ジョークの本

2017年8月17日 (木)

JB64 サイエンスジョーク

 科学者をネタにしたジョークはあっても、科学それ自体をあつかったジョーク本はめずらしい。

213 サイエンスジョーク

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    (書名)   サイエンスジョーク
           笑えたあなたは理系脳 
      (著者)  小谷太郎
      (出版者) 亜紀書房
    (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    182
      (出版年)  2013/02/20

これはジョーク本といっても、ジョークをもとに物理学の解説をしようという本なので、その分野の知識がないとわからないところが多い。副題に「笑えたあなたは理系脳」とあるとおりである。

・物理学者と数学者の違いをからかったジョークくらいならわかる。

スコットランドの黒い羊
 エンジニアと物理学者と数学者がスコットランドを列車で旅していた。すると牧場に黒い羊が1匹見えた。
 エンジニアが言った。「スコットランドの羊は黒い!」
 物理学者が言った。「スコットランドには黒い羊が少なくとも1匹いる!」
 数学者が言った。「スコットランドには少なくとも片面が黒い羊が少なくとも1匹いる!」(p17)

 

・博士号を取得しても正規の研究職や教育職につけないポストドクターが大変だというのもわかる。

ポスドクはつらいよ
 ある若手研究者は、6年間の生産的な研究活動にもかかわらず、任期なしの身分になれなかった。研究者は学長と面談して理由を尋ねた。
 学長は言った。
「申しわけないんだが、この6年間で、学の求める人材が少々変わってしまったんだ。いま求められているのは、女性の、凝縮系科学の、実験家なんだ。残念ながら君は男性で、高エネルギー物理の、理論家だろう?」
 若手研究者は学長のことばの意味するところを考えてから言った。
「学長、私は進路を変更して、その条件のうち二つまでは満たすことができます。しかし……私は実験屋にはなれません!」
      ―デイビッド・ジェイ―(p41)

 蛇足ながら、このジョークは理論屋と実験屋との対立をからかったものでもある。
 さらに蛇足を付け加えると、わたしの姪も、長年ポスドクでアメリカだ沖縄だとあっちこっちへ行っていたが、最近ようやくイギリスで任期なしの身分を得たとのこと。よかった。

 

・むずかしいのは、こんなジョークである。

その速度測定器の不確定性はいくらかね?
 ハイゼンベルクは運転しているところを警官に停められた。
 警官が訊いた。「あんた、どんな速さで走っていたかわかってる?」
 ハイゼンベルクは答えた。「いや、わからない。しかしどこにいたかはわかる」(p57)

 ハイゼンベルクの不確定性原理です。量子力学というやつで、原子や素粒子などミクロは世界にはマクロな世界の法則はあてはまらないのだそうです。ハイゼンベルクによれば、ミクロな物体の位置を精確に測定すると運動量はわからなくなり、運動量を精確に測定すると位置が不確定になるというのです。
 よく理解できないことをジョークにされてもなかなか笑えない。

シュレディンガー夫人の猫
 シュレーディンガー夫人が夫に叫んだ。
「あなた、あの猫にいったい何をしたの? 半分死んでるじゃないの!」(p67)

 これも量子力学で、有名な「シュレーディンガーの猫」の話だが、よく理解できないので、よく笑えない。

・これくらいだと笑える。

数えてる間、ドキドキするよね
 稲光のあと雷鳴を聞けば、それがどれほど直撃に近かったかを知ることができる。
 もし聞こえなければ、直撃したのであるから、それ以上気にすることはない。(p109)

・これは、物理学のことはまるでわからないけれど、やっぱろそうなのかと感心したジョーク。

アインシュタイン参上
 自然と自然法則は夜の闇に隠れていた。
 神は言った。
「ニュートン現れよ」
 そしてすべてが明らかになった。

 しかし長くは続かなかった。
 悪魔がわめく。
「アインシュタイン現れよ」
 そしてすべては混沌に戻った。(p151)

 

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2017年8月14日 (月)

JB63 IT関係ジョーク集2

 JB21 IT関係ジョーク集で紹介したのは次の3冊。

84 ザ・ビルゲイツジョークブック〈Volume1〉
85 ザ・ビルゲイツジョークブック〈Volume2〉

86 悪夢のIT業界ジョーク集

 これに次の1冊を追加する。

212 コンピュータ・ジョーク集

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    (書名)   コンピュータ・ジョーク集 
      (著者)  ラリー・ワイルド、
           スティーブ・ウォズニアク
          竹本宣弘監修、山下昌子訳

      (出版者) 海文堂
    (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    178
      (出版年)  1990/10/05

・著書のラリー・ワイルドJB34 光文社「世界のジョーク集」で紹介した。アメリカのスタンダップ・コメディアンでテレビや舞台俳優もやり、各種のジョーク本を出している。
 もう一人の著者ウォズニアクスティーブ・ジョブズと共同でアップルを立ち上げたIT界の超有名人。

