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2015年4月

2015年4月30日 (木)

漢詩をつくる 

 まずは漢詩を一首ごらんください。

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 「石甃(せきしゅう)」は石畳、「空王(くうおう)」は、仏の尊称。仏が世界は一切空であると説いたことからきています。だから「空王に礼す」は、仏を拝むことです。
 いかがでしょう、早春の山寺の風景が目に浮かんできたでしょうか。
 浮かんでくるわけないですね。なにしろこれは、私が生まれて初めてつくった漢詩です。

 某カルチャーセンターに「はじめての漢詩作り」という講座があるのを見つけました。
 高校で漢詩を習ったとき以来、「平仄(ひょうそく)をあわせる」ということがどういうことなのか、気になっていました。その後、本を読んである程度は理解しましたが、具体的にどうするのかまでは知りませんでした。それがいまどき漢詩をつくる講座があるというので、漢詩をつくりたいというより、平仄をあわせることだけでも教えてもらおうと行ってみました。
 そこで初めてつくったのが上記の漢詩というわけです。だからただ漢字を並べただけで内容もなにもないのは勘弁してください。
 できが悪いのはともかく、どうやってつくったかメモを残して置かないと、習ったことも、自分がやったこともすぐ忘れてしまうので、簡単にまとめておくことにします。

漢詩の音韻

 現代中国語には四声と呼ばれる声調があって、同じ音でも四声の違いによって違う単語になる。入門書によく書いてある例では、
同じ「ma」(マー)という音も、
 第一声…「媽」(お母さん)
 第二声…「麻」(痺れる)
 第三声…「馬」(馬)
 第四声…「罵」(しかる)
と声調によって、別の言葉になる。
(実際の発音例は下記から
https://www.youtube.com/watch?v=VIZZuFpm70w)

 漢詩は、現代中国語の四声ではなく、中古漢語の四声に基づいてつくる。中古漢語というのは、6世紀から10世紀くらい、六朝から隋・唐・五代・宋初の時代の漢語。現代中国語の四声は中古漢語の四声とは違う。実際にどういう発音になるのか、わたしにはよくわからないが、ともかくそれにあわせて韻を踏み、平仄(ひょうそく)があうようにつくる。

 平仄というのはこの四声を二つにわけたもので、四声は次の四種。
平声(へいせい、ひょうせい、ひょうしょう) 平らな調子
上声(じょうせい、じょうしょう)      尻上がりの調子
去声(きょせい、きょしょう)        尻下がりの調子
入声(にゅうせい、にっしょう) p、t、kで終わる短くつまった調子        

 このうち平声以外の三声を「仄声(そくしょう)」という。平声の平らな調子に対し、抑揚のある平らでない調子をひとくくりにしたものである。
 この平声と仄声がうまく組み合わさっていないと、詩の調子が整わない。それで次第にその理想的な配置が作詩の規則としてさだまり、詩の形式ごとに平仄の使い方の公式ができた。
 この公式にあわない字の使い方がつまり「平仄があわない」ことである。

 例えば七言絶句平起式 (起句第二文字目が平字)の平仄の公式は次のようになる。

(起句) 平平 仄仄 仄平平   ○○ ●● ●○◎
(承句) 仄仄 平平 仄仄平   ●● ○○ ●●◎
(転句) 仄仄 平平 平仄仄   ●● ○○ ○●●
(結句) 平平 仄仄 仄平平   ○○ ●● ●○◎
(平声を○、仄声を●であらわす。◎は平声の同韻)

 ところが日本語には声調がないから、漢字を音読みしても声調がわからない。平安時代遣唐使が行き来していた頃には中国語で読める人がいたけれど、その後教えられる人がいなくなった。だから江戸時代の日本人は漢詩をつくるために、平仄を暗記して覚えなければならなかった。まずこの公式は 

ヒョーヒョー、ソクソク、ソクヒョーヒョー
ソクソク、 ヒョーヒョー、ソクソクヒョー
ソクソク、 ヒョーヒョー、ヒョーソクソク
ヒョーヒョー、ソクソク、ソクヒョーヒョー

