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2017年7月

2017年7月31日 (月)

JB60 航空英語とゴルフ英語ジョーク

 航空英語とゴルフ英語に特に関係はないが、この二冊が学生社からシリーズのように出されているのでセットで紹介する。

208 航空英語とジョーク

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    (書名)  航空英語とジョーク
      (著者)   舟津 良行
      (出版者) 学生社
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    203
      (出版年) 1995/12/01

・内容紹介は、「思いがけず楽しい飛行機(航空)英語のジョークや言葉遊びから海外旅行、国際会議、航空管制の英語、航空用語・略字、エアライン・コード等最前線で使われている誰でも知っておきたい航空英語。」と書かれているが、その中のジョークの章だけしか読んでいない。

・60年前の客室乗務員の心得として次のような注意が掲げられていたという。この本の発行がほぼ20年前だから80年前というと1930年~40年代。

* Warn passengers against throwing cigarettes and cigar butts out of the window … particulary over populated areas.(p57)

* Keep an eye on passengers when they go to the lavatory. Be sure they do not go through the exit.(p57)

 この本に解説はあるが訳はないので拙訳をつけておく。これは本当だろうか?

* 乗客にタバコや葉巻の吸い殻を窓の外へ投げ捨てないよう注意すること――特に市街地の上空では。
* 乗客が手洗いへ行こうとしたら要注意。出口から出てしまわないよう確認すること。

 

* 機長のアナウンス(good news, bad news のパターンの一例)
 Bad news: We have a hijacker aboard the plane.
  Good news: He wants to go to the French Riviera.(p61)

拙訳
機長のアナウンス
「悪いニュース、この飛行機はハイジャックされました」
「良いニュース、犯人はフランスのリヴィエラへ行けと言ってます」

 

209 ゴルフ英語とジョーク

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    (書名)  ゴルフ英語とジョーク
      (著者)   小牟田 康彦
      (出版者) 学生社
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    221
      (出版年) 1996/06/10

・内容紹介は「読むだけでも面白く、役に立つゴルフ英会話とジョーク。外国でのプレーや外国人とのプレーで会話がはずむ。」
 ゴルフには興味がないので、ジョークの部分しか読んでいない。

The lady golfer was a determined, if not very proficient player. At each swipe she made at the ball earth flew in all directions. "Gracious me," she exclaimed red-faced to her caddie, "the worms will think there's an earthquake."
"I don't know," replied the caddie, "the worms round here are very clever.
I'll bet most of them are hiding underneath the ball for safety."

 このご婦人は、あまりお上手とはいえないかもしれないが、熱心なゴルファーでした。ご婦人がボールめがけてエイヤッと振り回す度に、芝土が四方へ飛び散っていきました。「あら、どうしましょう」ご婦人は赤面しつつキャディーに言いました。「きっと地虫は地震だと思うわね」
 「どうですかね」と、キャディーは答えました。「ここらの虫は、頭いいっすからね。危ないから、ほとんどの虫はボールの下に隠れてると思いますよ」(p120)

 

 

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2017年7月27日 (木)

JB59 台湾のジョーク

  台湾のジョーク関連本というのは珍しい、と思ったらこれはジョーク集ともエッセイ集ともいいにくい、聞き書き集のようなものだった。
 カバーのタイトルは「奇抜なジョーク・エッセイ集」となっているが、本体の方は「奇抜なジョーク集」となっているので、このリストはそちらを採用した。

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    (書名)  奇抜なジョーク集
      (著者)   張文山
      (出版者) 創意力文化事業有限公司
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    209
      (出版年) 1994/09

・創意力文化事業有限公司は台湾台北の会社だが、日本語で印刷されている。

・著者は昭和8年台湾生まれで国民学校を経て旧制工業学校在学中に終戦を迎えたという。いわゆる本省人で、蒋介石に率いられた外省人に対するうらみのようなものが散見される。