・1990年刊行の本なのでIBMやコンパックの名前が出てくる。この業界は栄枯盛衰が激しい。

 

 ほとんど人間みたいな最新コンピュータを知ってるかい?
 マチガイをしでかすと、他のコンピュータのせいにするのさ。(p125)

 

 性転換(transsexual) した尼さんを、何て呼ぶ?
 トランジスター(transsister)さ。(p174)

 

 マイクロ・コンピュータ感謝の副社長のカールソンは、耳鳴りで困っていた。医者に行くと、扁桃腺を除去した方がいい、と忠告された。が、手術は功を奏さなかった。
 別の医者は、歯を抜いたらどうか、と言った。それでも耳鳴りは続いた。
 ついに、三番目のスペシャリストが、ぶっきらぼうに言った。
 「残念ですが、奇病にかかっておられるんですな。良くても、六か月の命です。
 カールソンは一人の親戚もいなかったので、金を全部使ってしまうことに決めた。
 彼は世界一の船旅を予約し、最高のテーラーでスーツを二〇着仕立てた。
 カールソンはワイシャツさえもオーダーメイドで作ろうと決めた。
 「かしこまりました」シャツの仕立屋は言った。
 「寸法を測りましょう。袖が三四、首回り一六……」
 「いや、一五だよ」エグゼクティブは言った。
 「首回り一六」仕立屋は繰り返した。
 副社長は主張した。
 「私はいつも首回り一五のを着てたし、一五のが欲しいんだよ」
 「承知しました」仕立屋は言った。
 「でも、きっと耳鳴りがしますよ」(p153)

 

 ミルグロムは空港で、自分の便の出発を待っていると、二五セントで体重が計れて、その人物が既婚者かどうか、そして行き先まで言い当てるコンピュータ体重計があるのに気がついた。
 ミルグロムが料金口にコインを入れると、コンピュータのスクリーンが表示した。
 「あなたは体重一九五ポンドです。既婚で、サンディエゴに向かっているところですね」
 ミルグロムは唖然として立ち尽くした。
 別の男が二五セント硬貨を入れると、コンピュータ画面にはこんなふうに表示された。
 「あなたは体重一八四ポンドです。離婚歴があり、シカゴに向かうところですね}
 ミルグロムは男にたずねた。
 「あなたは離婚歴がありますか? シカゴに行かれるんですか?」
 「そうですよ」男は答えた。ミルグロムは驚き、頭を振った。
 それからすぐに、また別の男がコンピュータを使った。コンピュータは答えた。
 「あなたは体重一六五ポンドです。独身で、マイアミへ向かわれるところですね」
 ミルグロムはたずねた。「失礼ですが、貴方は独身で、マイアミに行かれますか?」
 「そうだよ」男は答えた。
 ミルグロムはトイレに駆け込むと、服を着替え、サングラスをかけ、帽子を深くかぶり、シャツの襟を立てると、機会にそっと忍び寄り、コインを入れた。するとコンピュータは、こおう表示した。
 「あなたは相変わらず体重一九五ポンドです。また相変わらず既婚者で、サンディエゴに向かわれるところです。そして、マヌケ! 飛行機に乗り遅れたゾ!」(p177)

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2017年8月10日 (木)

JB62 県民ジョーク

 エスニック・ジョークと言われるものがある。ユダヤ人は金儲けがうまく、スコットランド人はケチンボで、ロシア人は酒に目がないとか、国民性をステレオタイプ化して、それをからかって笑うものである。相互に理解があれば笑っていられるが、差別や偏見だと言われるリスクがないとは言えない。
 これを国内でやる場合にも、作られたステレオタイプに、該当の県民の一定の理解がないと、笑いではなく反感をかってしまう。そのせいか「県民ジョーク」とうたった本は、今のところこれ一冊しかないようだ。

 

211 噂の県民ジョーク

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    (書名)  噂の県民ジョーク
      (著者)   千石涼太郎
      (出版者) リイド社
      (形状)    文庫
      (頁数)    189
      (出版年) 2007/04/26

・著者は北海道生まれだが、父親は名古屋人だそうだ。だから北海道と名古屋についての言及が多い。

・その県の県民性について全国レベルでの理解があるわけではない。私などはこういうジョークから逆に、この県はまわりのからこう思われているんだ、と知ることの方が多い。

(一緒に飲んだ後)
 東京人は「いきなりおごるのも失礼だよなあ。割り勘にしたら、ひとりいくらになるだろう?と考えた。
 大阪人は「なんというたら、おごってもらえるやろか?」と知恵を絞った。
 名古屋人は「なんと、お礼をいうたらええやろ?」と真剣に考えていた。(p12)

