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2014年10月 4日 (土)

JB30 ユダヤのジョーク

 戦後のある時期までは、ジョークといえば粋なフランス小咄か、ウィットの効いたイギリス紳士のジョークということになっていた。今ではアメリカン・ジョークとユダヤ・ジョークが本流になっているようだ。そのユダヤ・ジョークの本。

123 ユダヤ笑話集

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   (書名)   ユダヤ笑話集   
     (著者)   三浦 靭郎 訳編
      (出版者)  社会思想社
      (形状)     文庫
      (頁数)     270
      (出版年)   1975/11/30
           

・実業之日本社の『ユダヤ・ジョーク集』(1973)『続ユダヤ・ジョーク集』(1974)が当たったので、続いて刊行されたと考えるのはまちがいだろうか。

・「名士のジョーク」の中から

天国と地獄
劇作家トリスタン・ベルナールは言った、
「天国の方が季候はいいそうだが、地獄には、仲間がたくさんいるからなあ」

 

124 ユダヤの笑話と格言

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   (書名)   ユダヤの笑話と格言   
     (著者)   ザルチア・ラントマン 編
                       三浦 靭郎 
      (出版者)  社会思想社
      (形状)     文庫
      (頁数)     207
      (出版年)   1976/11/30
                        (1988/08/30、16刷)

・ザルチア・ラントマン(女性)は東欧系のユダヤ人で、東欧のユダヤ人の文化の研究者である。原題は「逸話と格言」で、笑話とは思えないものも入っている。
 ラントマン自身による「東欧ユダヤの格言と逸話」という解説が巻末にある。

・この本はユダヤの宗教・民俗にからんだ話も多い。タルムードにからんだあまり難解な話はのせてないとのことだが、なじみのない言葉もでてくる。
 

キニムとバニム
  ポーランドの荘園に住んでいる男が、ゼーダーと呼ばれる過越の祭の祝宴で、家族の者にハガダ(過越の祭のいわれを説明する式文)を読み聞かせる。エジプトでの十の苦しみを数え上げるところで、<キニム>(害虫)を誤って<バニム>(息子)と読んでしまう。
 教養のある娘婿があとで注意する、
 「間違ってますよ、お父さん、ハガダに出てくるのは、キニム、害虫で、バニム、息子ではあり ません。」
 父親は苦笑して答える。
 「それは間違いではない、バニムもキニムだ。」(p117) 

・ユダヤの格言の例。

おまえを尊敬する者には辞を低くせよ。おまえを蔑む者には高びしゃに出よ。

馬鹿の種をまくことはない――馬鹿はひとりでに生える。

友達と縁を切ろうと思ったら、金を借りるか、金を貸してやることだ。

善き友はただで手に入る、敵は金で買わなければならない。

 

125 ユダヤ最高のジョーク

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   (書名)   ユダヤ最高のジョーク   
     (著者)   ザルチア・ラントマン 編
           和田任弘 訳
      (出版者)  三笠書房
      (形状)     文庫
      (頁数)    233
      (出版年)   1994/07/10 

・この本は JB04 実日国別ジョーク集1/3で紹介した009 『続ユダヤ・ジョーク集』を改編、改題したもの。章の順番やジョークのタイトルを変えてあるので、別の本か思ってしまう。厳密な照合はしていないけれど、中のジョークそのものは変わっていないようだ。

・『続ユダヤ・ジョーク集』のあとがきに、ザルチア・ラントマンの本に収録された約3000編のジョークから、約250編を選んで訳出した、とある。これには宗教・民俗がらみのあまり難しい話は含まれていない。

 

126 ユダヤ・ジョーク集

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   (書名)   ユダヤ・ジョーク集   
     (著者)  ラビ・M・トケイヤー
          加瀬 英明 訳
      (出版者)  講談社
      (形状)     文庫
      (頁数)     301
      (出版年)   1994/09/20

・これは JB04 実日国別ジョーク集1/3で紹介した008 『ユダヤジョーク集』に「文庫版のためのジョーク」(7頁9ジョーク)を加えたもの。

 

127 ユダヤ・ジョークの叡智

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   (書名)   ユダヤ・ジョークの叡智
         逆境も窮地も、笑いで切り抜ける   
     (著者)   加瀬 英明
      (出版者)  光文社
      (形状)     文庫
      (頁数)     268
      (出版年)  2003/04/15