・小話のようなものと著者の体験・聞き書き・思い出話のようなものが混在している。ジョーク集とはいいにくい。自費出版のようなものではないかと思われる。

敗戦将軍にシャバの風は冷たい
 蔣介石が国共内戦に敗れる前、新聞の見出しは、
”蔣大総統、共匪と激戦す”
とあり、共産軍が雪崩の如き勢いで、長江を越えて国民党軍に圧勝すると、見出しに変化が現れ、
”蔣総司令官、苦戦す”
となり、次いで大陸を全面的に失うや、新聞の見出しは、一気に、
”蔣介石、命からがら、夫人と共に台湾へ逃亡す”
となった。(p20)

 

敵愾心
 緒方良庵は、頑固な漢方医者だった。
 彼は、明治と新しく世の中が変わっていくにつれ、西洋医術がどんどん伸びて来るのを、にがにがしく思っていた。
 或る日、良庵は往診の帰り、あやまって崖から転げ落ちて、足を一本折った。
 村人は、早速彼を最寄りの西洋医の病院へ運んで行き、手あてを受けさせた。
 病院の医者は、良庵の足に適切な処置をし、薬をくれた。
 自宅に運ばれて帰った良庵に、村人はこうきいた。
「先生、足が折れたというのに、その治療中、あんたは、ひとつもうめき声を上げなかった。
 なんで、その痛みに耐えられたのか、私どもは、みな不思議に思っとるのです。
 なぜですか?」
ときいた。
 すると、良庵は胸を張って答えた。
「まさかお前たちは、ワシがあんな西洋医学のヤブ医者に、折れた方の足を差し出して、治療をさせるとでも思っとるのかね?」(p104)

歳月はニセ物もホン物に変える?
 台北のある骨董品店に、次の様な広告が店頭に貼ってあった。

一、当店の全骨董品は、百分の二十が本物で、百分の八十が贋物です。
 如何にその二割しかない本物を掘り当てて行くかは、お客様の手腕――鑑識眼にかかっており、それはまたお客様が一朝にして、富豪の仲間入りをするか、しないかの境目にあります。
 従って、当店はあくまでもお客様が、その掘り出し物によって、一日も早く富豪になられる様、祈るとともに、協力を惜しみません。
二、これにより、お客様が幸運を摑まえた暁には、決して当店のことをお忘れなく、今後とも益ます御贔屓のほどよろしくお願い致します。
三、だが、若し、運悪くニセ物をお求めになられたとしても、失望することなく、それな俗に言う”旅のお笑い草”と思って、そのタカラを大事に、お宅の床の間にでも飾っておきましょう。
 幾十、幾百年かの星霜を経た後、そのニセ物も”浮世”という複雑怪奇な人間世界の塵を吸い取り、ホン物の骨董品として、何時の間にかその真価を身につけるは必定、貴方の子孫にとっても、かけがえのないタカラと衣がえすることは、後世の人々が必らず証明してくれることでありましょう。             店主敬白(p174)

 

・ジョークとは言いがたいが、こんな話も載っている。長いが全部引用しておく。

この道はいつか来た道
 戦後間もなくのことである。
 神国日本が敗退したので、国府は、その後を受けて、台湾の新統治者となっった。
 だが治政は乱れ、台湾派蜂の巣をつついた様な騒ぎとなり、人々は、この前後二つの政府に、バラ色の夢を託したことを悔いた。
 働けど、働けど、そのくらしが猶楽にならざるとき、人々はジーッと手をみる外に、神仏という、唯一の庇護所を求めたのである。
 斯くして、寺廟は盛え、神様業者は、”わが世の春”を謳歌するに至った。

 そのアリサマをみて、アルコトを思いついた、シタタカな男がいた。
 そのとき、彼は辺鄙な或る地方の一郡長であった。
 彼は、人々が寺廟に明け暮れている時、彼が役所の集会所の奧に、一段と輝く神棚をつくり、その中に、恐れ多くも、蔣介石(オカミ)の銅像を安置したのである!
 それからの郡長は、人が変わった様に、その神格化せる銅像を、朝夕拝む様になった……。
 彼の敬虔な姿を見たその地方の特務たちは、感動し、部長の忠誠心を国府(おかみ)に報告……。
 ほどなく、
「誠に殊勝の至りである……」
とて、雲上からオゴソカナ声がかかり、郡長は異例の昇進を遂げたという。

