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2017年9月

2017年9月28日 (木)

JB68 英語のジョーク6

 「JB43 英語のジョーク5」で紹介した「172 アメリカン・ジョークに習え!」の第二集があった。未紹介の英語学習用のジョーク本は、この他にもたくさんあるが、とりあえずこれだけ紹介する。 

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(書名) アメリカン・ジョークに習え!2
(著者)  森宗貴 訳編
(出版者) アルファポリス
(形状)    文庫
(頁数)   216
(出版年) 2007/07/20

・第一集と同じく、なかなかおもしろい。文末に「オチの解説&コメント」という、それぞれのジョークの簡単な解説もあり。

 

Silent Treatment
A man and hiz wife were having some problems at home and were giving the silent treatment.

The next week the man realized that he would need his wife to wake him at 5:00am for an early flight to Sydney. Not wanting to be the first to break the silence, he finally wrote on a piece of paper. "Please wake me at 5:00am".

The next morning the man woke up, only to discover it was 9:00am, and had missed his flight.

Furious, he was about to go and see why his wife hadn't awakened him when he noticed a piece of paper by the bed. It say "It is 5:00am,wake uo! "

だんまり合戦
夫と妻が家庭内のことでもめてしまい、お互いにだんまりを決めこんでいた。

次の週、夫は、シドニーへの早朝便に搭乗するために、どうしても妻に頼んで朝5時に起こしてもらわなければならなかった。先に沈黙を破りたくなかった夫は、紙切れに「朝5時に起こしてくれ」と書いておいた。

翌朝、夫が目を覚ますと、時計の針は9時になっていた。飛行機に乗りそこねてしまっていたのだ。

激怒した夫は、何故起こしてくれなかったのかと文句を言いに行こうとした。枕元の紙切れに気がついたのはそのときだった。そこにはこう書かれていた。「朝の5時よ、起きて!」(p14)   

 

Children
You spend the first 2 years of their life teaching them to walk and talk.

Then You spend the next 16 telling them to sit down and silent.

こども
生まれてからの2年間、親は子供に歩き方と話し方を教える。

その後の16年間は、座っておとなしくしていなさいと説教する。(p18)

 

Necessity
A man will pay $2 for a $1 item that he needs.
A woman will pay $1 for a $2 item that she doesn't need.

買い物上手
男は1ドル相当の必需品を2ドルで購入してしまう。
女は2ドル相当の不要品を1ドルで購入してしまう。(p36)

 

A Morlal Lesson
A mother was preparing pancakes for his sons, Kevin 5 and Ryan 3.
The boys began to argue over who would get the first pancake. Their mother saw the opportunitiy for a moral lesson. "If Jesus were sitting here, He would say, Let my brother have the first pancake. I can wait.

Kevin turned to his younger brother and said, "Ryan, you be Jesus."

道徳教育
母親が二人の息子たちにパンケーキを用意してあげた。ところが、5歳のケビンと3歳のライアンはどっちが先にそのパンケーキを食べるかで言い争い始めてしまった。そこで母親はここぞとばかりに道徳教育を実践した。「もし、ここにイエス様がいたら、きっと「汝の兄弟に最初にパンケーキを与えよ。われは待てり」っておっしゃるわよ」。

そこでケビンはライアンに向かって言った。「ライアン、おまえがイエス様やれ」(p154)

 

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2017年9月25日 (月)

京都で会津

 最近の週刊文春に、某政治家がらみで会津小鉄会の名前が出てきた。有名な暴力団である。昔、初めて名前を見たときには、「会津」というから福島県あたりの暴力団なんだろうと思った。京都が本拠地で、幕末から明治維新の頃に有名だった侠客の親分「会津の小鉄(あいづのこてつ)」に由来する名前だと知ったのは、ずいぶんたってからのことだ。
 侠客の名前に地名がかぶさるのは、「清水の次郎長」や「吉良の仁吉」のように、出身地や根拠地だと思っていたが会津の小鉄は、幕末に京都守護職として京都の治安維持にあたった会津藩のもとで、人足の口入れ屋をやっていたことからきているそうだ。

