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2017年5月18日 (木)

J84 有名作家たち

 植松黎編・訳『ポケット・ジョーク15 芸術家』)(角川文庫、1985)から。

Pj15


唯一人
 高名な作家が、クラブでいかに悪妻のために苦労しているか嘆いた。同乗した男が言った。
「それなら離婚したらどうなんです?」
「それができんのだよ」と高名な作家は嘆息した。「わたしの知ってるかぎり、私の原稿を読んでタイプできるの女は家内だけなんだ」(P196)

認識
「自分に文学の才能がまったくないということがわかるまでに10年かかりましたよ」と列車に乗り合わせた男が隣の男に言っていた。
「文学をあきらめたわけですか?」と隣の男ははずねた。
「いや」と最初の男は言った。「そのときにはもう有名になっていて、手遅れでした(」P197)

一語
 十九世紀末から二十世紀初めにかけて活躍したイギリスの作家ルディヤード・キプリングの原稿料は、当時のカネにして一語一ペンスだといわれていた。それを聞いたオクスフォード大学のある学生が、作家に一ペンス送って、一語書いてくれるよう注文した。
 キプリングは書き送った。
「有難う」(P198)

ゴーストライター
 有名なジャーナリストが、政治的野心を抱くある実業家に雇われて、その男の「自伝」を書いた。
 しばらくして、ニューヨーク政界の名士である弁護士が、その「自伝」の書評を頼まれ、やはり、そのジャーナリストに書評の代筆を頼んだ。
 つまり、ゴーストライターは、自分の書いた本を自分で書評したのである。(P201)

そこらの医者と同じ
 十九世紀フランスの大作家ギュスターヴ・フローベルは、小説家になる前、医学の勉強をしていた。あるとき彼は、先輩作家のバルザックに、作品をどう思うか尋ねた。
「きみは、登場人物をあたかもきみの患者でもあるかのように診断し、描写している」バルザックが言った。「そして、そこらの医者と同様、みな死なせて終りにしている」(P202)

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