 P.S.
 それから二十年がたち、そのシタタカな男(ヤツ)を訪問した日本のフリーライターに、かつての郡長、今は部長(大臣)席にフンゾリ返っているその人は、イタズラッポク片目をウインクしながらいった。
「ハイ……
 歴史は繰り返される、といい、
 この道はいつか来た道、
 デスカラネ……」
と、傍(そば)に置いてある金庫から、大事そうに桐の箱を一つ取り出すと、
「わたしは、戦前、この箱の中に入っている人の御神影を,朝夕拝んで、当時の特攻から、格別に目をかけて貰った経験を活かしたまでです」
といって、未だに汚れのない、昭和天皇の写真を、一枚取り出して見せてくれた。(p179)

 

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2017年7月24日 (月)

「アルチンボルド展」

 7月21日(金)、上野の西洋美術館で「アルチンボルド展」を見た。

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 このチラシのように、野菜や花などを集めて人の顔にした「寄せ絵」が中心の展覧会だ。
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 日本では歌川国芳の寄せ絵が有名だが、アルチンボルドは 1527~1593年で、江戸時代末期の国芳よりだいぶ早い。

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 アルチンボルドの作品ではないが、展示品の中には国芳と同じく、人体を使って顔にした寄せ絵もあった。この手の絵は東西を問わず時代を問わず、洒落っ気のある画家なら描いてみたくなるものなんだろうか。

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 春夏秋冬の四季と大気、火、大地、水の四大元素を顔にしたものが展示の中心。パンフレットのように季節と元素とが関連づけられ向かいあった顔として描かれたらしい。

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Photo_4 春の花や夏の野菜はきれいだが、一番迫力があったのは「水」。60種以上の魚類や海獣が描かれているという。

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 細部を見ているとおもしろい。いろんなものが隠れている。つぶらな目は、まんぼうのような魚で、髪の毛なのか冠り物なのか、かわいいアザラシもいる。

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 「大気」は鳥でできている。

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 これで気になったのは、この目はひょっとしたら魚なのではないかということ。
 鳥づくしだから最初は小鳥かと思ったが、どうもこの鳥がくわえてきた魚のように見える。一所懸命見たがよくわからない。魚だと確信が持てない。どなたかご存じの方、教えてください。

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というわけで、おもしろい展覧会だった。
 ただ、この会場、階段を降りたり登ったり、部屋と部屋のつなぎがよくわからず、次はどちらへ行ったらいいのか迷った。順路がよくわからないのだ。よほど混んでいるとロープで誘導したりするので否応なしに順路は決まるが、それほど混んでいなくて、気になった絵は戻って見ることができるくらいだったので、余計わからなくなったのかもしれない。
 西洋美術館。コルビジェの設計は、こんな動線で見ることになっていたのか、ちょっと気になった。

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2017年7月20日 (木)

JB58  「ジョーク世界一」2

 天馬龍行の「ジョーク世界一」シリーズの追加。前にJB03 『ジョーク世界一』で紹介したのは、次の4冊。
 4 『ジョーク世界一』
 5 『続・ジョーク世界一』
 6 『決定版!ジョーク世界一』
 7 『これが本当のジョーク世界一』

206 新ジョーク世界一

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    (書名)  新ジョーク世界一
      (著者)   天馬龍行
      (出版者) アカデミー出版
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    267
      (出版年) 2016/03/20

・帯に「大好評の「ジョーク世界一」の第1弾と第2弾を選んで合冊!新作も加えて「新ジョーク世界一」に」とある。比較検証してないので、新作がどの程度含まれているのかはわからない。

 

歴史
 歴史の苦手な鈴木くんは日本史のテストの最初の問題を見てニヤリ。問いのいわく、”自分の好きな時代を選び、その時代における海外貿易の状況をできるだけ詳しく述べなさい”
 それに対して鈴木くんはすらすらと答えを綴った。
”新石器時代。貿易はなかったものと考えられる”(p106)