 

(買い物自慢)
 東京人は高価な服を買ったことを自慢する。
 大阪人はどれだけ値切って買ったかを自慢する。
 神戸人はいいものを安く買ったことを自慢する。
 埼玉県人は東京のどこの街のどこの店で買ったかを自慢する。(p24)

 

(ありえない話)
 富山の病院には、置き薬が常備されている。
 京都の人は東京都を、「ひがしきょうと」と読む。
 岐阜の学校では鵜飼いの授業がある。
 鳥取はいずれ全域が砂丘になる。
 東日本には小豆島を「あずきじま」だと思っている人がいる。
 北海道や沖縄に行くことを「海外旅行」という人がいる。
 岡山では男の子が生まれると「名前は桃太郎にしろ!」といわれる。
 冬の北海道で立ちションすると、そのまま凍る。(p60)

 

(思わぬ臨時収入があったら 四国篇)
 愛媛県人はあれこれ考えることなく、「やったー!」といって、欲しかったものを会に出かける。
 香川県人は「ありがたいことだ」といって貯金する。
 徳島県人は「こりゃよかった」と、そのお金を増やす算段をとる。
 高知県人は「よっしゃー、乾杯じゃ!」といって、すぐに飲んでしまう。(p22)

 

(思わぬ臨時収入があったら 東北篇)
 青森の人は「いがっだな」というだけですくには動かない。
 岩手の人は黙っているのでわからない。
 秋田の人はひとしきりはしゃいで、買い物に行き、お酒を買って帰ってくる。
 山形の人は芋煮を作ってお祝いをする。
 宮城の人はお金を持って東京に出かける。
 福島の人は家訓に沿って使い道を決める。(p70)

 

 

 

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2017年8月 7日 (月)

JB61 笑点ジョーク集

 テレビの「笑点」を題材にした本はたくさん出ているが、「ジョーク集」と銘打ったのはこれしかなさそうなので、これだけ取り上げる。

210 笑点ジョーク集

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    (書名)  笑点ジョーク集
      (著者)   新野隆司
      (出版者) 日本テレビ
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    234
      (出版年) 1982/12/27

・替え句などを「パロディ・ジョーク」、子供が出てくるものを「チャイルド・ジョーク」などと分類しているが、要するに大喜利をまとめたものである。

・こうして活字にしてまとめて読んでみるとそれほどおもしろく感じられないものも、テレビ放映時にはドッと受けたりしたんだろうなと思われる。笑いの演芸は瞬間瞬間が勝負だ。
 特に時事ネタとか、そのときの流行をネタにしたものはすぐに古びる。
 この本の発行は1982年。「スター無理問答」に出てくる名前がなつかしい。

トヨタの車に乗っても、マツダ聖子とはこれ如何に?
マツダの車に乗ってもカローライン洋子というが如し!

ギャンブルで負けても、新太郎とはこれ如何に?
勝っても 栗原小マケと言うが如し!

早く寝ても武田テツヤとはこれ如何に?
昼間仕事をしても佐々木シンヤと言うが如し!(p84)

・立川談志が司会をしていたころはかなり過激なネタがあったが、この本は三波伸介が司会をしていたころの本なので、わりとおとなしめである。

 

運動会 一等賞 二等賞 三等賞

▽スキーヤーの運動会
  一等 スキーウェア
  二等 スキー靴
  三等 松葉づえ

▽宝石商の運動会
  一等 ねこめ石
  二等 トルコ石
  三等 つけ物石

▽コンピュータ会社の運動会
  一等 オフコン
  二等 パソコン
  三等 レンコン(p100)

 

花見都々逸

▽仕立屋さんが お花見すれば
    ミゴロはピタリ 決まります

▽利息係が お花見すれば
    一分の違いで 大さわぎ

▽一週間続けて お花見すれば
    きっと会社を クビになる

 

 

 

 

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2017年7月31日 (月)

JB60 航空英語とゴルフ英語ジョーク

 航空英語とゴルフ英語に特に関係はないが、この二冊が学生社からシリーズのように出されているのでセットで紹介する。

208 航空英語とジョーク

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    (書名)  航空英語とジョーク
      (著者)   舟津 良行
      (出版者) 学生社
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    203
      (出版年) 1995/12/01

・内容紹介は、「思いがけず楽しい飛行機(航空)英語のジョークや言葉遊びから海外旅行、国際会議、航空管制の英語、航空用語・略字、エアライン・コード等最前線で使われている誰でも知っておきたい航空英語。」と書かれているが、その中のジョークの章だけしか読んでいない。

・60年前の客室乗務員の心得として次のような注意が掲げられていたという。この本の発行がほぼ20年前だから80年前というと1930年~40年代。

* Warn passengers against throwing cigarettes and cigar butts out of the window … particulary over populated areas.(p57)

* Keep an eye on passengers when they go to the lavatory. Be sure they do not go through the exit.(p57)

 この本に解説はあるが訳はないので拙訳をつけておく。これは本当だろうか?

