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2015年11月30日 (月)

神奈川県立歴史博物館

11月26日、横浜・馬車道にある神奈川県立歴史博物館へ行ってきました。

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 このドームが目印で、昔の横浜正金銀行本店の建物を博物館にしています。

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 横浜正金銀行(よこはましょうきんぎんこう)というのは、明治の初期に貿易金融専門銀行として国策でつくられた銀行で、東京銀行の前身とされています。

 久しぶりです。、沿革によると「平成7年(1995)「神奈川県立博物館」は「神奈川県立歴史博物館」と名称変更」とあります。わたしの記憶は県立博物館時代のものでした。馬車道側のドームの建物が正面入口だと思って入っていったら、受付入り口は裏の新館側になっていて、中をずっと歩かなければいけませんでした。

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 自然史部門は小田原へ移転してなくなっていますが、古代から中世、江戸時代、横浜開港を経て近代の神奈川へ至る歴史の遺物が展示されているのは、前に見たときの記憶と変わりません。

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 この日来たのは、ここに円覚寺舎利殿実物大模型があると聞いたからです。先日、円覚寺へ行って舎利殿を見てきましたが、内部へは入れず、外からのぞき見るだけでした。(→円覚寺は舎利殿)それが、実物大の木造模型があって、中へ入って見ることができるのです。
 写真撮影はできなかったので、下の写真は『週刊朝日百科 仏教を歩く08 栄西』(朝日新聞社、2003)からの本物の写真ですが、これと同じ光景が見られました。ただし、厨子や仏像はありませんでした。

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 おもしろいのは実物大模型といっても、外観はなく、内部だけの模型であることです。正面の入口や欄間は本物のとおり作ってあって、入ると上の写真のような部屋になっています。実寸模型ですから木組みなどもちゃんと本物そっくりに作られていて、なかなかの見ものでした。円覚寺で見て思っていたより、ちょっと狭い感じがしたのは、ビルの一室だったからかもしれません。
 上部は天井を抜いて上の階へ出ているようですが、この外側がどうなっているのかはわかりません。後で係員の方に聞いてみたら、内側だけの模型で、屋根は作ってないとのことでした。どうせなら屋根まで作って複製の仏像を置けば、立派な観光名所の一つになるのにと思いましたが、そういう目的で作ったわけではないし、円覚寺だって横浜出張所を出すにはそれなりの手続きも必要になるでしょう。

 その他の展示では、鎌倉時代を中心に見てきました。展示品は複製が多く、北条時頼像も栄西坐像も複製でしたが、おもしろく見ました。美術品として見るには真贋が重要でしょうけれど、歴史を考える参考資料としては複製でもかまわないと思うし、そもそもわたしには真贋の区別がつきません。
 栄西座像を見てまず思ったのは、栄西の頭は写真で見たほど長くないな、ということでしたし(→寿福寺の墓)、時頼像を見て思ったのは、昔の同僚にこういう顔のがいたなあ、ということでした。芸術的観点からは遠く離れて見ています。

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 特別展で「国宝一遍聖絵」をやっていたので、これも見てきました。

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 「一遍聖絵(いっぺんひじりえ)」というのは、時宗の開祖、一遍上人の一代を描いた絵巻物で、全12巻あるものを、この県立歴史博物館県立金沢文庫、藤沢の遊行寺宝物館の三カ所に分けて展示しているそうです。東京の国立博物館でも何かあるらしい。

 なかなかおもしろい。チケットになっているのは「第四巻第三段備前国福岡の市」といって、諸国を行脚していた一遍に妻が感化されて出家してしまい、怒った夫が刀に手を掛けて詰め寄っているところだそうです。

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 絵巻物というのは、主題以外にも、背景に描かれた事物から当時の風俗や文化をうかがい知ることができます。上の絵は、当時の備前の国福岡(現岡山県瀬戸内市)の市を描いた貴重な資料となっているようです。細かく見ていくと、群衆の中にときどき変なのが混じっていたりして、素人が見てもけっこうおもしろいものです。

 金沢文庫と遊行寺なら、そちらへも行ってみようかと思います。

 

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コメント

なむや文庫さま
こんにちは、神奈川県立歴史博物館の千葉と申します。
貴ブログにて当館を取り上げていただき感謝申し上げます。
2017年、当館は前身の神奈川県立博物館の開館から50年目を迎えました。
それを記念し、現在当館では当館にまつわる思い出を募集しアーカイブしていく企画を実施しています。
もしよろしければ、こちらのブログの記事もアーカイブとして加えさせていただくことは出来ませんでしょうか。
コメント欄への書込みでのお願いで大変恐縮ですが、ぜひご検討いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

投稿: 千葉毅(神奈川県立歴史博物館) | 2017年3月26日 (日) 11時21分

神奈川県立歴史博物館千葉様

 当ブログをお読みいただきありがとうございます。
 これでよろしければ、どうぞアーカイブにお加えください。

投稿: なむや文庫 | 2017年3月26日 (日) 12時06分

なむや文庫さま
この度は「みんなの神奈川県博アーカイブ」へのご協力にご快諾くださり大変ありがとうございました。
本アーカイブでは、みなさまの思い出を「分布図」にして示してみようと考えております。
そのため、もし差し支えなければ、なむや文庫さまの居住地あるいは主要な活動場所の郵便番号をお知らせいただくことはできませんでしょうか。
もちろん、分布図作成以外の目的には使用いたしません。
大変、不躾なご相談で申し訳ございません。
ぜひご協力いただければ幸いです。
http://ch.kanagawa-museum.jp/gyoji/50anniversary.html

投稿: 千葉毅(神奈川県立歴史博物館) | 2017年3月27日 (月) 19時15分

神奈川県立歴史博物館千葉様

 〒234-0054 です。よろしくどうぞ。

投稿: なむや文庫 | 2017年3月28日 (火) 09時54分

なむや文庫さま
ご協力いただきありがとうございます。
アーカイブは後日公開予定の「神奈川県博思い出分布図」へ反映させていただきます。
今後とも神奈川県立歴史博物館をどうぞよろしくお願い申し上げます。

投稿: 千葉毅(神奈川県立歴史博物館) | 2017年3月28日 (火) 20時03分

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