と唱えて覚えたという。詩の形式ごとにこれが何種類かある。
 そして漢字の平仄の別は、「詩語表」というものを使って覚え、上の公式にあてはめて詩をつくった。
 七言の一句は、二字、二字、三字でできている。だから作詩のために、詩でよく使う二字、三字の熟語を集めて、平仄別、主題別にまとめた「詩語表」がつくられた。

Photo 左はわたしが利用した詩語表の一部である。「春日遊山寺」「春日山行」などの主題によく使われる語句、似つかわしい語句が音韻別に並べられている。
 「○○」の熟語には「鐘楼、山門…」、「●●」には、「清境、高聳…」、「●○○」には「梵王宮、半空中…」があるというわけである。
 「○○」から「山門」、「●●」から「寂寞」、「●○○」から「落花紅」を選んでつなげると、

 「山門寂寞落花紅」
 山門寂寞として落花紅なり

という一句ができる。できばえはともかく、平仄は「○○ ●● ●○○」になる。
 初心者はこうやって、平仄を確認しながら詩語表から選んだ語句を組み合わせて詩をつくっていく。
(●●のところに小さな○をつけた熟語もある。これは○●であるが、位置によっては○●も許されるのでここに載っている。○○のところに●○があるのも同じ。)

 韻を踏むというのは、句の最後の◎のところの音を、同じ韻でそろえることである。
 わたしのつくった詩では「光」「香」「王」で韻を踏んでいる。これはみな「陽」の字で代表される「陽韻」というグループの字なので、この詩は「陽韻」である、という。
 日本語でも「コウ」「コウ」「オウ」だから、なんとなく韻を踏んでいそうな気はする。しかし、日本漢字音の語尾が同じだからといって、漢語音でも同じ韻になるとは限らない。
 例えば「東」「空」「桐」「功」などは「東韻」、「冬」「松」「鐘」などは「冬韻」、「江」「窓」「邦」などは「江韻」で、それぞれ違う韻ということになっている。どこがどう違うのか、日本語ではまったくわからない。
 これらを区別して使うためには、「韻字表」という同韻を集めて一覧にした表があるので、これを覚える、あるいは使うときに韻字表や辞書で調べるしかない。

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             (韻字表) 


 つまり漢詩というのは「音」が重要で、口調よく作らなければならないものなのに、日本人はその「音」をちゃんと知らないまま、文字を見るだけで「音」である「平仄」や「韻」をあわせて詩をつくってきたということなのである。
 日本人が漢詩をつくるには大変な努力が必要だったことがわかる。と同時に、これで中国人が読んでも素晴らしいと思うような詩をつくれたのかどうか、心配にもなる。

 

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2015年4月27日 (月)

今年も春の花

 もう4月も半ばすぎなので、庭は例によって草がのさばり始めました。ビワの袋かけと草刈りが今回のメインの作業です。

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 この二、三年ちゃんと手入れをしていないので、花を植えていたところも畑だったところも一面の草ですが、それでも季節にあわせて咲いているけなげな花があります。
 雑草の中のチューリップ。

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 アネモネ。

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 シャガ。

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 そしてこれは、カタクリらしい。うちの奥さんが何年も前に植えて咲かなかったものが、今年になって初めて咲いたようです。

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 このシャクナゲもずっと咲かなかったのですが、今年初めて咲きました。

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 タンポポやハルジオンはいっぱい咲いていてもあんまりけなげではありません。
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 樹木の花もあります。
 これも今年初めて咲いた花。白い小さな花がたくさんです。植えてから何年もたつので、うちの奥さんもプルーンだと思うけど…と確信が持てないようです。実がなればわかります。

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 木蓮。

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 庭桜。ちょっと写りが悪い。

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 山吹。

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 花はまだですが、葉がきれいなのが柿。

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 そして朴の木。

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 実の点検も大事です。
 これはプラム。

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 梅。

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  甘夏は4個、全部収穫しました。

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 甘夏がこの夏ミカンくらい実ってくれるといいんだけど…

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 キウイはまだ芽が出て来たところで、これからツルが伸びていきます。

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 ちょっと地味な写真が多かったので、近所の道の駅「枇杷倶楽部」花壇の写真も載せておきます。もうすっかり春です。