きみの話も聞こう
 売れっ子の俳優がパーティで旧友に出会い、最近の自分の作品について語りだした。
「いやあ、作品は大成功だった。おかげでおれの人気も上がりっぱなしさ。今度批評を読んでみてくれ、おれのことを天下の名優だなんて褒め称えていたぜ。今はアカデミー賞にノミネートされていて、次の号のタイム誌におれの顔写真が載ることになっている」
 一瞬間を置いてから、俳優氏は続けた。
「おっと失礼、おれのことばかり話しちゃって。きみの話も聞かせてくれよ。おれのこの成功をどう思う?」(p113)

絶妙なタイミング
 銀行の支店に二人組の強盗が押し入った。強盗の一人は金庫に直行して金庫番に銃を突きつけ、もう一人は、客や行員たちを一列に並ばせて皆の財布を取り上げていった。その列に並ばされた行員の一人が後ろ手で横の行員に何かを握らせた。
「なんだい、これは?」
「あんたに借りていた百ドルだよ」(p111)

 

大な方針
 社長が新入社員たちに会社の方針を説明していた。
「わが社は就業時間に寛大です。いちいち細かいことは言いません。朝九時前なら何時に出社してもいいし、午後五時過ぎなら何時に帰ってもかまいません」(p123)

 

 

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2017年7月17日 (月)

中綴じの冊子づくり

 中綴じの文庫版サイズで小冊子を作りたいと思っていた。その原稿がちっともできないので、とりあえず試しに「江南漢詩集」というのを作ってみた。
 本文は、中国江南に関する漢詩の原文と読み下し文に簡単な注釈がついただけのもので、ハガキサイズで全20頁。A5用紙裏表5枚分。
 中綴じ用の印刷は、前に「自家製本1 印刷」で書いたように、ワードでつくったものをPDFに変換して印刷した。
 ワードでそのまま印刷した方がきれいなのだが、横書きで左から開くのが標準仕様なので、縦書き右から開きをどう印刷するのかよくわからない。やっているうちに裏表で上下がひっくり返って印刷されて出てきたときは驚いた。手動で紙を入れ替えての両面印刷ならできるようだが、いちいち面倒なので結局今回もPDFで印刷した。
 印刷するときは、まず「プロパティ」で用紙を「A5」に設定しておく。それから「小冊子」「両面で印刷」で、綴じ方「右」に注意。

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 印刷された本文に厚めの紙で表紙をつける。写真用光沢紙が余っていたので使ってみた。

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 二つ折りにした中身を表紙でくるんで、頁の真ん中で綴じるのが中綴じ。ホチキスで綴じればすぐできる。しかし普通のホチキスでは見開いた本の真ん中まで届かないが、最近、中綴じのできる便利なホチキスが発売されている。

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 針の向きが九十度変わるのだ。

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 こうやって本文をはさめば、真ん中の折れ目に沿って針を打ち込むことができる。
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 「マックス MAX ホチキス ホッチキス タテヨコ ホッチくる 15枚とじ ブルー HD-10V/B」。これで468円。なかなかのすぐれものだ。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B000O9YE9A/ref=oh_aui_search_detailpage?ie=UTF8&psc=1                                                                                                 Photo_9

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実際に綴じる時は、背中の方から打つ。こうすれば針の先が本の中に隠れて、表に出てこない。

 これでできあがりだから、印刷さえできれば簡単なもの。表紙を別の紙にしなければもっと簡単にできる。

 

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 今回も両面印刷中に、プリンターから二枚くっついて排出されることがあって苦労した。もう少し上級のプリンターに買い換えないとだめだろうか。

 「江南漢詩集」の中身が気になった方のために。(たいしたものではありません)

 「Konan_Kanshi.pdf」をダウンロード


   

 

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2017年7月13日 (木)

「家族はつらいよ2」

 7月10日(月)「家族はつらいよ2」を見た。

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 前作の「家族はつらいよ」と同じキャストで、同じようなストーリー。

 気楽な隠退生活をおくっている父親が、自動車をこすったり、ぶつけたりするようになったのを心配して、長男夫婦はじめ子どもたち全員で運転をやめさせようとするが、頑固でわがままな父親は承知しない。そのためのことばのやりとりのうちに父親は「うちの家族は崩壊だ!」と騒ぎ出す。
 そこへ父親の高校の同級生との数十年ぶりの邂逅が重なり、父親は酔っ払ってその友人をわが家へ連れて帰ってくる。友人は事業に失敗し、妻子に逃げられ、炎天下の工事現場で警備員をしていたのだった。

