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2017年11月 6日 (月)

江南1 飛行機欠航

 まずは記憶に新しい、帰りの飛行機が欠航したところから書いておこう。
 10月29日午後3時頃、バスで上海浦東空港に着くと、帰国予定の中国東方航空MU575便は台風22号のため、欠航となっていた。一行のうちにはスマホで台風情報を見ていた人もいたので、危ないかもしれないとは思っていたが、空港まで来たからもう帰れると少し脱力しかかっていたので、ちょっと衝撃だった。
 ガイドのS兵さんが飛行機を確認してくれた。明朝7:30発のMU575A便に、受付カウンターへパスポートを提示すれば乗れるという。他の航空会社も日本行きは飛ばないし、飛行機はそれしかしょうがない。
 しかし今夜の泊まりはどうする? S兵さんがさっきからなにやらやりあっていた黒いスーツの青年は、なんとホテルの営業マンだという。欠航のニュースと共に空港へやって来て、あぶれた団体客を見つけてはホテルを斡旋しているらしい。「生き馬の目を抜くような」という言葉を思い出した。人の不幸はビジネスチャンス、というわけか。
 S兵さんが言うには、泊まりは一室268元。一室二人でも同じ。空港から車で十分くらい、ホテルのバスで送る。明日の朝も五時発で空港まで送る、という。
 浦東空港内にもホテルはあるが、平常時でも満員で、今からではなかなかとれないだろう、ともいう。
 ここは決断しなければならない。このツアーを始めたいきさつから、わたしが代表ということになっていて、S兵さんからは「団長」と呼ばれていた。
 268元は1元=17円とすれば4,556円。二人で泊まれば一人2,300円足らず。ここまで泊まってきたホテルの半額以下。安ホテルである。しかし、他のホテルを探してうろろしてもどうなるかはわからない。一行の皆さんには、どうせ明日朝早いから泊まれさえすればいいから行ってみましょうと承諾を得て、ホテルの車を待った。

 ところがホテルの車がなかなか来ない。黒スーツの青年もいなくなった。S兵さんは、ここまで乗ってきた大型バスの運転手と所在なげにしている。あとは二人で蘇州へ帰るだけなのに、なかなか帰れないのでちょっと不満というところ。
 やがてマイクロバスがやってきたところ、先客が二人乗っていた。われわれ専用で特別に迎えに来てくれるのだと思い込んでいたら、そうではなかった。飛行機の欠航で悲惨な被害者ムードでいたけれど、そんなことまわりには関係なく、ホテルもバスも通常営業中なのだった。
 S兵さんともバスともここでお別れ。25日に上海に着いて以来ずっとお世話になった。明日までガイドなしになる。ちょっと不安である。

 15分以上かかってホテルへ到着。まあ道路が混んでいたからしょうがないか。日本の不動産屋だって、駅まで10分で15分ならいいほうだ。
 誰かが「アメリカのモーテルのようなところだ」と言った。なるほど映画でこんな建物がいくつも並んでる風景を見たことがあるような気がする。
 ホテル名は「藍舎快捷酒店」。英語で「BLUE HOUSE」とも書いてある。

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 日が暮れるとこんなライトがついて、なるほどブルー・ハウス」である。

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 小さなホテルで玄関を入るとすぐ左がフロントになっている。田舎の小旅館という感じだ。若い男の職員とは英語の片言でなんとか話が通じるが、女の職員は中国語しか通じない。おまけに国際電話が通じないという。自宅への連絡は、空港で一行のH賀さんのスマホを借りて一報だけ入れておいたが、あとはホテルからしようと思っていたのに、それができない。
 部屋は一間に小さな洗面所とトイレ・シャワー室というつくり。わたしの部屋の外はすぐ駐車場である。前日までは一流ホテルだから、いかにも安普請で、通路の音もよく聞こえる。まあ明日の朝までしのげればいいし、中国の庶民の泊まるホテルを見学できたと思えばいい。

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 ホテルの前の通りは、車通りは多いがさびしくて店や家の灯りもまばらだったので、隣にあった、ホテルが経営しているレストランへ入った。
 水槽や生け簀がいくつもあって、良さそうな魚を選んで料理してもらう海鮮料理店である。店名は「藍舎鮮活工場」だった。「鮮活」は「活魚」だろうけれど「工場」はわからない。

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 ここで最後の晩餐のやり直しとなった。

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 面白かったのは、料理を食べ終えて勘定をしたときのこと。
 メニューを見ると、一人98元のコースがあって、料理は一覧表から四品を選択するようになっているようだった。そこで中国語のできるF田先生とH原さんにがんばってもらって四品を決めて注文した。しばい団欒ののち、飲み物や追加料理も含めて無事料理は食べ終えた。だから一人百数十元の支払いになるはずだ。
 ところが勘定をカードで払うと、全部まとめて449元。すこぶる安い。一人37元ぐらいだ。ビールも紹興酒も込みである。17元/円換算で7,633円。12人だから一人636円。
 こちらは一人百元以上のつもりだったから、キツネにつままれたよう。安いのはうれしいけれど、本当にいいのか?
 レシートを見ると、これは四品コースを12人前ではなく、単品を四つ注文したという計算になっている。ああそうか。
 横浜の中華街でも単品を一つ頼むと3、4人分はある。だから単品四つを12人で食べて、それほど不思議にも思わなかったのだろう。もっとも追加で他の料理を何品か頼んだのは、やはりちょっと少なかったということか。
 ともかくこれでいいらしい。みんなで大笑いして納得した。
 中国の庶民はこれくらいの料金で食べているのかもしれない。ビールもここまで一番高いところでは一本20元したのに、ここはなんと一本5元だった。銘柄は哈爾浜(ハルピン)ビールだった。 

 飛行機は欠航したが、ここで無事一夜を過ごすことができたのだった。

 

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