 何年か前京都へいったとき、黒谷の金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)へ行った。幕末に会津藩の本陣があったところである。

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 ここには「會津藩殉難者墓地」があって、そこに会津の小鉄の墓もあるそうだが、このときは腰痛を発症してしまったので、そこまでは見られなかった。
 帰ってしばらくたってから、飯干晃一の『会津の小鉄』という小説を読んでみた。

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Photo_2              (1986、角川文庫)

 カバーの袖にはこうある。

 幕末から明治維新にかけての動乱の時代。関東の大前田英五郎、東海の清水次郎長と並び称された大侠客会津の小鉄―血なまぐさい事件が頻発する京都で、会津藩部屋総取締役となった小鉄は、徳川の“葵の紋”と近藤勇に己の生命を賭けていった。多くの手下をつかい池田屋襲撃の手引きなどで暗躍し、その侠名を轟かせた。
 だが、ついに訪れた“葵の紋”の落日、幕府の崩壊は、激しく生きた小鉄自身の落日でもあったのだ…。丹念に資料を掘り起こし取材して侠客の生涯を描いた著者会心の傑作史実小説。

 飯干晃一は『仁義なき戦い』などのヤクザもので有名な作家である。会津の小鉄を、幕末の動乱の時代を自分の信念に従って生き抜いたヒーローとして、痛快に描いている。おもしろく読んだ。
 エンターテインメント小説である。侠客賛美だなんだと言ってもはじまらない。それに幕府や藩の動きなどの史実については、丁寧に調べて書かれているようだ。幕府や会津の側から歴史を見たかたちにもなっている。

 金戒光明寺には会津藩士1,000名が駐在し、その活動や生活を支える「会津部屋」が置かれた。今で言う兵站―ロジスティックス部隊というところか。その会津部屋の総元締めがやはり侠客の大垣屋清八(大澤清八)で、上坂仙吉(こうさかせんきち)は、その下の総取締りだった。以来、上坂仙吉は「会津の小鉄」と呼ばれるようになった。
 「小鉄」の方は、身体が小さかったからという話と、近藤勇と同じく「虎徹」の名刀を愛用していたからという話があるようだ。
 上方でヒットしたという初代京山幸枝若の浪曲では「本名上坂仙吉は、さした刀が長曽禰虎鉄、部屋と刀があだ名となって…」と歌われている。(https://www.youtube.com/watch?v=eGKZwoXSsSs&t=184s

 また金戒光明寺のHPの「会津藩と黒谷と新選組」というページには、会津の小鉄について次のように書かれている。

會津藩が鳥羽伏見の戦いで賊軍の汚名を着せられ戦死者の遺体が鳥羽伏見の路上に放置されていたのを子分二百余名を動員し、迫害も恐れず収容し近くの寺で荼毘に付し回向供養したという。以後も、小鉄は容保公の恩義に報いんが為に黒谷會津墓地を西雲院住職とともに死守し、清掃・整備の奉仕を続けたという逸話が残っている。(http://www.kurodani.jp/roots/index.html

 これは清水の次郎長が、明治元年に、幕府の軍艦が清水港内で攻撃を受け沈没させられたとき、政府の意向に逆らって、湾内の屍体を拾い集め、手厚く葬ったという逸話に匹敵する。
 そういえば阪神淡路大震災のとき山口組が炊き出しをやったという話もあった。これを含めて日本ヤクザの三大義挙というのは言い過ぎだろうか。

 現在の暴力団会津小鉄会というのは、幕末の会津小鉄からの直接の継承ではなく、途絶えたものを名称復活させたものらしい。
 NHKの大河ドラマ「八重の桜」は幕末の会津藩をあつかったドラマなので、会津の小鉄も出てきたかと思ったが、出てこなかったようだ。ただ会津部屋元締め大垣屋清八は出ていて、松方弘樹が演じたという。(わたしはこのドラマはほとんど見なかった。)
 この大垣屋清八の養子大沢善助は、同志社の新島襄から洗礼を受けてクリスチャンとなり、組稼業は会津小鉄に譲ったという。のち大沢商会を起こし、京都電鉄社長や京都府議会議長にもなった。こちらも八重の桜には出てきたらしい。
 足を洗い、出世した方はいいけれど、さすがに現役暴力団の名前は出すわけにはいかなかったということか。