* 乗客にタバコや葉巻の吸い殻を窓の外へ投げ捨てないよう注意すること――特に市街地の上空では。
* 乗客が手洗いへ行こうとしたら要注意。出口から出てしまわないよう確認すること。

 

* 機長のアナウンス(good news, bad news のパターンの一例)
 Bad news: We have a hijacker aboard the plane.
  Good news: He wants to go to the French Riviera.(p61)

拙訳
機長のアナウンス
「悪いニュース、この飛行機はハイジャックされました」
「良いニュース、犯人はフランスのリヴィエラへ行けと言ってます」

 

209 ゴルフ英語とジョーク

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    (書名)  ゴルフ英語とジョーク
      (著者)   小牟田 康彦
      (出版者) 学生社
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    221
      (出版年) 1996/06/10

・内容紹介は「読むだけでも面白く、役に立つゴルフ英会話とジョーク。外国でのプレーや外国人とのプレーで会話がはずむ。」
 ゴルフには興味がないので、ジョークの部分しか読んでいない。

The lady golfer was a determined, if not very proficient player. At each swipe she made at the ball earth flew in all directions. "Gracious me," she exclaimed red-faced to her caddie, "the worms will think there's an earthquake."
"I don't know," replied the caddie, "the worms round here are very clever.
I'll bet most of them are hiding underneath the ball for safety."

 このご婦人は、あまりお上手とはいえないかもしれないが、熱心なゴルファーでした。ご婦人がボールめがけてエイヤッと振り回す度に、芝土が四方へ飛び散っていきました。「あら、どうしましょう」ご婦人は赤面しつつキャディーに言いました。「きっと地虫は地震だと思うわね」
 「どうですかね」と、キャディーは答えました。「ここらの虫は、頭いいっすからね。危ないから、ほとんどの虫はボールの下に隠れてると思いますよ」(p120)

 

 

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2017年7月27日 (木)

JB59 台湾のジョーク

  台湾のジョーク関連本というのは珍しい、と思ったらこれはジョーク集ともエッセイ集ともいいにくい、聞き書き集のようなものだった。
 カバーのタイトルは「奇抜なジョーク・エッセイ集」となっているが、本体の方は「奇抜なジョーク集」となっているので、このリストはそちらを採用した。

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    (書名)  奇抜なジョーク集
      (著者)   張文山
      (出版者) 創意力文化事業有限公司
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    209
      (出版年) 1994/09

・創意力文化事業有限公司は台湾台北の会社だが、日本語で印刷されている。

・著者は昭和8年台湾生まれで国民学校を経て旧制工業学校在学中に終戦を迎えたという。いわゆる本省人で、蒋介石に率いられた外省人に対するうらみのようなものが散見される。

・小話のようなものと著者の体験・聞き書き・思い出話のようなものが混在している。ジョーク集とはいいにくい。自費出版のようなものではないかと思われる。

敗戦将軍にシャバの風は冷たい
 蔣介石が国共内戦に敗れる前、新聞の見出しは、
”蔣大総統、共匪と激戦す”
とあり、共産軍が雪崩の如き勢いで、長江を越えて国民党軍に圧勝すると、見出しに変化が現れ、
”蔣総司令官、苦戦す”
となり、次いで大陸を全面的に失うや、新聞の見出しは、一気に、
”蔣介石、命からがら、夫人と共に台湾へ逃亡す”
となった。(p20)

 

敵愾心
 緒方良庵は、頑固な漢方医者だった。
 彼は、明治と新しく世の中が変わっていくにつれ、西洋医術がどんどん伸びて来るのを、にがにがしく思っていた。
 或る日、良庵は往診の帰り、あやまって崖から転げ落ちて、足を一本折った。
 村人は、早速彼を最寄りの西洋医の病院へ運んで行き、手あてを受けさせた。
 病院の医者は、良庵の足に適切な処置をし、薬をくれた。
 自宅に運ばれて帰った良庵に、村人はこうきいた。
「先生、足が折れたというのに、その治療中、あんたは、ひとつもうめき声を上げなかった。
 なんで、その痛みに耐えられたのか、私どもは、みな不思議に思っとるのです。
 なぜですか?」
ときいた。
 すると、良庵は胸を張って答えた。
「まさかお前たちは、ワシがあんな西洋医学のヤブ医者に、折れた方の足を差し出して、治療をさせるとでも思っとるのかね?」(p104)

