« 横浜港遊覧 | トップページ | 成就院の境内 »

2016年5月19日 (木)

星の井と虚空蔵堂

 極楽寺坂へ行ったのは5月5日でした。長谷のほうから行くと右手に星の井虚空蔵堂(こくうぞうどう)があります。

Photo_2

Dscf4131_2

 手前の碑は「星月井」になっています。「星の井」または「星月の井」あるいは「星月夜の井」と呼ばれる井戸です。鎌倉十井のひとつです。

Dscf4132t

 この井戸の中には昼でも星が輝いて見えたという伝説からこの名があるそうです。しかしあるとき近くの下婢が誤って庖丁を井戸に落として以来、星影は見えなくなってしまったといいます。
 また行基がこの地を訪れたとき、井戸の中の輝きを見て井戸水をさらってみると光り輝く石があった。行基はそれを虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)の化身として、お堂を建ててまつった、それがこの寺の起こりであるという伝説もあります。
 そういえば、板東三十三カ所観音第八番、神奈川県座間市の星谷寺(しょうこくじ)にも「星の井」があって、昼でも星が見えたという伝説がありました。それに行基が森の中で金色の光を見て観音像を発見し、お堂を建てたという伝説もあります。井戸の中の光りではないにせよ、よく似ています。しかし行基菩薩や弘法大師には全国に同じような伝説がいくつもあるのでしょうから、ここで詮索するのはよしておきましょう。
 ともかく昔はまわりに木がうっそうと繁ってとても暗かった、そして井戸も相当深かったのでしょう。今は蓋があって中はのぞけないし、まわりは明るく開けています。
 「星月夜(ほしづきよ、ほしづくよ)」という言葉は、鎌倉につく枕詞でもあります。星月夜は暗いから鎌倉の「くら」にかかるという説と平安後期の歌集「永久百首」にあるこの歌から来ているという説があるそうです。

 「われひとり鎌倉山をこえゆけば星月夜こそうれしかりけり

 暗いからというダジャレ説より、この歌由来説を支持したいけれど、わたしには本当のところはわかりません。
 さて階段を登ると虚空蔵堂です。正式名称は明鏡山円満院星井寺(みょうきょうざんえんまんいんほしいでら、(「せいせいじ」とも言うようだ))と言って、現在は道路をはさんで向かいの山にある成就院(じょうじゅいん)の管理下にります。

Dscf4134t

 階段の上には狛犬。上は狭いけれどいろんなものがあります。
Dscf4140
 狛犬の奥が舟守地蔵。その名のとおり海上安全などの御利益があるのでしょう。

Dscf4139
 これが虚空蔵堂
Dscf4137
Dscf4138

Dscf4136
 仏像が見えますが、御本尊の虚空蔵菩薩が開帳されるのは年に三回のみだそうですから、ご本尊ではありません。

 虚空蔵とは宇宙のような無限の知恵と慈悲が収まっている蔵(貯蔵庫)を意味し、虚空蔵菩薩は人々の願えを叶えるために蔵から取り出して知恵や記憶力、知識を与えてくれるのだそうです。弘法大師も若い頃室戸岬の岩屋にこもって、虚空蔵菩薩の真言を100万遍唱える「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)を行い無限の知恵を得たとか言います。
 成就院のHPの説明(http://www.jojuin.com/kokuu.html)によれば「虚空とは無限の知恵を表し、御真言<のうぼうあきゃしゃきゃらばやおんありきゃまりぼりそあか>を唱えることで、頭脳明晰になるといわれる。」そうです。
 それなら真言を唱えてみようと思いましたが、「のうぼうあきゃしゃきゃら…」 やってみると舌がもつれてうまく言えません。頭脳明晰は無理のようです。

 

|

« 横浜港遊覧 | トップページ | 成就院の境内 »

鎌倉散歩」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 星の井と虚空蔵堂:

« 横浜港遊覧 | トップページ | 成就院の境内 »