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2015年4月23日 (木)

今年もビワの袋かけ

 4月16日(木)から18日(土)まで、南無谷へビワの袋かけに行ってきました。桜が咲いているときに行こうと思っていたのに都合で遅くなってしまい、わが家の桜はすでに青々としていました。今年も花を見逃しました。

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 幸い暖かい日が続いて、ビワの袋かけ作業は順調に進行しました。
 3月ごろから袋かけを始めるので、遅いくらいで、けっこう実が大きくなっているのもありました。同じところについた実の大小がはっきりしていると、判断に悩まず袋をかけられます。小さいのは問答無用で落とします。

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 同じくらいだと、どれを取るか決断を迫られます。大きさの他に、傷はついていないか、どちらが袋をかけやすいかなどで決めていきます。

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 通常はグループの中で成育に差がついて大小があるのですが、どんぐりの背比べでみんな小さいのもあります。平等に育った民主的なビワグループかもしれませんが、こういうのはしょうがない、全部落とします。

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 こんな、実のくっついた双子もありました。面白いのでとりあえず袋をかけておきました。

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 今回驚いたのは、こんな毛虫がいたこと。黄色と黒の派手な色で、トゲがいっぱいあります。

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 ピントが合っていないので、拡大するとボケていますが、こんな感じです。

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 この毛虫を見るのは初めてでした。カタツムリはときどきいるし、カメムシも見ます。でもこれは知りません。数匹いただけなので、地面に落として、あとは放っておきました。袋かけ作業中に虫退治までやるのは面倒です。
 ところが帰ってから調べたところ、なんとこれはゴマフリドクガという毒蛾の幼虫でした。鱗翅目ドクガ科、チャドクガなどの仲間で、同じような毒針毛を持ち、刺されると猛烈に痒い。成虫の羽根に黒いゴマふり模様があるそうです。ゴマフリでもシモフリでもドクガはだめだ。
 素手で触ったりはしなかったので大丈夫でしたが、もう少し注意しないといけません。そういえば、以前南無谷から帰ってから、あんまり痒くて皮膚科に行ったら、チャドクガだと言われたことがありました。そのときは椿の木をいじっていたのでチャドクガだと思いますが、新たな脅威の登場は困ります。
 インターネットの「幼虫図鑑 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/youtyuu/index.html」というページでゴマフリドクガを検索すると、クローズアップ写真がたくさん見られます。興味のある方はどうぞ。

 南無谷にはいろんな生き物がいます。実は今回一番驚いたのは毛虫ではありません。南無谷に到着して、家に入って中から雨戸を開けたとき、頭の上から庭先にドサッとヘビが落ちました。びっくりしました。雨戸を開けると大きな蜘蛛が飛び出してくることはよくありますが、ヘビは初めてです。そのままスルスルと物陰に隠れてしまい、頭の方は見えませんでしたが、薄い灰色のそれほど大きくないヘビでした。後でおそるおそるまわりを棒で突っつきながら見てみましたが、見当たりませんでした。
 わたしの頭の上に落ちていたらと思うとゾッとします。きっと大騒ぎしたことでしょう。まあ、前にも何度かヘビを見たことはあるし、いるのはしょうがないけれど、こういう不意打ちはやめてほしい。

 これはチュリーップにいたハチ。ハチもこれくらいならいいけれど、またスズメバチの巣作りの季節が近づいています。これも注意しなければいけません。

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 二泊三日でなんとかビワの袋かけは終えることができました。この二、三年というもの、ずっと不作でした。わが家のビワは甘くておいしいと自慢していたのに、納得のいかない味が続いているので、なんとかもとの味に戻ってくれないかと願っています。しかし、今年は冬の寒さこそたいしたことはなかったものの、春になってから雨が多く日照不足だと言われています。どうなるでしょう。

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2015年4月20日 (月)

J65 イギリスのユーモア

 本のジョーク。北村元『イギリスのユーモア』(サイマル出版会、1983)から。

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書評

 チャールズ・ディケンズのある一般的な本についての評である。

「中身より表紙と裏表紙の方がはるかにすばらしい本である」(p135)