歳月はニセ物もホン物に変える?
 台北のある骨董品店に、次の様な広告が店頭に貼ってあった。

一、当店の全骨董品は、百分の二十が本物で、百分の八十が贋物です。
 如何にその二割しかない本物を掘り当てて行くかは、お客様の手腕――鑑識眼にかかっており、それはまたお客様が一朝にして、富豪の仲間入りをするか、しないかの境目にあります。
 従って、当店はあくまでもお客様が、その掘り出し物によって、一日も早く富豪になられる様、祈るとともに、協力を惜しみません。
二、これにより、お客様が幸運を摑まえた暁には、決して当店のことをお忘れなく、今後とも益ます御贔屓のほどよろしくお願い致します。
三、だが、若し、運悪くニセ物をお求めになられたとしても、失望することなく、それな俗に言う”旅のお笑い草”と思って、そのタカラを大事に、お宅の床の間にでも飾っておきましょう。
 幾十、幾百年かの星霜を経た後、そのニセ物も”浮世”という複雑怪奇な人間世界の塵を吸い取り、ホン物の骨董品として、何時の間にかその真価を身につけるは必定、貴方の子孫にとっても、かけがえのないタカラと衣がえすることは、後世の人々が必らず証明してくれることでありましょう。             店主敬白(p174)

 

・ジョークとは言いがたいが、こんな話も載っている。長いが全部引用しておく。

この道はいつか来た道
 戦後間もなくのことである。
 神国日本が敗退したので、国府は、その後を受けて、台湾の新統治者となっった。
 だが治政は乱れ、台湾派蜂の巣をつついた様な騒ぎとなり、人々は、この前後二つの政府に、バラ色の夢を託したことを悔いた。
 働けど、働けど、そのくらしが猶楽にならざるとき、人々はジーッと手をみる外に、神仏という、唯一の庇護所を求めたのである。
 斯くして、寺廟は盛え、神様業者は、”わが世の春”を謳歌するに至った。

 そのアリサマをみて、アルコトを思いついた、シタタカな男がいた。
 そのとき、彼は辺鄙な或る地方の一郡長であった。
 彼は、人々が寺廟に明け暮れている時、彼が役所の集会所の奧に、一段と輝く神棚をつくり、その中に、恐れ多くも、蔣介石(オカミ)の銅像を安置したのである!
 それからの郡長は、人が変わった様に、その神格化せる銅像を、朝夕拝む様になった……。
 彼の敬虔な姿を見たその地方の特務たちは、感動し、部長の忠誠心を国府(おかみ)に報告……。
 ほどなく、
「誠に殊勝の至りである……」
とて、雲上からオゴソカナ声がかかり、郡長は異例の昇進を遂げたという。

 P.S.
 それから二十年がたち、そのシタタカな男(ヤツ)を訪問した日本のフリーライターに、かつての郡長、今は部長(大臣)席にフンゾリ返っているその人は、イタズラッポク片目をウインクしながらいった。
「ハイ……
 歴史は繰り返される、といい、
 この道はいつか来た道、
 デスカラネ……」
と、傍(そば)に置いてある金庫から、大事そうに桐の箱を一つ取り出すと、
「わたしは、戦前、この箱の中に入っている人の御神影を,朝夕拝んで、当時の特攻から、格別に目をかけて貰った経験を活かしたまでです」
といって、未だに汚れのない、昭和天皇の写真を、一枚取り出して見せてくれた。(p179)

 

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2017年7月20日 (木)

JB58  「ジョーク世界一」2

 天馬龍行の「ジョーク世界一」シリーズの追加。前にJB03 『ジョーク世界一』で紹介したのは、次の4冊。
 4 『ジョーク世界一』
 5 『続・ジョーク世界一』
 6 『決定版!ジョーク世界一』
 7 『これが本当のジョーク世界一』

206 新ジョーク世界一

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    (書名)  新ジョーク世界一
      (著者)   天馬龍行
      (出版者) アカデミー出版
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    267
      (出版年) 2016/03/20

・帯に「大好評の「ジョーク世界一」の第1弾と第2弾を選んで合冊!新作も加えて「新ジョーク世界一」に」とある。比較検証してないので、新作がどの程度含まれているのかはわからない。

 

歴史
 歴史の苦手な鈴木くんは日本史のテストの最初の問題を見てニヤリ。問いのいわく、”自分の好きな時代を選び、その時代における海外貿易の状況をできるだけ詳しく述べなさい”
 それに対して鈴木くんはすらすらと答えを綴った。
”新石器時代。貿易はなかったものと考えられる”(p106)

きみの話も聞こう
 売れっ子の俳優がパーティで旧友に出会い、最近の自分の作品について語りだした。
「いやあ、作品は大成功だった。おかげでおれの人気も上がりっぱなしさ。今度批評を読んでみてくれ、おれのことを天下の名優だなんて褒め称えていたぜ。今はアカデミー賞にノミネートされていて、次の号のタイム誌におれの顔写真が載ることになっている」
 一瞬間を置いてから、俳優氏は続けた。
「おっと失礼、おれのことばかり話しちゃって。きみの話も聞かせてくれよ。おれのこの成功をどう思う?」(p113)

