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2015年5月21日 (木)

J67 『アメリカ小話集』から

 「ジョークの本」での紹介がまだ済んでいないが、上野景福(かげとみ)『アメリカ小話集』(高文社、1975)からの「本のジョーク」をどうぞ。
 はじめの二つは前回のJ66 加島祥造の本からと重複しているが、同じジョークがあちこちのジョーク集に収録されているのはよくあることなので、そのまま入れておいた。

Photo_3

二トン積

お客「何か面白い読み物を買いたいんだが――」
店員「軽いものがおよろしいですか?」
お客「いや、自動車(くるま)で来たからそれには及ばん」(p28)

 

珍しい本

「稀覯(こう)本てなァに?」
「貸した本で返ってきたものさ」(p60)

 

馬鹿につける薬

 大統領クーリッジは無口としまりやで聞こえていた。大統領になる少し前のこと、夫人が留守をしていると、本の外交員が訪れ、弁舌巧みに『家庭医学宝典』という千八百頁の大冊を十五ドルで売りつけられた。夫人は後になってこんな本を買って何か小言を云われはしないかが頭痛の種だった。夫人は何と口を切ってよいかと迷ったあげく、その本を夫の書斎の中央のテーブルにわざと置いておいた。しかしクーリッジは何とも云わなかった。そのまま数日過ぎたので夫人はかえって薄気味悪く、そっとその本を手にとってみた。すると本の扉に夫の筆跡で次の文句が書いてあった、――
 「千八百頁を熟読してみたが、お芽出たくできた人を治す療法は見付からなかった」(p128)

 

張本人

 米国の劇作家チャニング・ポロクが十四歳の時汽車で旅行した。ちょうと乗り合わせた、がっちりした骨格の紳士が、ポロク少年のバイロンやディッケンズ論に並ならぬ興味を感じているようであった。やがてその紳士が口をきいた、「君は『シャーロック・ホームズ物』は読まないのかね?」
 「探偵物なんて時間つぶしですよ」とポロク少年は|にべ(傍点)もなく云った。
 「わたしはそう思わんね」とその紳士は云った。
 「そう仰っしゃる小父さんは誰なの?」と少年は聞きかえした。
 「わたしかね? わたしはコナン・ドイルだよ」(p132)

 

看板に偽りなし

 ウィリアム・コリアが自作の詩をニューヨークで上演したことがある。初日が十二月の三十日であった。そして一月二日には大々的に次の広告がニューヨークっ子の度肝を抜いた。
 『ニューヨークの興行堂々第二年目に入る!!』(p138)

 

どっちでも困る

 老練な新聞記者アーサー・ブリズバンの記者生活が正に五十年になったとき、社主の新聞王ハーストが半年の有給休暇を与えるから旅行にでも出かけるようにとすすめた。ブリズバンは意外にもこれを一言のもとに謝絶した。その理由はと聞かれて彼は次のように述べた。
 「第一の理由は、もし私の担当欄を六ヵ月も休むと、本誌の売行きに影響があるかもしれないからなんです。………そして第二の理由は売行きに影響が………ないかもしれないからなんです。(p144)

 

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