« 最近の中華街 | トップページ | 三渓園の梅 »

2016年2月22日 (月)

丸山議員のユートピア

 2月17日の参院憲法審査会でに自民党丸山和也参院議員の発言が問題になっている。(↓東京新聞2016/02/18)

160214_2

 「黒人」「奴隷」という言葉が人種差別にあたると非難されて、発言は撤回されたが、わたしはそのことより、日本がアメリカの一州になることを「ユートピア的」だと言っていること、「憲法上どのような問題があるのか」と言っていることに驚いた。
 アメリカの州になることがユートピアなのかねえ。自民党の人々は日本は「美しい国」だとか「とてつもない国」だとか言っていて、日本が一番じゃなかったのか。
 この人は弁護士だったはずだが、憲法上どのような問題があるのかって、解釈次第ではアメリカの一州になることも可能だとでも言うつもりだろうか。アメリカの州になっても「国体」が護持されるような高等解釈があるのかね。「改憲」どころか「廃憲」にするしかないんじゃないかと思うが、どうだろう。
 アメリカの州になれば上院議員下院議員を選出でき、大統領にもなれる、というけれど、世界中へしょっちゅう戦争をするための兵隊も出さなきゃいけない。若者が日の丸じゃなくて星条旗のもとに出征するのがユートピア的か。

 こういうジョークがある。

 某貧困国の大統領が外相に言った。
「わが国の危機を解決するため、アメリカに宣戦布告する!」

「勝てるわけがありません」
「すぐに降伏して占領してもらえば、食わせてもらえる!」

 日本はもう一度占領してもらわないとやっていけないとでもいうのだろうか。

 内田樹はツイッターにこう書いていた。

丸山議員の「アメリカの51番目の州に」という発言が問題を呼んでおりますが、僕はこのSF的想定は日本の属国性をあらわにするという点ではよい思考訓練だと思います。だってアメリカはどれほどお願いしても絶対日本を51番目の州にしてくれないからです。何が悲しくて属国民を主権国家の国民に格上げしてあげなくちゃいけないのですか。

そんなことしたら「日本州」はアメリカ総人口の30%を占めるアメリカ最大の州になって、上院議員は2名、人口比率で定数を決める下院議員は435議席のうち125が日本州選出議員になっちゃうんですよ

アメリカ市民の頭上にはオスプレイは飛ばせないし、「おもいやり予算」もなくなるし、「年次要望改革書」も「アーミテイジレポ-ト」も出せないし、TPPで収奪もできなくなるし、アメリカにとっては「まる損」にしかならない選択だからいくら念じても実現されないです。 

 アメリカは、便利な属国である日本を対等の州に格上げするようなことは決してしない、ということだ。こちらの方がもっともらしい。

参考:丸山議員の発言全文(ハフィントンポストより)

憲法上の問題でもありますけれど、ややユートピア的かもわかりませんけれども、例えば、日本がですよ、アメリカの第51番目の州になるということについてですね、例えばですよ、憲法上どのような問題があるのかないのか。例えばですね、そうするとですね、例えば集団的自衛権、安保条約、これまったく問題になりませんね。それから今、例えば、拉致問題ってありますけれど、拉致問題って恐らく起こってないでしょう。それからいわゆる国の借金問題についてでも、こういう行政監視の効かないような、ズタズタな状態には絶対なっていないと思うんですね。

これはですね、例えば日本がなくなることじゃなくて、例えばアメリカの制度によれば、人口比において下院議員の数が決まるんですね。比例して。それとですね、恐らく日本州というような、最大の下院議員選出州を持つと思うんです、数でね。上院は、州1個で2人。日本をいくつかの州に分けるとすると、十数人の上院議員もできるとなると、これはですね、世界の中の日本というけれども、日本州の出身が、アメリカの大統領になるという可能性が出てくるようになるんですよ。ということは、世界の中心で行動できる日本という、まあ、その時は日本とは言わないんですけれども、あり得るということなんですね。

バカみたいな話だと思われるかもしれないかもしれませんが、例えば今、アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ。はっきり言って。リンカーンが奴隷解放をやったと。でも、公民権も何もない。マーティン・ルーサー・キング(牧師)が出て、公民権運動の中で公民権が与えられた。でもですね、まさか、アメリカの建国、当初の時代に、黒人・奴隷がアメリカの大統領になるとは考えもしない。これだけのですね、ダイナミックの変革をしていく国なんです。

そういう観点から、例えば日本がですね、そういうことについて、憲法上の問題があるのかないのか、どういうことかとお聞きしたい。http://www.huffingtonpost.jp/2016/02/17/maruyama-slip-of-tongue_n_9251242.html

 ついでにこれも参考に。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの演説の一部。

I have a Dream by Martin Luther King Jr.

I have a dream that one day, on the red hills of Georgia the sons of former slaves and the sons of former slave-owners will be able to sit down together at the table of brotherhood.
 I have a dream that one day even the State of Mississippi, a desert state sweltering with the heat of injustice and oppression, will be transformed into an oasis of freedom and justice.
 I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.
 I have a dream today.

 

 

|

« 最近の中華街 | トップページ | 三渓園の梅 »

なむや文庫雑録」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 丸山議員のユートピア:

« 最近の中華街 | トップページ | 三渓園の梅 »