絶妙なタイミング
 銀行の支店に二人組の強盗が押し入った。強盗の一人は金庫に直行して金庫番に銃を突きつけ、もう一人は、客や行員たちを一列に並ばせて皆の財布を取り上げていった。その列に並ばされた行員の一人が後ろ手で横の行員に何かを握らせた。
「なんだい、これは?」
「あんたに借りていた百ドルだよ」(p111)

 

大な方針
 社長が新入社員たちに会社の方針を説明していた。
「わが社は就業時間に寛大です。いちいち細かいことは言いません。朝九時前なら何時に出社してもいいし、午後五時過ぎなら何時に帰ってもかまいません」(p123)

 

 

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2017年7月10日 (月)

JB57 ドイツのジョーク2

 今回は「ジョークで学ぶドイツ語」。ドイツ語学習のための副読本である。
 ドイツのジョーク集については、以下の5冊を前に紹介している。
 14 ドイツ・ジョーク集JB05 実日国別ジョーク集2/3
 135 ヒトラー・ジョークJB32  ドイツのジョーク
 136 ドイツのジョークJB32  ドイツのジョーク
 137 ドイツ人のバカ笑いJB32  ドイツのジョーク
 138 ドイツ産ジョーク集888(ワッハッハ)JB32  ドイツのジョーク

205 ジョークで学ぶドイツ語

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    (書名)  ジョークで学ぶドイツ語
           ドイツを楽しむ22のテーマ
      (著者)   押野洋
      (出版者) 三修社
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    189
      (出版年) 2004/07/15

・これは左右対照ではなく、ドイツ語、日本語訳、語注にときどき解説が入る。活字が小さいので、頁数はすくないが、けっこう中身はある。

・ドイツ語もわからないので、日本語訳を読んだだけ。下ネタ系はほとんどない。

ゲーテハウス(仮題)
 フランクフルトにあるゲーテハウスで、でしゃばりの訪問者がゲーテの椅子に腰掛けた。「ちょっと、あなたは詩人のお気に入りの椅子に座っていますよ」と案内係が言った。「それがどうしました。彼が来たらすぐに立ちますよ」(p109)

・ヘルムート・コールは、最近亡くなったことがニュースになっていた。首相として東西ドイツの統一を成し遂げた政治家である。
 非常な巨漢で、その体重は冗談で国家機密と言われていたそうだ。 

コール首相のダイエット(仮題)
 ヘルムート・コールにはどんなダイエットも効果がないようだった。そこで彼の主治医が、元皇帝のヴイルヘルムⅡ世のように木を切り倒してまきを割ることを勧めた。コールは、それを使えば1時間で12本の木を切り倒せる電動のこぎりを買った。コールは最初の1時間で2本しか切り倒せず、次の1時間では大いに頑張ったにもかかわらず1本だけだった。彼は電動のこぎりを店に持っていって苦情を述べた。「ちょっと見てみましょう」と店員は言う。「ガソリンは入ってる、チェーンはきちんと張られてる、刃も問題ない」彼はモーターを始動させた。その時コールは尋ねた。「おやまあ、これはなんの騒音だ?」(p127)

→つまりエンジンをかけずに手動で木を切っていた、ということ。ダイエットには効果ありそうだ。「電動のこぎり」に「ガソリン」はちょっと不審だけれど、ともかく手動のこぎりではないということだ。

ハリネズミ
 ハリネズミの子供が温室で迷子になってしまい、必死で家路を探している。サボテンにぶつかるたびに、期待を抱いて叫ぶ。「ママ、ママなの?」(p138)

銀行員魂(仮題)
 銀行員は金をビニール袋に詰め込みながら、銀行強盗に言った。「ところで、もしわたしがあなたの立場ならこのような大金を持って通りを歩き回ることはしないでしょう。ぜひわたしどものところで口座をひらいてください。(p165)

 

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2017年7月 6日 (木)

JB56 イタリアのジョーク2

 イタリアのジョークの本はめずらしい。これまでに紹介したのは、
15 イタリア・ジョーク集JB05 実日国別ジョーク集2/3
139 トッティ王子のちょっぴしおバカな笑い話JB33 イタリアのジョーク
140 抱腹!! イタリアン・ジョークJB33 イタリアのジョーク
の3冊だけだった。
 4冊目が見つかったので報告する。これはジョークをイタリア語と日本語を左右対照で収録している。つまりイタリア語学習用の副読本である。わたしが読んだのは右側の日本語訳だけ。

204 笑いやーもイタリアー語(の)