批評

 アメリカのユーモア作家マーク・トウェインも、ジョセフ・スミスの本を批評した。
「これは印刷された麻酔薬である。もし、ジョセフ・スミスがこの本を書いたのなら、その行為は奇跡というしかない。この本を書きながら起きていられたなんて」(p136)

世界一短い本

 問「世界で一番短い本を三つあげてごらんなさい」
 答「はい、簡単です。イタリアの英雄の本、アイルランドの百科事典、ナイジェリアの料理の本」(p276)

世界一厚い本

 世界で一番分厚い本は、ユダヤ人の貯蓄の本である。(p62)

北村元『イギリスのユーモア』(サイマル出版会、1983)p62、

幼な心にも

 スコットランドの学童は、自分の教科書に絶対に名前を書き入れない。次に売れなくなると困るからだ。(p83)

 

 同じ北村元の『イギリス人のユーモア』(PHP研究所、2003)から。

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賢い

 妻「とっても賢い犬を、もらったわよ。毎朝、新聞を持ってくるのよ」
 夫「そりゃあそうだけど、そういうことが出来る犬って結構いるぜ」
 妻「だって、うちじゃ新聞を購読していないのによ」(p151)

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2015年4月16日 (木)

JB36 加島祥造の本

 これらの加島祥造(かじましょうぞう)の本のうち、148、149、150は、ジョーク本ではないけれど、ジョークに隣接するユーモラスな名句などについて語っているものなので、紹介しておきたい。
 加島祥造は、英文学者にして詩人。最近は東洋思想に傾倒し、「伊那谷の老子」ということになっているようだ。

 加島によれば、英語には多彩な「引用句辞典」がある。演説や文章に気の利いた引用句を入れることがひとつの文化になっている。日本でも昔はそうだったが、明治で基盤を西洋文化に切り替えた際に失われた。
 これらの本で加島は、いろいろな英語の引用句辞典を紹介・解説し、日本にも、教訓的名言だけではない、独自の発想と表現をもつもの、その句が発された状況に寄りかからない、普遍的真実をみごとに表現する引用を集めた辞典が欲しいと述べている。

 

148  新・英語の辞書の話―引用句辞典のこと

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.    (書名)  新・英語の辞書の話
           引用句辞典のこと
      (著者)  加島 祥造
      (出版者)  講談社 
      (形状)     四六判ハードカバー
      (頁数)     302
      (出版年)   1983/01/10

・副題に「引用句辞典のこと」とあるように、英語の引用句辞典について書かれたもの。英語のものは非常に発達していてすぐれたものが多く、これに比べると日本の名句辞典・金言辞典といったものは貧弱である、という。

・中に「ユーモア引用句辞典の話」という章があり、日本に好いユーモア辞典がないとも言っている。
 金子登編『ユーモア辞典』、秋田實編『ユーモア辞典』(→ JB29 金子登の本JB17 秋田實の『ユーモア辞典』)が出ているが、これらは、英語の引用句辞典とはまるでちがう。またこの両氏のユーモア感覚は加島とは違う。大正期あたりからの冗談感覚で、加島の江戸伝来のユーモア感覚にはあわない。

・日本では「柳樽」が引用句辞典の役を果たしてきた。「江戸小咄辞典」もそうだ。

・「現代日本のユーモアは――その機智も諷刺もジョークも――すべてが余りにも幼稚で薄っぺらでミミッチイものです。」とも加島は言っているが、ちょっと承服しかねる。漫画から演芸までの雑多な笑いを集成して、加島の言うような引用句辞典が編纂されれば、それなりのレベルのユーモアが集まるのではないか?

