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2016年1月 1日 (金)

謹賀新年2016

 あけましておめでとうございます

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 申年のにちなんだ四字熟語は、朝三暮四(目先にとらわれて大局を見誤る)とか意馬心(煩悩の赴くまま押さえきれない)など、あまりいいものはありません。
 あれこれ考えていたら、子供の頃、ガシンショウタンというのはショウガツガンタンキンガシンネンの仲間で、正月の言葉だと思っていたことを思い出しました。長じて、これが臥薪嘗胆で、正月とは何の関係もないことを知ったときはちょっと残念でした。

 賀新正旦! 今年もよろしくお願いします。

                2016.1.1

                   南無谷窮居堂

 

 その他の猿の出てくる四字熟語。

 猿猴取月(えんこうしゅげつ):「猿猴月を取る」「猿猴が月に愛をなす」 猿が井戸の水に映った月を、枝にぶら下がって取ろうとして、落ちておぼれた。身の程知らず、無理なことを望めばひどい目に合うというたとえ。

 沐猴而冠(もっこうじかん):「沐猴にして冠す」 「沐猴」=猿。猿が冠をつけたようなものだ、衣冠ばかりが立派で心が卑しい。楚の項羽の教養のなさをあざけって言った言葉。言った男は項羽に釜ゆでにされたそうだ。

 籠鳥檻猿(ろうちょうかんえん) :籠の鳥と檻(おり)の猿。不自由な生き方を強いられること。白居易が友人の元稹(げんじん、げんしん)にあてた手紙で、宮仕えのためそれぞれが地方にあって、またいつ会えることかと嘆いた言葉。

 母猿断腸(ぼえんだんちょう):腸(はらわた)がちぎれるほどの悲しみ。小猿を捕まえたら助けようと母猿が百里あまりも追ってきてそのまま息絶えた。腹を割いてみたら腸がずたすたにちぎれていた。なぜ腹を割いたのか、ずっと疑問に思っている。

 まだまだあるようですが、いい意味のものは次くらいしかありません。

 猿臂之勢(えんびのいきおい):自軍の勢力が遠方にまで及ぶこと。猿が長い臂(ひじ=腕を伸ばして物を取るときのように。

 「申」の方で調べてみると、猿には関係ありませんが、こういうのがありました。

 三令五申(さんれいごしん):何度も繰り返して、ていねいに命令すること。三度命令して五度言い聞かすことから。)これは『史記・孫武伝』にある故事から。

  孫子は、呉王から女官たちを使って兵法の使い方を見せてくれと言われ、王の寵姫二人をそれぞれ隊長として二つの軍を編成し、演習を行った。
 命令に従って右へ左へと動くよう何度も言い聞かせたが、女官たちはキャッキャと笑うばかりでちっとも従わない。とうとう「命令に従わなければ斬る!」と言い渡して、再度命令したが、やはり従わない。
 そこで孫子は、「兵が軍律に従わないのは隊長の責任だ。隊長である寵姫二人の首を斬れ!」と命じた。王は驚いて止めようとしたが、孫子は「将軍として任されて軍を動かしているからには、王の命令でも聞けないことがある。」と、そのまま斬らせてしまった。この後、命令に従わない女官はいなかった。
 呉王は、これで孫子の有能であることを知り、将軍として用いてまわりの諸国を破り、その名をとどろかした。

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 女官たちが笑ってばっかりで言うことを聞かなかったというのは、さもあらんというところですが、その後将軍として用いられたというのは本当だろうか、王様に殺されてしまったんじゃないかという気がします。どちらにしろ年賀状に使えそうな言葉ではありません。

 猿に関する四字熟語にあまりいいものがないのは、猿が人間に似過ぎていて、劣化した人間の姿を見てしまうからでしょう。猿の浅知恵と言いながら、同じようなことをやっている自分の姿に思い当たってしまうのです。

 朝三暮四というのも、子供の頃、意味のわからない言葉でした。餌を朝三つ暮れ四つから、朝四つ暮れ三つに変更したら猿たちが喜んだ、と説明されても、それっておんなじじゃないか、どうして? と納得がいきませんでした。これは基本に、猿はバカだという蔑視の気持ちと、世の中には口先で言葉巧みに騙す奴がいるという知識がないと理解できません。わたしも昔は純真だったのです。

 

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