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    (書名)  笑いやーもイタリアー語(の)
      (著者)   高岡靖
      (出版者) 東洋書店
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    244
      (出版年) 2008/03/25

・タイトルは「わらいやーも いたりあーの」とイタリア語風に読めということらしい。

・左頁にイタリア語でジョーク。右頁に日本語訳と笑いどころの解説と語句の注釈がついている。

・イタリア語の語呂合わせによるジョークがけっこうある。解説を読めばなるほどとは思うが、やっぱり笑うところまではいかない。

・第5章は「トッティ笑話集から」となっている。サッカー選手トッティは、イタリアではおバカタレントでもあったようだ。

キリストがピノッキオに
 イエス・キリストとサンピエトロが天国を散策していると見知らぬ人たちが行き来している。その中できわめて高齢の一人に質問する。
――そのお年寄りのあなた、どんな善行をして天国に来ることができたのかね?
――わたしはジュゼッペといいます。生涯、大工として堅実な時を送りました。息子がいつの間にかできたが、彼はやがて私の下を去り世界に飛び立っていきました。私はひとりぼっちになりましたが、いつか彼と再会できるとの希望を持っています。
 キリストは考える。
――ウーン、大工か、名前がジュゼッペ、子供ができたが出生がよくわからない…。
 すると突然、叫び声をあげて、
――パパ-(お父さん)!!!
――オー、お前はピノッキオかー!!!(p21)

→ジュゼッペはヨゼフ、ジョゼフと同じで、マリア様の旦那様の名前。ピノキオを作ったのは「ゼペット爺さん」と記憶しているが、この名前もジュゼッペからきているらしい。

 

モーゼの十戒
 司祭が日曜の説教でモーゼの十戒について講釈している。第4項「盗みをしてはならない」に触れると、一列目の小柄な男が急にソワソワし始めたのをみとめた。第7項「不倫をしてはいけない」というと男は急にホッとしたように微笑んだ司祭はミサが終わるとその男に近づき、先ほどの不思議な行動について尋ねた。男はきまり悪そうな笑いをしながら、次のように答えた。
――貴方が第4項のお話しをされた時、私は傘がないのに急に気づきました。こんどは貴方が「不倫をしてはいけない」と言われたとき、どこに傘を忘れてきたかを思い出したのです。(p27)

 

新生ベネチア
 一人のイタリア人が30年以上の長い冬眠からさめる。これを祝うためベネチアへ旅行に出かけた。着くと、驚いたことに、町は完全に清掃され巡回船は定期的に運航され、ネズミもいない。主なモニュメントは修復され人々も以前より親切だし鳩たちも食べ物を食い散らかさない。
 きれいに清掃されたバールに入りコーヒーを注文する。飲んだ後バーマンに勘定を頼むと、――5マルクです、との返事だ。(p185)

→EUができる前のジョーク。冬眠からさめたら町はすっかりきれいになっていた。これはイタリアではない。ドイツに統合されたにちがいない、というジョーク。

 

手相占い師
 少し以前に、死体安置所ですべての死体の左手が消えていたことがあった。
 市長が捜査を命じると犯人がわかった。一人の柔和な雰囲気の老婆であった。
――あたしは手相占い師をしていたけど、今は年金生活者なの。でも何か読まないと夜、寝付けないの、と言い訳をする。(p217)

 

 

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2017年7月 3日 (月)

JB55 開高健のジョーク本

 開高健はわたしの大好きな作家である。釣りや食に関する紀行やエッセイにはよく現地仕込みだというジョークが紹介されていた。
 年表を見ると亡くなったのは1989年。もう28年もたつのか。
 

202 食卓は笑う

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    (書名)  食卓は笑う
      (著者)   開高健
      (出版者) 新潮社
      (形状)    新書判ハードカバー
      (頁数)    137
      (出版年) 1982/12/01

・サントリーの新聞広告に連載されたジョークをまとめたもの。開高のエッセイにジョークをはめこむかたちになっている。

ほんのひとひねり
 パリで。
 ある夜、私がキャフェの椅子にすわってチビチビやっているところへたくましい若者がやってきて力自慢をする。レモンを一個とりあげ、前身の力をこめ、額に青筋をたて、歯を食いしばってにぎりしめるのである。ジュースがサッとほとばしるのを見て私は感動し、兄さん、お仕事は何を、とたずねると、若者は誇らしげに、オレは市場の労働者だがときどきジムへいってボディービルをしているのさと答える。そこへ一人の老人がヨチヨチと寄ってくる。咳はゴンゴン、喉はゼイゼイの御老体。それがブルブルふるえる指をのばし、ムッシュー、ちょっと失礼しますといって例のレモンをとりあげ、指先でホンのかるくひとひねりひねったら、ジュースがザッと、最後の一滴までほとばしり、レモンはカラカラの干物みたいになる。若者と私が仰天し、異口同音に、お父さん、仕事は何してんのとたずねたら、老人はハニかんで、うなだれ、低い低い声で、イエ、なに、私ちょっと税務署に関係してますんでと、答えた。(p92)