・この本は、講談社学術文庫に『引用句辞典の話』 と改題して収録されている。

 

149 西洋ユーモア名句講座

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.    (書名)  西洋ユーモア名句講座
      (著者)  加島 祥造
      (出版者)  立風書房 
      (形状)     四六判ハードカバー
      (頁数)     237
      (出版年)   1984/03/01

・西洋のユーモアを、引用句辞典からユーモラスな言葉をひいて、その裏にある西洋的な常識の働きや表現を考えようという本。

・加島は非常にまじめで、そのうえユーモアに対する要求も高い。例えば、ボブ・ホープからの引用句についてこう書く。

 「中年(ミドル・エイジ)とは、まずあなたの年齢(とし)があなたの腹(ミドル)のまわりに現われはじめることを言う。     ――ボブ・ホープ――
Middle age is when your age starts to show around your middle.
                                     --Bob Hope
 これはまったく語ろ合わせのユーモアであり、内容は平凡きわまる。「中年になったんで腹がではじめたよ」とは日常の常套語だ。ところでボブ・ホープは、ミドル middle を中年と腹の両方に使って語ろ合わせで笑わせようとする。これは低級な笑わせ方であり、つまらぬユーモアの降霊と言える。」(p184)

 これでは綾小路きみまろのギャグなど、とても受け付けてもらえないようだ。

 

150 アメリカン・ユーモア

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.    (書名)  アメリカン・ユーモア
      (著者)  加島 祥造
      (出版者)  中央公論社 
      (形状)     四六判ハードカバー
      (頁数)     277
      (出版年)   1990/08/10

・単行本『アメリカン・ユーモアの話』(1986年2月、講談社、未見)を改題したもの。

・ 目次はこうなっている。

1 アンティクライマックス――期待はずし
2 ホースセンス――したたかな常識
3 ワイズクラッカー――利いたふうなやつ
4 スノッブとブーボワジー――俗物と成金
5 コン・マン――ぺてん師
6 トール・テイル――ホラ話
7 アメリカ的な表現例
8 対照のユーモア
9 ユーモアと語り口
10 間のとりかた
11 恐怖とユーモア
12 名前ばかりが並ぶ章
13 アメリカのユーモアと日本のユーモア

 アメリカ人のユーモアを、その構成や基本となるアメリカ人の考えかたなどを説明しながら、ユーモア小説なども例にあげて解説している。おもしろいが、ジョークはほとんどない。

・加島はいう。
 英語国民は、ユーモアのセンスがないと言われることを非常に恐れる。無理にもユーモアを口にしなければいけないような感覚は煩わしいこともあるが、彼等とつきあっていくにはまず彼等のユーモアを楽しむことができなければならない。
 日本人は江戸時代の洗練されたユーモアを失ったうえ、,西洋のユーモアを取りいれることもできていない。だから日本人はユーモア不足の国民だとされてしまう。江戸期のユーモア・センスをきちんと受けつげば、西洋のユーモアにも対応していくことができる。

 

 

151 ユーモア名句&ジョーク

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.    (書名) ユーモア名句&ジョーク
      (著者)  加島 祥造
      (出版者)  講談社 
      (形状)     四六判ハードカバー
      (頁数)    276
      (出版年)   1986/10/15
                        1987/03/20、2刷

・これは理論ではなくて、タイトルのとおり、ユーモラスな引用句やジョークを集めたもの。

・中年・老年に関するものから。

女性がはき心地のよさで靴をえらび、暖かさでセーターをえらぶようになったら、その女性は中年になったと言えるだろう。(p129)
 

ある男が大学の同窓会に出た。家に帰った彼はとてもがっかりした顔で妻にいった。
「同級生たちは、みんなすっかり肥って禿げあがっちまったんで、ぼくが誰だかわからなかったぜ」(p129)
 

患者「右足が痛むんですが……」
医者「としのせいだね」
患者「だって先生、左足も右足と同じに年とってるのに、ぜんぜん痛まないのはどういうわけですか?」(p131)

 

・最新の話題からもうひとつ。

電気自動車(仮題)
彼は、ガソリンのかわりに電気を動力にした自動車を発明した。「わたしはこの自動車でカリフォルニアからニューヨークまで走ったが、燃費はわずか三ドル四十セント――ただし延長コードが三万二千ドルかかったがね」(p258)

 

 

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2015年4月13日 (月)

港の見える丘公園

 2015年(平成27)4月9日(木)、港の見える丘公園にある神奈川近代文学館へ行きました。ついでに久しぶりに山手散歩を、と思って、石川町駅からイタリア山庭園の方へ坂を登って行くと、これがきつい。この坂いつのまにこんなにきつくなった! ではなく、自分の体力の衰え、年齢ですね。
 そのイタリア山庭園内にある「外交官の家」です。