・ユダヤ人の考え方などを解説しながらジョークをはさんでいくというスタイル。ジョークはいいけれど、少しユダヤ人を持ち上げすぎ。

・ユダヤのエスニック・ジョークでは、ロシア人とポーランド人は近代に入ってもユダヤ人を迫害してきたから、損な役を演じさせられている、とある。(p150)
 間抜けなポーランド人というジョークは、ユダヤ人が吹聴してきたものだったのか。

・ユダヤ・ジョークではないが、これが面白かった。

 イギリスの外相だったヒュームの伝記によれば、ヒューム外相が訪中した埜之大して、毛沢東主席が人民大会堂で歓迎の宴を催した。
 ヒュームが食事中に、毛主席に「もし、ケネディ大統領ではなく、フルシチョフが暗殺されたとしたら、その後の歴史が、どのように変わったものでしょうか?」とたずねた。
フルシチョフはソ連の首相で、ケネディ大統領と、キューバ・ミサイル危機をめぐって対決した。
 ヒュームは、フルシチョフが中ソ対立をもたらしたことを念頭において、質問したのだった。
「その場合には、ミスター・オナシスが、フルシチョフ夫人と結婚することは、なかったでしょう」
 と毛主席は答えた。(p254)

  フルシチョフ夫人は、太っていて、ロシアの典型的な農婦を思わせる女性だったそうです。

 

128 頭がよくなるユダヤ人ジョーク集

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   (書名)   頭がよくなるユダヤ人ジョーク集   
     (著者)   烏賀陽 正弘
      (出版者)  PHP研究所
      (形状)     新書
      (頁数)     236
      (出版年)   2008/03/03

これも127 『ユダヤ・ジョークの叡智』と同じように、ユダヤ人というのはどういう人びとなのかを紹介しながら、ジョークをはさんでいく。

・こういう本を読んで頭がよくなったり、金が儲かるようになったりすることはない。こんなタイトルをつけなくてもいいのに。

・ジョークに、なぜおもしろいかの解説がついているのは、ちょっとうるさい感じがする。

・東欧から移民したユダヤ人が持ち込んだジョークがアメリカで一般化して、アメリカン・ジョークとなっているものもある、という解説がある。
 たしかにユダヤ人とかユダヤ教と書いてなければ、「アメリカン・ジョーク」として紹介せれても、わたしにはわからない。

・これはユダヤ・ジョークとわかる例。

生か死か(仮題) 
宗教裁判所の裁判官が、ある日当然、町中のユダヤ人を広場に集めて、其の指導者の長老に言った。
「帽子の中に紙切れを入れた。一枚には『生』と書いてあり、他の一枚には『死』とある。『死』と書いたほうを引いたら、きみたち全員を死刑に処す」
 しかし老獪(ろうかい)な長老は、其の両方の紙切れに「死」と書いてあることをうすうす感じ取って、帽子の中の紙切れを一枚抜くなり、何が書かれているか一瞥(いちべつ)もしないで飲み込んでしまった。驚いた裁判官は、
「なんということをするのだ! それでは、紙切れに何が書いてあるか分からないじゃないか」
 と怒鳴った。そこで彼は答えた。
「それは問題ありません。帽子の中の紙切れを見てください。それに『生』と書いてあるなら、飲み込んだのは明らかに『死』です。でも、それに『死』と書いてあったら、私が飲み込んだのは『生』なのですから」
 と答えて、ユダヤ人全員が危うく死を免れた。(p23)

 

 

129 人生最強の武器 笑い(ジョーク)の力

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   (書名)   人生最強の武器 笑い(ジョーク)の力
                    ユダヤ人の英知に学ぶ  
     (著者)   加瀬 英明
      (出版者)  祥伝社
      (形状)     新書
      (頁数)     250
      (出版年)   2010/10/10

  ・ユダヤ人の考え方などを解説しながらジョークをはさんでいくというスタイルは、127 『ユダヤ・ジョークの叡智』と同じ。ユダヤ人について述べている趣旨は変わらないので、ジョークまで同じというわけではないが、同じ本を読んでいるような錯覚に陥った。

・「北朝鮮はジョークの宝庫」という章があるけれど、北朝鮮固有のジョークではなく、これまでの独裁者・強権国家ネタを北朝鮮に置き換えたものがほとんど。

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