 前作と同じく、階段を落ちそうになったり、人と人がぶつかったりの古典的なギャグの積み重ねで笑わせる。これは前に書いたとおり(→「家族はつらいよ」)、爆発的に笑えるものではないが、またやってるなと思えば落ち着いて楽しめる。
 話そのものは、崩壊したように見える家族も、完全に家族がなくなってしまった孤独な友人の生活に比べれば自分はなんと幸せなことか、というありきたりのめでたしめでたしで終わる。あたりまえだ。観客から見れば、父親のわがままと頑固で話がこじれただけで、家族がみんな父親のことを思っていること、幸せな家庭であることは自明である。笑っているうちに予定調和でめでたく終わるのも安定感があっていい。喜劇の王道である。
 また、ここに描かれているのは、ずばり現代の生活風景である。東京郊外(横浜の青葉区あたり)の中流家庭の生活。私電沿線の一戸建て、父親はサラリーマンを引退、母親はカルチャースクール通い、息子はモーレツサラリーマンで孫はまだ小学生ぐらいの三世代同居。三世代同居はそろそろ珍しくなっているかもしれないが、映画としては子供がいた方がにぎやかになる。この映画はわたしたちの世代の生活を切り取って記録に残そうとしている。
 郊外の坂の多い住宅地、室内のソファなどの調度品や、洗面所に置かれた用品、大事な家族会議だからとはりこむ出前の鰻、カルチャースクールでの会話に出てくる作家の名前などなど。わが家よりだいぶ生活レベルは高そうだけれど、まぎれもなく現代の、私たちの世代の家である。
 この映画の原型である小津安二郎の映画の背景の調度品などから、あの時代の雰囲気を読むように、もう少したつと、山田洋次のこの映画から、今の時代を読むようになるだろう。映画は風俗を記録する。

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 これはシリーズ化するつもりなんだろうか。山田洋次が元気でいる限り、次々と作品はできそうだが、全世代的に受けそうな作品とは思えない。わたしは楽しんだが、若い人がおもしろがるようには思えない。
 大ヒットは狙わず、高齢者向きのシリーズとして続けるならいいかもしれない。今、テレビで老人ホームを舞台にした、倉本聰の「やすらぎの郷」という高齢者向けドラマをやっていて、これがすこぶるおもしろい。高齢者向けのマーケットは当分拡大し続ける。是非やってもらいたい。
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2017年7月10日 (月)

JB57 ドイツのジョーク2

 今回は「ジョークで学ぶドイツ語」。ドイツ語学習のための副読本である。
 ドイツのジョーク集については、以下の5冊を前に紹介している。
 14 ドイツ・ジョーク集JB05 実日国別ジョーク集2/3
 135 ヒトラー・ジョークJB32  ドイツのジョーク
 136 ドイツのジョークJB32  ドイツのジョーク
 137 ドイツ人のバカ笑いJB32  ドイツのジョーク
 138 ドイツ産ジョーク集888(ワッハッハ)JB32  ドイツのジョーク

205 ジョークで学ぶドイツ語

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    (書名)  ジョークで学ぶドイツ語
           ドイツを楽しむ22のテーマ
      (著者)   押野洋
      (出版者) 三修社
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    189
      (出版年) 2004/07/15

・これは左右対照ではなく、ドイツ語、日本語訳、語注にときどき解説が入る。活字が小さいので、頁数はすくないが、けっこう中身はある。

・ドイツ語もわからないので、日本語訳を読んだだけ。下ネタ系はほとんどない。

ゲーテハウス(仮題)
 フランクフルトにあるゲーテハウスで、でしゃばりの訪問者がゲーテの椅子に腰掛けた。「ちょっと、あなたは詩人のお気に入りの椅子に座っていますよ」と案内係が言った。「それがどうしました。彼が来たらすぐに立ちますよ」(p109)

・ヘルムート・コールは、最近亡くなったことがニュースになっていた。首相として東西ドイツの統一を成し遂げた政治家である。
 非常な巨漢で、その体重は冗談で国家機密と言われていたそうだ。 