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 山手本通りに出て、カトリック山手教会は、幼稚園の入園式らしく、親子連れでにぎわっていました。

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 これはエリスマン邸

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 横浜山手聖公会です。

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 残念ながら桜はだいたい終わったようでした。元町公園前のバス停です。

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 それでも港の見える丘公園の入口には少しまだ咲いていました。

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 展望台からベイブリッジ方面を見たところ。
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 公園内はかなり広く、ローズガーデンとかあって、いろんな季節の花が咲きます。正面に見えるのは大佛次郎記念館です。

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 さらにその奧、公園の端にあるのが神奈川近代文学館です。こちらは閲覧室のほうです。桜はもう散っています。

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 これが展示館。谷崎潤一郎展開催中です。

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 谷崎潤一郎を読んだのはもう昔々のことになるので、何か書こうと思うと、また読み返さなくてはなりません。それはやめておきます。

 ここにあるカフェがいいところでした。文学館の入口から見える看板に「Untei Café」と書いてあるので、「うんてい?、雲梯?」と思ってしまいましたが、「芸亭茶房(うんていさぼう)」という名前でした。

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 「芸亭」というのは、奈良時代平城京にあった日本最古の公開図書館だそうで、そういえば、日本史の教科書にあったような。
 ガラス越しにこんな景色が見られます。レンガの建物は「霧笛橋(むてきばし)」といいます。その前に大きな桜の木が見えて、これを「芸亭の桜」というらしいけれど、ちょっと遅かった。

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 ベイブリッジ方面も見えて、そちらの方が眺めはいいのですが、他のお客さんがいたので写真はとりませんでした。コーヒーもおいしかった。

 帰るとき、霧笛橋から港の方を見た景色です。まだ咲いている桜もありました。

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 これは公園の方から見たところ。
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 横浜の桜の季節はそろそろおわりです。






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2015年4月 9日 (木)

J64 ドイツのジョーク

 本が出てくるジョーク。田中紀久子訳編『ドイツ産ジョーク集888』(2009、アートダイジェスト)からです。

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リサイクル

「パパ、いい知らせがあるよ」
「そうか、聞きたいな」
「あのね、新しい教科書にお金を使う必要がなくなったよ。今年のをもう一年使うことになったんだ」(p70)

 

たまにはゆっくり

「こんにちは、本屋のおじさん」とアンドレアス。
「推理小説ありますか? うーんとこわい事件で、ゾッとするような殺人トリックがあって、グラマーな女の人がでてくるみたいなやつ」
「おいおい、坊や、そういう本はきみにはまだふさわしくないなあ」
「ぼくじゃなくて、パパ用なんだ。ぼくだってたまにはひとりでゆっくり鉄道模型で遊びたいから」(p85)

 

眠れない

 ヘルガが寝る前に、パパはベッドサイドで童話を読んであげている。
「あのー、パパ」とヘルガが口をはさんだ。
「ちょっとお願いがあるんだけど……」
「いいとも。なんだい?」とパパ。
「もう少し小さい声で読んでくれないかなぁ。あたし眠れないんだ」(p86)

 

道は正しい

 若い修道女が道を急いでいたのでやむなくヒッチハイクをした。ドライバーは彼女が気に入ってしまい、思わず膝へ手をのばした。すると彼女は小声でこういった。
「旧約聖書9ページ、5行目を!」
 ドライバーはあわてて手をひっこめた。
 うちへ帰ってから彼が聖書をめくってみるとそこには「道は正しい。迷わず進め」とあった。(p166)

 

  もうひとつ。これは木阪允信、牛田栄次訳ドイツのジョーク 笑っておぼえるドイツ語会話』(太陽出版、1983)から。

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殺しのテクニック

 老夫婦が食事をしている。
 Das Pilzgericht schmeckt heute ja hervorragend, woher hast du denn das Rw
Rezept?
 今日のこのきのこ料理は特別うまいね、どこで作り方をおぼえたんだい?
Aus dem Kriminalroman.
 推理小説でよ。(p26)

 

