(仮題)
ある日、サムが非常に驚いた。友人のソールが、憎悪と悪意に満ちた反ユダヤ主義の新聞を読んでいるではないか。そこでソールに聞いた。
「一体、なぜそんな新聞を読むんだ?」
「これを読むと、非常な喜びと誇りを感じるからさ」
「非常な喜びと誇りを感じる? さっぱりわけが分からないね」
「分からないの? ユダヤ人の新聞を読むと、ユダヤ人が殺害されたとか、暴行を受けたとか、暗い話ばかりだ。ところがこれを読むと、おれたちユダヤ人が、大銀行を所有し、強大な権力を持ち、世界を支配しているかのような記事ばかりだ。これを読んで喜びと誇りを感じないかね!」(p49)

散髪のお礼(仮題)
 ある日、散髪にやってきた客が、プロテスタントの牧師だと知ると、主人は言った。
「私はプロテスタントではありませんが、神の教えを布教する人を尊敬します。ですから代金はいただきません」
 一時間後、その牧師がやってきて、お礼の印として、豪華な革表紙の新約聖書一冊を、彼にプレゼントした。
 やがて、白いカラーを首につけたカトリックの神父が入ってきた。
「神父さん、私はもちろんカトリック教徒です。ですからお金は頂戴しません」
 神父は感激し、その一時間後に戻ってきて、主人に、見事な細工を施した十字架のペンダントをお礼にあげた。
 数日後、ある男がやってきて、散髪屋は、彼がユダヤ教のラバイ(聖職者)だと知った。
「私はユダヤ教徒ではありませんが、神の教えを布教する人を尊敬します。ですから代金はいただきません」
 ラバイは感激し、お礼の言葉を丁寧に述べて去った。その一時間後、先ほどのラバイがやってきて、知人のラバイを一〇人連れてきた。(p94)

歴史上の人物(仮題)
 ソールは懸命に就職先を探していた。自分にその資格があるかどうかは、どうでもよかった。ともかく働き口がほしかった。
 百科辞典出版社の担当者との面接に、運よくパスした彼は、人事部長との最終面接に臨んで、こう聞かれた。
「書籍を販売した経験は?」
「豊富にあります」
「大学でアメリカ史を専攻して、学位を持っているそうですが」
「その通りです」
「結構です。じゃこの用紙に記入次第、入社していただきます」
 部長がその用紙に書き込んでいる間に、ソールは、その立派な部屋を眺め回し、壁にかかっているワシントンとリンカーン大統領の肖像画を指差しながら言った。
「上品で立派な紳士ですね! 御社のパートナーでしょうか?」(p109)

縁の切れ目(仮題)
 聖職者のラバイを目ざすサムが、シナゴーグで懸命に勉強をしていた。ところが、訪問者がひっきりなしに来るので、集中して本を読むことができない。困り果てた彼は、父親に、どうしたらいいかを相談した。
 父親は忠告した。
「相手が金持ちなら、お金を貸してほしいと言えば、二度と来ないだろう。相手が貧乏だったら、お金を貸すがいい。二度と返しにはやって来ないからね!」(p121)

 

 おまけ。これは、加瀬俊一『ユダヤ・ジョークの叡智』(光文社、2003)から。Photo_3

時間を教えてください
 見るからに裕福そうなユダヤ人紳士と、貧しいユダヤ人の学生が列車で向かい合って、座っていた。
 もう、発車してから、三十分以上がたっていた。
 紳士のほうは、新聞を読み耽っていた。学生は、厚い学術書を読んでいた。二人はずっと黙っていた。
「あの、今、何時でしょうか?」
 と、学生が顔をあげてたずねた。
「教えたくないね!」
 と、紳士が新聞から目を離さずに、答えた。
「しかし、その金の鎖の先には、懐中時計がついているんでしょう? ちょっと、時間を教えてくださっても、よいでしょう?」
「たしかに、この鎖には時計がついている。でも、時間を教えたくない」
 紳士のチョッキから、見るからに高級そうな金の古い鎖が、下がっていた。
「それでも教えてくださるというのが、親切というものでしょう?」
「そこまでいうのなら、説明しよう。
 もう三十分で、目的の駅に着く。
 君も、そこで降りるかもしれない。
 そこには、私の娘、それも美しい娘が、わたしを出迎えている。
 君は、なかなか美男子だ。本を読んでいる態度を見ると、勉強もできそうだ。
 私が君に時間を教えると、それが切っ掛けになって、会話が始まる。
 私と一緒に駅に降りると、私は娘を紹介しなければならない。
 君は私の娘に、一目惚れするだろう。娘も、君に対して、好意をいだくにちがいない。
 そのうちに君は、私の家を訪ねることになる。妻と娘が、手料理をつくる。
 そのうちに君と娘が懇(ねんご)ろになって、結婚しよう、ということになる。
 しかし、時計も持っていない貧乏学生に、嫁にやるわけにはいかん!」(p188)

 

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コメント

「時計も持っていない貧乏学生に、読めにやるわけにはいかん!」 最後の最後で漢字変換間違ってしまいましたね。「読めに」ではなく、「嫁に」ですよね・・・

投稿: fk | 2015年5月30日 (土) 21時02分

 ご指摘ありがとうございます。さっそく訂正しました。

投稿: 窮居堂 | 2015年5月31日 (日) 05時33分

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