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2016年11月 7日 (月)

「後妻業の女」

 映画「後妻業の女」を見た。

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 「後妻業」というのは、金持ちの単身老人男性の後妻に入って、亭主昇天後その遺産をいただくのを業とするということ。長生きされては「業」にならないから、持病のある男が対象としては好ましい。(以下ネタバレあり、注意)

 柏木亨(豊川悦司)の経営する結婚相談所では、高齢の独身男女の出会いパーティを開催し、後妻業の女たちにカモを斡旋していた。中でも武内小夜子(大竹しのぶ)は、結婚した相手の昇天を早めては何回転もしている「後妻業のエース」だった。
 色ぼけ老人になっていた元短大教授(津川雅彦)は、結婚後、小夜子の手にかかって死亡。葬式費用や遺産をめぐって、小夜子を怪しんだ長女(長谷川京子)と次女(尾野真千子)は、次女の同級生の弁護士(松尾諭)に相談する。
 弁護士に調査を依頼された元刑事の私立探偵(永瀬正敏)は、小夜子の結婚歴を調べ、いずれも相手の死因に不審な点があることに気付き、柏木と小夜子を追いつめていく。これに、逆に女から金をまきあげるのが商売のサオ師(笑福亭鶴瓶)や小夜子の不良息子(風間俊介)がからんでいくというのがあらすじ。
 過去の亭主たちとのエピソードが途中でフラッシュバックのように入ったりして、話が散漫でわかりにくい。
 一番盛り上がったのが、大竹しのぶと尾野真千子のつかみ合いの喧嘩のシーン。最後に死んだと思われたた大竹しのぶが復活するシーンも面白かったけれど、これだけ殺人を重ねた犯人を生き返らせて「また次をがんばろう」みたいなハッピーエンドにするには、そこまでの笑いが足りない。
 脇役陣も豪華だし、面白いテーマなので、徹底的に老人をコケにして笑わせるとか、逆に孤独な老人のわびしさ、悲しさ、みじめさを前面に出すとか、いろんなやり方があったのではないかと思うが、消化不良のドタバタ喜劇で終わっている。ちょっと期待はずれだった。
 

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 原作の、黒川博行『後妻業』(文藝春秋、2014)も読んだ。

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 映画が散漫だったのは、原作が散漫だったからかもしれない。こちらは小夜子、結婚相談所の柏木、刑事上がりの探偵、弁護士など複数の視点で話を展開させているが、うまく焦点があっていかない。
 題材はおもしろいのに、一気に読ませるだけの迫力がなかった。こちらもちょっと残念な作品だった。
 なお原作では小夜子は生き返ってこない。

 

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