 さらにもうひとつ、これは『続・世界のジョーク・警句集』(田辺貞之助他、自由国民社、1986)からで、ヒットラー時代のことか。安部さんとか三原さん、だいじょうぶかな。

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軽い読物

 ライプツィヒで女が本屋をのぞく。
「夫が病気なんですの」と、彼女は言う。
「何か読むものを買ってやりたいんですけど」
「国粋的なものはいかがでしょう」と、店員が聞く。
「いいえ、それほどひどい病気じゃないんです」(p99)

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2015年4月 6日 (月)

JB35 イギリスのユーモア

 ジョーク本の紹介がずっと中断していました。がんばらないと本がかたづきません。またぼちぼち始めます。

 最近、イギリスのジョークと銘打った本は意外に少ない。同じようなネタでも、日本ではアメリカやユダヤのジョークとした方が売れるということだろうか。「英語のジョーク」の本はたくさんあるのでその中に含まれていることもあるけれど。

145 イギリスのユーモア

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    (書名)  イギリスのユーモア
      (著者)  北村 元(きたむら はじめ)
      (出版者) サイマル出版会
      (形状)     四六判ソフトカバー
      (頁数)     279
      (出版年)  1983/03

・著者は、1980年前後にBBC日本語部のアナウンサーとして四年間イギリスに滞在した。当時「イギリスのユーモア」という日本語番組を担当したくさんのジョークを集めた。それらをイギリス人の生活や文化に触れながら紹介した本。

・BBCでは毎年四月一日に「ウソ放送」をしているが、その中に、木の枝にたくさんのスパゲティをかけて収穫しているさまを見せて、「今年はスパゲティの木の生育がよく、豊作です」という傑作があった。視聴者から、苗木を欲しいとたくさん電話があったそうだ。
 インターネットの「虚構新聞」に「バウムクーヘンの天日干しが最盛期」という記事があって笑ったが、このスパゲティが元ネタか。
http://kyoko-np.net/2005021501.html

・イギリスの地方ジョークでは、アイルランド人はバカ、スコットランド人はケチということになっている。そういうものからひとつ。

 出身地別救助法
 もし、あなたが川に落ちたとしよう。
 その時そばを通りかかったのがイングランドの人なら、ロープを見つけてきて、その端をあなたに向かって投げるにちがいない。
 もし、そばを通りかかったのがアイルランド人なら、ロープごとあなたに投げるであろう。
 その時通りかかったのがスコットランド人としよう。彼はロープをあなたに売りつけようとするだろう。(p117)

 

146 イギリス人のユーモア

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    (書名)  イギリス人のユーモア
 日本人には思いつかない 
      (著者)  北村 元(きたむら はじめ)
      (出版者)  PHP研究所
      (形状)     四六判ソフトカバー
      (頁数)     282
      (出版年)  2003/06/06

・これは上記「イギリスのユーモア」の二十年後の改訂版のようなもの。前著にはなかったトニ・ブレア首相新やサッチャー首相がらみのジョークもあるが、かなりの部分が共通している。

・スコットランド人はケチというのをここでもひとつ。

手みやげ
 イングランドの人、アイルランドの人、スコットランドの人が、友人のハウス・ウォーミング・パーティ(新築祝い)に招ばれた。
 イングランドの友人は、ワイン三本をもっていった。
 アイルランドの友人はギネス三本をぶらさげていった。
 スコットランドの友人は、兄弟三人をひきつれていった。
  

 

147 イギリス紳士のユーモア

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    (書名)  イギリス紳士のユーモア
      (著者)  小林 章夫
      (出版者)  講談社
      (形状)    新書
      (頁数)     198
      (出版年) 1990/10/20
           1995/03/07  10刷

・イギリス人のユーモア感覚についての解説書で、収録ジョークは少ない。

・この本によれば、ユーモアとはもともと人間の体液を表すものだったという。
 基本的気質は四つの体液(ユーモア)が決定する。「血液」粘液」「胆汁」「黒胆汁」の四つ。
 血液=風=乾いた気質
 粘液=水(湿り)=冷静沈着、日本の粘液質とちょっとちがう。
 胆汁=火(熱)=気性が激しい、怒りっぽい
 黒胆汁=土(寒さ)=憂鬱な性質
 地水火風の四大元素説である。