 

 

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2017年9月21日 (木)

JB67 放送作家のジョーク集2 

 「JB15 放送作家のジョーク集」で、次の三冊を紹介した。

59 ジョーカーズ・バイブル(城悠輔)
60 世界が嗤う日本のジョーク(はかま満緒)
61
 ジャパニーズジョーク辞典(吉川スミス)

 はかま満緒の本がもう一冊あったので、今回はそれを紹介する。

   

216 はかま満緒のコント笑話史

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    (書名)  はかま満緒のコント笑話史
      (著者)  はかま満緒
      (出版者) 徳間書店
      (形状)   文庫
      (頁数)    151
      (出版年)  1983/02/15

・残念ながらこの本はあまり面白くない。「笑話史」と銘打っているが、「史」の部分は見当たらない。ジョークも翻訳ネタが多そうだ。

駅にて
「往復の乗車券ください」
「どこまでです?」
「なにをとぼけてるんだ、往復だよここからここまでに決まってるはないか!」(p51)

 

デパート
「おめでとうございます。貴女が当デパートにいらした百万人目のお客さまです。ハワイ旅行へ御招待申し上げます」
「ホ、ホントですか」
「ハイ、ところで、今日は、当デパートになんのご用でおいでになったんですか」
「ハイ、もういいんです」
「そうおっしゃらずに、婦人服売り場ですか? それとも宝石売り場?」
「いえ、その……苦情係へ」(p54)

転職時代
「ちょっとあなたは転職の回数が多いようですな。うちへ来られても、またすぐやめるんじゃないでしょうね」
「はあ、その点はご心配なく、これまで私のほうからやめようと思ったことは一度もありませんので……」(p64) 

 

原因
「おじさん、村長の選挙に破れてから離婚をしたんですって?」
「お前さん、私の票数を見なかったのかい、一票しかなかったんだ!」(p110)

 

新聞
「有名人がどんどん少なくなってくねえ」
「どうして?」
「だって、いつも有名人の死亡記事が出てるが、有名人が誕生した記事は見たことないもん」(p134)

 

 

 

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2017年9月18日 (月)

トランプ予言2

 以前「トランプ予言」というのを書いてみた。
1 トランプの政策はうまくいかない。
2 流れは変わる。
3 4年の任期をまっとうできない。

 というものだった。今のところ順調に、事態は予言の方向に動いているようだ。

 そこで先月、次のようなトランプ予言の第2弾を書いてみた。しかし、これは「日本にとって最悪の事態」と言われていることなので、バカなことを言うなと怒られるかと、出さないでおいた。
 ところが最近北朝鮮の核実験、ミサイルと続いた結果、こうなるのではないかという意見もぼちぼち見られるようになってきた。それでとりあえずこれも出してみることにした。
 ただし、これも床屋政談の予言で根拠はないので、当たったときには「ドーダ!」と言わせてもらうけれど、はずれても責任はとらない。
 ずばり言う。

トランプは北朝鮮の核保有を承認する

1 トランプは北朝鮮に興味はない。
 まず考えるのは、トランプはもともと北朝鮮に何の興味も持っていなかっただろうということ。石油が出るわけでもなし、大きなビジネスの相手にはならない。アジアの文化や歴史に興味もない。黒電話頭のお兄さんが気を引こうとミサイルを射ったり核実験をしたりするものだから、いやいや相手をしているだけだ。ほとんどどうなってもいいと思っているだろう。

3 内政がうまくいかず大変だ。
 政府の陣容も整わず、公約がちっとも実行できず、北朝鮮なんかにかまっていられない。戦争を起こして内憂をごまかすと言っても、アメリカにとって北朝鮮はそれほどの外患だろうか? ミサイルがアメリカ領を誤爆しない限りアメリカ人は北朝鮮を問題にせず、命をかけようとはしないだろう。

