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2017年7月13日 (木)

「家族はつらいよ2」

 7月10日(月)「家族はつらいよ2」を見た。

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 前作の「家族はつらいよ」と同じキャストで、同じようなストーリー。

 気楽な隠退生活をおくっている父親が、自動車をこすったり、ぶつけたりするようになったのを心配して、長男夫婦はじめ子どもたち全員で運転をやめさせようとするが、頑固でわがままな父親は承知しない。そのためのことばのやりとりのうちに父親は「うちの家族は崩壊だ!」と騒ぎ出す。
 そこへ父親の高校の同級生との数十年ぶりの邂逅が重なり、父親は酔っ払ってその友人をわが家へ連れて帰ってくる。友人は事業に失敗し、妻子に逃げられ、炎天下の工事現場で警備員をしていたのだった。

 前作と同じく、階段を落ちそうになったり、人と人がぶつかったりの古典的なギャグの積み重ねで笑わせる。これは前に書いたとおり(→「家族はつらいよ」)、爆発的に笑えるものではないが、またやってるなと思えば落ち着いて楽しめる。
 話そのものは、崩壊したように見える家族も、完全に家族がなくなってしまった孤独な友人の生活に比べれば自分はなんと幸せなことか、というありきたりのめでたしめでたしで終わる。あたりまえだ。観客から見れば、父親のわがままと頑固で話がこじれただけで、家族がみんな父親のことを思っていること、幸せな家庭であることは自明である。笑っているうちに予定調和でめでたく終わるのも安定感があっていい。喜劇の王道である。
 また、ここに描かれているのは、ずばり現代の生活風景である。東京郊外(横浜の青葉区あたり)の中流家庭の生活。私電沿線の一戸建て、父親はサラリーマンを引退、母親はカルチャースクール通い、息子はモーレツサラリーマンで孫はまだ小学生ぐらいの三世代同居。三世代同居はそろそろ珍しくなっているかもしれないが、映画としては子供がいた方がにぎやかになる。この映画はわたしたちの世代の生活を切り取って記録に残そうとしている。
 郊外の坂の多い住宅地、室内のソファなどの調度品や、洗面所に置かれた用品、大事な家族会議だからとはりこむ出前の鰻、カルチャースクールでの会話に出てくる作家の名前などなど。わが家よりだいぶ生活レベルは高そうだけれど、まぎれもなく現代の、私たちの世代の家である。
 この映画の原型である小津安二郎の映画の背景の調度品などから、あの時代の雰囲気を読むように、もう少したつと、山田洋次のこの映画から、今の時代を読むようになるだろう。映画は風俗を記録する。

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 これはシリーズ化するつもりなんだろうか。山田洋次が元気でいる限り、次々と作品はできそうだが、全世代的に受けそうな作品とは思えない。わたしは楽しんだが、若い人がおもしろがるようには思えない。
 大ヒットは狙わず、高齢者向きのシリーズとして続けるならいいかもしれない。今、テレビで老人ホームを舞台にした、倉本聰の「やすらぎの郷」という高齢者向けドラマをやっていて、これがすこぶるおもしろい。高齢者向けのマーケットは当分拡大し続ける。是非やってもらいたい。
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