・チャーチルについての小話。

 アスター子爵夫人がチャーチルに向かって言った。
「もしあなたが私の夫でしたら、コーヒーに毒を入れますわよ」
 チャーチルは答えた。
「もしあなたが私の妻だったら、飲んでしまうでしょうな」(p157)

 

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2015年4月 2日 (木)

光明寺の桜

 3月30日(月)、鎌倉の光明寺へ桜を見に行きました。ここは中心部からちょっとはずれているので、鎌倉の有名な寺としては訪れる人が少ないところです。3月28日(土)、29(日)に行われたという観桜会は、きっとにぎわったでしょうけれど、その後の月曜ならすいているだろうというねらいです。

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  入口の総門です。

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 総門を入ると立派な山門が見えます。ここは、徳川家康が芝の増上寺を開くまでは、浄土宗の関東総本山だったそうで、今でも浄土宗の七大本山の一つです。だから境内も広く、ゆったりとしています。

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 昨日の観桜会のときはこの山門に登れたようですが、いつもは登れません。
 桜が咲いています。山門の向こうにも見えています。

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 こちらが本堂です。大殿(だいでん)というらしい。

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 こんな大きな古木があって、シートを広げている人たちもいましたが、やはりそんなに混雑していません。来る途中通り抜けてきた鶴岡八幡宮のあたりは相当の人出で、車も渋滞していました。期待どおり、ゆっくり見られます。花は満開の一歩手前というところでした。

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 まず本堂へおまいりします。

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 本堂の左手奥には、記主庭園(きしゅていえん)という、蓮池のある庭があります。記主というのは仏教用語で、重要な経論について規範的な注釈を施した人のことだそうで、ここでは、この寺の開山、浄土宗第三祖然阿良忠記主禅師(ねんなりょうちゅうきしゅぜんじ)のことです。難しい名前です。
 小堀遠州の作と伝えられる庭で、7月には観蓮会があって、抹茶を飲みながら蓮の花を見ることができるそうです。

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 この建物は大聖閣(たいしょうかく)といいます。

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 本堂の右側にはこんな石庭があります。

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 「三尊五祖の石庭」といって、奥の方の三石が阿弥陀三尊(阿弥陀如来・観音菩薩・勢至菩薩)をあらわし、手前の五石が浄土五祖(釈迦・善導・法然・鎮西・記主)をあらわすということです。
 今日は花見ですが、車なので、この石庭の前でペットボトルのお茶を飲んで、しばし沈思黙考しました。

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 これは開山堂
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 このお寺とは多少縁があって、この開山堂だか本堂だかの屋根の修理のときに、瓦一枚、いやその下に敷く板一枚くらいでしょうか、寄附したことがあります。何度か来たことがありますが、たいていは閑散としています。冬には近所の猫がいっぱい集まって日向ぼっこをしています。拝観料はいりません。
 材木座の海岸のすぐそばです。だから裏山へ登ると見晴らしがいいそうです。次回はそちらも行ってみることにして、今回は花見だけで帰りました。

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 「光明寺」というお寺は横浜にもいくつかあるし、旅行に行ってもあちこちで見かける名前です。根拠はありませんが、日本で一番多いお寺の名前ではないかと思っています。うちのカーナビで検索したら501件ヒットしました。これ全部がお寺ではないとしても、三、四百はありそうです。
 わたしの郷里では、光明寺と言えば隣町の地名(大字名)で、桜の名所でした。子供のわたしは、そういう名前のお寺があることも知りませんでした。木曽川の堤防に長い桜並木があり、見事なものでした。今もきれいに咲いているようです。
 遠足に行ったり、少し大きくなってからは子供同士で遊びに行ったりしました。あ、桜のころ写生大会に行って、桜を描かずに大きな枯木を一本だけ真ん中に描いたことを思いだしました。大人たちが、せっかく桜が咲いているのになんでこんなものをとあきれたようなことを言っていたのも思いだしました。
 こんなことずっと忘れていました。枯木の枝ぶりがカッコイイと思って描いたのに、大人はわかってくれませんでした。当時から趣味が渋かったようです。

 

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