3 戦争はコストがかかりすぎる。
 その程度にしか思っていない国を相手に戦争をしても得られるものはない。負けることはないけれど、莫大なコストがかかり、多数の人命が失われるリスクがある。主に被害を被るのは韓国や日本だからといって、アメリカが無傷ですむわけはない。
 始めてしまえば局地戦で終えることができるかどうかわからない。斬首作戦がうまくいったとしても、その後の統治をどうするのか。中国、ロシアが出てきてややこしいことにならざるをえない。イラクがいい例で、治まらないで内戦、難民ということになればさらにコストがかかる。

4 核保有を認めるのが一番楽な選択である。
 核を持たせて北朝鮮がおとなしくなるのなら、それが一番楽な選択で、手っ取り早い。これ以上の拡大を禁じるとかなんとか条件をつけておけば、苦渋の決断とか言って評価してくれる勢力もいるだろう。

5 「改革開放」のアメはきくかもしれない。
 米朝国交を復活させ、北朝鮮に「改革開放」の風を吹き込めば、北朝鮮の経済が発展して国情が安定するかもしれない。あるいはクーデターの可能性が高くなる。アメリカの貿易にも多少の寄与はある。

6 アメリカの軍産複合体はもうかる。
 北朝鮮の核保有を認めることで、日本や韓国に抑止力を高める必要が生まれ、大量の各種兵器―核兵器を含め―売り込むことができる。
 トランプは軍産複合体とは違うところから出てきたが、これを餌に、内政について取引ができるかもしれない。
 まず日本が核兵器を持つというのは大変な話だが、これはまた別の話。
 韓国も日本も核を持つようになったら、そのうち台湾も、インドネシアも、ベトナムも…という話になりそうで大変だが、これもまた別の話。

 他国のことを考えなければいいことだらけである。最大の欠点は

アメリカのメンツがつぶれ、チキンレースに負けたチキン野郎になってしまうこと。

 トランプがこれを呑むかどうか。
 日本や韓国がやめてくれといっても、トランプはそんなことは気にしないだろう。
 メンツがつぶれても、それはこれまでのオバマの対応が悪かったせいにすればいい。わたしは、商売人トランプは、呑むとみる。

 もう一回言っておくけれど、わたしはジャーナリストでも国際政治学者でも政治家でもない。ただの床屋政談のじいさんである。だから、根拠はないし、はずれても責任はもたない。

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2017年9月11日 (月)

JB66 悪魔の辞典3

 「JB51  悪魔の辞典2」で別役実当世悪魔の辞典』を紹介した。別役実にはもう一冊悪魔の辞典があった。

215 ことわざ悪魔の辞典

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    (書名)  ことわざ悪魔の辞典
      (著者)  別役実
      (出版者) 筑摩書房
      (形状)   文庫
      (頁数)    236
      (出版年)  2000/10/10

・ことわざを、通常とは違う意味にねじ曲げて解釈して笑わせるというもの。そのねじ曲げ方が別役の「芸」なのだが、辞典一冊分ともなると、無理矢理こじつけたと感じるものがあったり、さすがに全部おもしろいとはいかない。

・下ネタ、ブラックなネタがけっこうある。無理矢理下ネタにこじつけて「一丁あがり」は、あまりおもしろくない。

【あまいしるをすう】
「飲む」というのは、誰はばかることのない行為であるが、「吸う」というのは、やや人目を気にし、こっそり行うべき行為である。人が「甘い汁」を「飲む」のではなく「吸う」のは、それがよくないことと知っているからにほかならない。何故よくないのか。医者にいつも言われているではないか。糖尿病になるからである。つまりこの言葉は、糖尿病へのいましめ、と解するべきであろう。(p21)

 

【おいてはこにしたがえ】
何を「負う」のかとよく聞かれるが、言うまでもない、借金である。つまり借金を背負ってしまったら、子供にまかせろと言っているのだ。赤字国債発行の智恵は、実はここから出ている。借金を子供にまかせるのなら、いっそのこと必要な金を、子供に借りてしまえばいいじゃないか、というわけだ。しかも、子供がそれに気付くころには、我々はもう死んでいるのである。(p46)