コール首相のダイエット(仮題)
 ヘルムート・コールにはどんなダイエットも効果がないようだった。そこで彼の主治医が、元皇帝のヴイルヘルムⅡ世のように木を切り倒してまきを割ることを勧めた。コールは、それを使えば1時間で12本の木を切り倒せる電動のこぎりを買った。コールは最初の1時間で2本しか切り倒せず、次の1時間では大いに頑張ったにもかかわらず1本だけだった。彼は電動のこぎりを店に持っていって苦情を述べた。「ちょっと見てみましょう」と店員は言う。「ガソリンは入ってる、チェーンはきちんと張られてる、刃も問題ない」彼はモーターを始動させた。その時コールは尋ねた。「おやまあ、これはなんの騒音だ?」(p127)

→つまりエンジンをかけずに手動で木を切っていた、ということ。ダイエットには効果ありそうだ。「電動のこぎり」に「ガソリン」はちょっと不審だけれど、ともかく手動のこぎりではないということだ。

ハリネズミ
 ハリネズミの子供が温室で迷子になってしまい、必死で家路を探している。サボテンにぶつかるたびに、期待を抱いて叫ぶ。「ママ、ママなの?」(p138)

銀行員魂(仮題)
 銀行員は金をビニール袋に詰め込みながら、銀行強盗に言った。「ところで、もしわたしがあなたの立場ならこのような大金を持って通りを歩き回ることはしないでしょう。ぜひわたしどものところで口座をひらいてください。(p165)

 

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2017年7月 6日 (木)

JB56 イタリアのジョーク2

 イタリアのジョークの本はめずらしい。これまでに紹介したのは、
15 イタリア・ジョーク集JB05 実日国別ジョーク集2/3
139 トッティ王子のちょっぴしおバカな笑い話JB33 イタリアのジョーク
140 抱腹!! イタリアン・ジョークJB33 イタリアのジョーク
の3冊だけだった。
 4冊目が見つかったので報告する。これはジョークをイタリア語と日本語を左右対照で収録している。つまりイタリア語学習用の副読本である。わたしが読んだのは右側の日本語訳だけ。

204 笑いやーもイタリアー語(の)

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    (書名)  笑いやーもイタリアー語(の)
      (著者)   高岡靖
      (出版者) 東洋書店
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    244
      (出版年) 2008/03/25

・タイトルは「わらいやーも いたりあーの」とイタリア語風に読めということらしい。

・左頁にイタリア語でジョーク。右頁に日本語訳と笑いどころの解説と語句の注釈がついている。

・イタリア語の語呂合わせによるジョークがけっこうある。解説を読めばなるほどとは思うが、やっぱり笑うところまではいかない。

・第5章は「トッティ笑話集から」となっている。サッカー選手トッティは、イタリアではおバカタレントでもあったようだ。

キリストがピノッキオに
 イエス・キリストとサンピエトロが天国を散策していると見知らぬ人たちが行き来している。その中できわめて高齢の一人に質問する。
――そのお年寄りのあなた、どんな善行をして天国に来ることができたのかね?
――わたしはジュゼッペといいます。生涯、大工として堅実な時を送りました。息子がいつの間にかできたが、彼はやがて私の下を去り世界に飛び立っていきました。私はひとりぼっちになりましたが、いつか彼と再会できるとの希望を持っています。
 キリストは考える。
――ウーン、大工か、名前がジュゼッペ、子供ができたが出生がよくわからない…。
 すると突然、叫び声をあげて、
――パパ-(お父さん)!!!
――オー、お前はピノッキオかー!!!(p21)

→ジュゼッペはヨゼフ、ジョゼフと同じで、マリア様の旦那様の名前。ピノキオを作ったのは「ゼペット爺さん」と記憶しているが、この名前もジュゼッペからきているらしい。

 