 

【こうこうしたいじぶんにおやはなし】
昔は平均寿命が短かったから、子供が「親孝行がしたいな」と考える年齢に達するころには、もう親は死んでいたのであり、したがって親孝行なんてしなくてもよかった。もちろん今日では、平均寿命が伸びたから、親はまだ生きているのだが、そうなってみると子供の方が、その年齢に達しても「親孝行したいな」と、思えなくなってしまった。どっちみち。親孝行はしないのである。(p82)

 

【ないそではふれぬ】
「袖振り合うも他生縁」と言って、それだけで或るつながりを主張する風が我国にはあるが、ノースリーブだとそうはいかない。我国でノースリーブが流行したのは、対人関係におけるそうしたわずらわしさから、逃れるためであったとされている。(p140)

 

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2017年9月 7日 (木)

JB65 スペインのジョーク

 スペインのジョーク本というのも珍しい。前に紹介したのは、

22 スペイン・ジョーク集(山田善郎 訳編、実業之日本社、1980)

のみである。(JB06 実日国別ジョーク集3/3

214 チステ CHISTE スペイン小咄

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    (書名)   チステ CHISTE スペイン小咄
      (著者)  マリア・ドラード 編著
           金丸悦子 監修
      (出版者) グラフ社事業出版部
    (形状)    四六判
      (頁数)    310
      (出版年)  1989/11/18

・スペイン語のジョーク集2冊から選んで翻訳したとのこと。他国のジョーク集にもありそうなものが多くスペイン色はあまりない。

・訳がちょっと固い。監修者の金子悦子氏は発刊時山梨県の老人ホームの理事長とのこと。山梨県で金丸というと、元自民党副総裁を思い出してしまう。縁者かどうかは不明。

・社会福祉法人がらみでも下ネタがけっこうある。これは元がスペインだからか?

失業者のデモ
 失業者の大きなデモが、マドリッドの大通りを行進していた。
「仕事をよこせ!」
「仕事をよこせ!」
「失業手当なんかいらない!」
「仕事くれ!」
 それを見ていた一人の男性は、深い溜息をついた。
「二万人もの失業者は、とうていねェ……」
 失業者に同情した男性は、なかの一人に声をかけた。
「君、私が力になりますよ。今すぐに始めてもらってもいい仕事がありますから……」
 すると、その失業者は仲間に向かって、
「二万人もいるのに、どうしておれにあたったんだ! ついてないぞ!」(p26)

 

有名レストラン
 マドリッドでは一流で通っているレストラン――その店の壁には、自他ともに美食家をもって任じる人たちのサイン入りの色紙が何枚もかかっていた。
 グルメとして味にはひときわうるさい一人の紳士が、食事をすませたあと、ボーイを呼んで尋ねた。
「あの色紙は本物だろうね? 有名な食通たちが、あんなにこの店へ来たのかい?」
「はい、本当でございます。でも……でも二度とおみえにならないのも本当でございます」(p76)

離婚なんて
 白髪の婦人が、旧知の弁護士に嘆いて語った。この歳まで、夫のためにどんな苦労をさせられたことか――横暴な性格、女出入りの数々、それに家計の不如意、嘆きのネタは尽きなかった。
「そんなにひどいご主人なら、早く離婚してしまいなさいよ.お手伝いしますよ」
 老婦人はむきになって答えた。
「えッ、離婚ですって? とんでもないわ。何年も何十年も苦労してきて忍耐に忍耐を重ねた今になって、主人を幸せにしてやるつもりなんか、私、これっぽっちもありませんのよ」(p138) 

 

地獄のお国ぶり
 誰かが地獄へ見学に行った。
 最初は、ドイツの地獄だった。みんな大変真面目に、正確に苦しみを受けていて、誰一人文句を言ってなかった。
 隣は日本の地獄で、全部コンピュータに頼って、狂気のように働かされていた。
 遠くから何やら聞こえてくるウルサイところは、スペイン地獄だった。みんないいかげんに休んでいて、大声で勝手な話をしていた。詐欺の罪でここへ入ってきた監督の悪魔は頭にきて、
「スペイン地獄の責任者を呼べ!」
「あいつは生きてた頃と同じに十時頃来て、サインして帰ったよ」(p254)

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2017年9月 4日 (月)

右も左もわからない2

 わたしの若いころは、こういう左から右への区分が一般的に了解されていた。

極左(中核・革マル派など)―共産党―社会党―民社党―公明党―自民党―右翼諸派

 この配置図をもとに政党をみる癖がついているから、最近のネットでの罵詈雑言がよく理解できなかった。
 ツイッターをたまにみていると、政治的な発言にはよく反対派からの罵倒の言葉が投げつけられている。中には読んでいると胸が悪くなってくるようなものもあるから、そんなに一生懸命は読まないようにしているが、その罵倒のうちに「極左日教組」とか「極左共産」とかいう言葉がある。ときどき民進党まで「左翼」と呼ばれている。
 いったいこれはなんだ。日教組のどこが極左だ。教員の組織率も下がってたいした活動もしていないだろう。それが諸悪の根源のように言われたりする。そんなに日教組が強いなら教員の過重労働が騒がれることもあるまいに。なんで民進党が左翼なんだ。前原新代表と自民党とどこが違うのか。年寄りにはよくわからない。
 そう感じていたが、若い人にはわれわれのような左右の政党配置図がないのだと知ってなんとなく納得がいった。「極左」というのは左翼の中で最も左に位置するという属性を示すのではなくて、「左翼」の単なる強調語なのだ。思想は関係なく政府に反対するのが「左翼・サヨク」で、「左翼」という言葉そのものが悪口になっている。「悪―極悪」、「左翼―極左」ということらしい。

 この、思想に関係なく政府に反対するのが「左翼」あるいは「サヨク」で、それがけしからん、という考え方が、ネット界隈ではかなり力を持っているらしい。
 最近違うニュースで週刊誌を騒がした今井絵理子参議院議員は、その前にこんなツイートを発していた。

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 「批判なき選挙、批判なき政治」?? ――大政翼賛会? 
 「子どもたちに堂々と胸を張って見せられるような選挙応援? ――今の選挙応援はそんなにひどいのか?
 ネットでは、意味がわからない、おかしいと炎上する一方、こういう考え方をする若者もたくさんいるのだという解説もなされた。
 そういう若者たちにとっては、「批判」は和を乱すとか喧嘩を売るという意味になるのだそうだ。理屈も事実の検証も関係ない。ともかく政府を批判するやつはみんな「サヨク」でけしからんということになっていくらしい。そして政府の足を引っ張るから「反日」ということにもつながっていくようだ。若い者の気持ちをわかってやれと言われても、とてもわかってやれない。

  『日本会議の研究』の著者菅野完によれば、日本会議に結集する人々をまとめているのは「なんとなくサヨクは嫌いだ」という気分なのだそうだ。
 日本会議の上層部にはそれなりの思想や理論があるけれど、動員されて集まってくる各種の宗教団体などには団体固有の思想信条があって、そういう理論に惹かれて集まっているわけではない。それぞれの団体に共通するのは「なんとくサヨクは嫌いだ」という感情で、それを基にしたゆるい集まりにすぎない。実際に武道館の1万人集会などに各団体が動員した観光バスで集まってくるのは、久しぶりの東京見物を喜んでいるような年寄りたちが大半で、先鋭な政治意識を持った人々などではないという。(https://www.youtube.com/watch?v=oSmOHazng68
 しかしこうした運動を通じて、選挙の集票マシーンとして大きな役割を果たすようになり、それを利用する政治家を次第に取り込んでいった結果、大きな影響力を持つようになったということらしい。
 菅野のこの説が正しいのかどうか、わたしに検証はできないけれど、批判が嫌いな若者たちもそのうち一緒に動員されるようになっていくのだろうか。

 右でも左でも、論理の筋道をたどることや事実の検証をおろそかにして、感情だけで政治を動かすのは危ない。

 

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