モーゼの十戒
 司祭が日曜の説教でモーゼの十戒について講釈している。第4項「盗みをしてはならない」に触れると、一列目の小柄な男が急にソワソワし始めたのをみとめた。第7項「不倫をしてはいけない」というと男は急にホッとしたように微笑んだ司祭はミサが終わるとその男に近づき、先ほどの不思議な行動について尋ねた。男はきまり悪そうな笑いをしながら、次のように答えた。
――貴方が第4項のお話しをされた時、私は傘がないのに急に気づきました。こんどは貴方が「不倫をしてはいけない」と言われたとき、どこに傘を忘れてきたかを思い出したのです。(p27)

 

新生ベネチア
 一人のイタリア人が30年以上の長い冬眠からさめる。これを祝うためベネチアへ旅行に出かけた。着くと、驚いたことに、町は完全に清掃され巡回船は定期的に運航され、ネズミもいない。主なモニュメントは修復され人々も以前より親切だし鳩たちも食べ物を食い散らかさない。
 きれいに清掃されたバールに入りコーヒーを注文する。飲んだ後バーマンに勘定を頼むと、――5マルクです、との返事だ。(p185)

→EUができる前のジョーク。冬眠からさめたら町はすっかりきれいになっていた。これはイタリアではない。ドイツに統合されたにちがいない、というジョーク。

 

手相占い師
 少し以前に、死体安置所ですべての死体の左手が消えていたことがあった。
 市長が捜査を命じると犯人がわかった。一人の柔和な雰囲気の老婆であった。
――あたしは手相占い師をしていたけど、今は年金生活者なの。でも何か読まないと夜、寝付けないの、と言い訳をする。(p217)

 

 

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2017年7月 3日 (月)

JB55 開高健のジョーク本

 開高健はわたしの大好きな作家である。釣りや食に関する紀行やエッセイにはよく現地仕込みだというジョークが紹介されていた。
 年表を見ると亡くなったのは1989年。もう28年もたつのか。
 

202 食卓は笑う

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    (書名)  食卓は笑う
      (著者)   開高健
      (出版者) 新潮社
      (形状)    新書判ハードカバー
      (頁数)    137
      (出版年) 1982/12/01

・サントリーの新聞広告に連載されたジョークをまとめたもの。開高のエッセイにジョークをはめこむかたちになっている。

ほんのひとひねり
 パリで。
 ある夜、私がキャフェの椅子にすわってチビチビやっているところへたくましい若者がやってきて力自慢をする。レモンを一個とりあげ、前身の力をこめ、額に青筋をたて、歯を食いしばってにぎりしめるのである。ジュースがサッとほとばしるのを見て私は感動し、兄さん、お仕事は何を、とたずねると、若者は誇らしげに、オレは市場の労働者だがときどきジムへいってボディービルをしているのさと答える。そこへ一人の老人がヨチヨチと寄ってくる。咳はゴンゴン、喉はゼイゼイの御老体。それがブルブルふるえる指をのばし、ムッシュー、ちょっと失礼しますといって例のレモンをとりあげ、指先でホンのかるくひとひねりひねったら、ジュースがザッと、最後の一滴までほとばしり、レモンはカラカラの干物みたいになる。若者と私が仰天し、異口同音に、お父さん、仕事は何してんのとたずねたら、老人はハニかんで、うなだれ、低い低い声で、イエ、なに、私ちょっと税務署に関係してますんでと、答えた。(p92)

・次は1967年の第三次中東戦争を題材にしたもの。イスラエルとエジプトなどアラブ諸国との間で行われ、たった六日間でイスラエルが一方的に勝利したので六日間戦争とも呼ばれる。
 アラブ側の敗戦の原因の一つに、エジプトではナセル大統領がロシア人の軍事顧問団をおいていたことがあるという。

沙漠の雪
 敗報また敗報でガマル・ナセルがカイロでガックリしているところへロシア人がやってきて、やさしく肩をたたいて励ましたという。「同志ガマルチク。絶望してはいけません。絶望する必要もありません。忍耐です。待つことです。待てばそのうち冬になる。冬になると雪が降る。そうなりゃこっちのもんです。われらは経験豊富ですぞ。ネヴァー・ギヴ・アップですテ」(p111)

・開高は『ベトナム戦記』の著者でもある。次のような記載もある。

 嘲罵の笑いを赤い笑いと呼ぶ。絶望のあげくの笑いを黒い笑いと呼ぶ。してみれば、つぎの挿話は一九六四年末に私がホーチミンで聞いたディ・ファクト・ストーリー(事実談)であって、まさに現実に発生したことであったが、もしこれにひとかけらの笑いがあるとすれば、どんな色をつけたらよろしいか。

 その年の末近く、南ヴェトナムの港町のダナン。早朝、薄い靄のたち迷う時刻にアメリカ人のMP(憲兵)がジープでパトロールをしていると、川岸に棺桶が一つおいてあった。この国の棺桶は白木ではなくて、黄や赤や緑に塗られてたいそうにぎやかで、目立ちやすい。MPがなにげなく拠っていって棺の蓋をこじあけたら、その瞬間、爆発が起って、MPは即死してしまった。いっぽうアメリカの空軍は爆弾の先端に”クリスマス、おめでとう”とか、”なぜいけない?(ワイ・ノット)”などとペンキで描いて、せっせとジャングルに降らせていた。(p102)

 

202.1 食卓は笑う (新潮文庫)

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    (書名)  食卓は笑う
      (著者)   開高健
      (出版者) 新潮社
      (形状)    文庫
      (頁数)    140
      (出版年) 1986/08/25

202の文庫版。作者のあとがきがある。

 

203 水の上を歩く?

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    (書名)  水の上を歩く?
      (著者)   開高健島地勝彦
      (出版者) TBSブリタニカ
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    312
      (出版年) 1989/03/29

・「サントリークォータリー」に連載された、当時の「週刊プレイボーイ」編集長島地勝彦とのジョークをめぐる対談をまとめたもの。

・対談の中でジョークを披露しあう形になっているので、会話とジョークが混ざっていて、読むジョークとして整理されていない部分がある。
 ジョーク部分には通し番号がついていて、巻末には索引がある。

・対談の中に、開高の体調不良をうかがわせる記述が散見される。開高はこの本が刊行された年の暮れに亡くなった。けっこう無理してこの対談もこなしていたのでは、と思われる。

東アフリカの飢餓問題をさらに調査するために、アメリカ、日本、イギリス、ドイツ、フランスなど先進諸国の学者が派遣されたんです。それで山間僻地まで入って行くんだけれども、地図にものっていない村落で人喰い人種に全員つかまっちゃった。食い物がなくなってるときだし、ご馳走にありつけたというんで村中お祭り騒ぎで、焚き火をたいて大きな釜をすえ、最初のご馳走に、メガネをかけ短足ヤセギスの日本人の学者を引っぱり出した。驚いたこの先生、大声で泣いて喚いた――「どうしてオレみたいにやせっぽちで小さいのから食うんだ。あっちのドイツ人なんて、肥ってて、柔らかそうでうまそうなのに……」そしたら酋長がニンマリして――「おちつけ日本人よ。この辺りでもここんところ、日本食ブームで名……」(p48)

記事は簡潔に
 新入社員の新聞記者が、記事はできるだけ簡潔に書けと言われて、書いてきた。
「トム・スミス氏は、昨夜九時、自宅ガレージにて愛車の燃料タンクにガソリンがあるかどうかを調べるため、マッチをすってみた。あった。享年44歳」(p55)

船に乗るなら
 あるとき、チャーチルがイタリーへ行くことになった。ところが、彼はイギリスの船会社の船に乗らず、イタリーの船を予約した。まわりの連中が驚いて、なぜわが国の船を利用しないのかと訊くと、チャーチルが答えていわく――「イタリー船はまず食い物がうまい。次いで、サービスが行き届いてる。最後に、救命ボートに女子供を先に乗せろとは書いてない」(p164)

203.1 水の上を歩く? (集英社文庫)

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    (書名)  水の上を歩く?
      (著者)   開高健島地勝彦
      (出版者) TBSブリタニカ
      (形状)    文庫
      (頁数)    320
      (出版年) 1993/01/25

203の文庫版。

・巻末に島地勝彦の「開高健――研ぎ澄まされた哄笑」と題する回想文がある。

※以下おまけ。作家になる前、開高健が編集していた壽屋のPR雑紙「洋酒天国」をまとめた本の文庫本判。ジョークも少しある。

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