・次は1967年の第三次中東戦争を題材にしたもの。イスラエルとエジプトなどアラブ諸国との間で行われ、たった六日間でイスラエルが一方的に勝利したので六日間戦争とも呼ばれる。
 アラブ側の敗戦の原因の一つに、エジプトではナセル大統領がロシア人の軍事顧問団をおいていたことがあるという。

沙漠の雪
 敗報また敗報でガマル・ナセルがカイロでガックリしているところへロシア人がやってきて、やさしく肩をたたいて励ましたという。「同志ガマルチク。絶望してはいけません。絶望する必要もありません。忍耐です。待つことです。待てばそのうち冬になる。冬になると雪が降る。そうなりゃこっちのもんです。われらは経験豊富ですぞ。ネヴァー・ギヴ・アップですテ」(p111)

・開高は『ベトナム戦記』の著者でもある。次のような記載もある。

 嘲罵の笑いを赤い笑いと呼ぶ。絶望のあげくの笑いを黒い笑いと呼ぶ。してみれば、つぎの挿話は一九六四年末に私がホーチミンで聞いたディ・ファクト・ストーリー(事実談)であって、まさに現実に発生したことであったが、もしこれにひとかけらの笑いがあるとすれば、どんな色をつけたらよろしいか。

 その年の末近く、南ヴェトナムの港町のダナン。早朝、薄い靄のたち迷う時刻にアメリカ人のMP(憲兵)がジープでパトロールをしていると、川岸に棺桶が一つおいてあった。この国の棺桶は白木ではなくて、黄や赤や緑に塗られてたいそうにぎやかで、目立ちやすい。MPがなにげなく拠っていって棺の蓋をこじあけたら、その瞬間、爆発が起って、MPは即死してしまった。いっぽうアメリカの空軍は爆弾の先端に”クリスマス、おめでとう”とか、”なぜいけない?(ワイ・ノット)”などとペンキで描いて、せっせとジャングルに降らせていた。(p102)

 

202.1 食卓は笑う (新潮文庫)

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    (書名)  食卓は笑う
      (著者)   開高健
      (出版者) 新潮社
      (形状)    文庫
      (頁数)    140
      (出版年) 1986/08/25

202の文庫版。作者のあとがきがある。

 

203 水の上を歩く?

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    (書名)  水の上を歩く?
      (著者)   開高健島地勝彦
      (出版者) TBSブリタニカ
      (形状)    四六判ソフトカバー
      (頁数)    312
      (出版年) 1989/03/29

・「サントリークォータリー」に連載された、当時の「週刊プレイボーイ」編集長島地勝彦とのジョークをめぐる対談をまとめたもの。

・対談の中でジョークを披露しあう形になっているので、会話とジョークが混ざっていて、読むジョークとして整理されていない部分がある。
 ジョーク部分には通し番号がついていて、巻末には索引がある。

・対談の中に、開高の体調不良をうかがわせる記述が散見される。開高はこの本が刊行された年の暮れに亡くなった。けっこう無理してこの対談もこなしていたのでは、と思われる。

東アフリカの飢餓問題をさらに調査するために、アメリカ、日本、イギリス、ドイツ、フランスなど先進諸国の学者が派遣されたんです。それで山間僻地まで入って行くんだけれども、地図にものっていない村落で人喰い人種に全員つかまっちゃった。食い物がなくなってるときだし、ご馳走にありつけたというんで村中お祭り騒ぎで、焚き火をたいて大きな釜をすえ、最初のご馳走に、メガネをかけ短足ヤセギスの日本人の学者を引っぱり出した。驚いたこの先生、大声で泣いて喚いた――「どうしてオレみたいにやせっぽちで小さいのから食うんだ。あっちのドイツ人なんて、肥ってて、柔らかそうでうまそうなのに……」そしたら酋長がニンマリして――「おちつけ日本人よ。この辺りでもここんところ、日本食ブームで名……」(p48)

記事は簡潔に
 新入社員の新聞記者が、記事はできるだけ簡潔に書けと言われて、書いてきた。
「トム・スミス氏は、昨夜九時、自宅ガレージにて愛車の燃料タンクにガソリンがあるかどうかを調べるため、マッチをすってみた。あった。享年44歳」(p55)

船に乗るなら
 あるとき、チャーチルがイタリーへ行くことになった。ところが、彼はイギリスの船会社の船に乗らず、イタリーの船を予約した。まわりの連中が驚いて、なぜわが国の船を利用しないのかと訊くと、チャーチルが答えていわく――「イタリー船はまず食い物がうまい。次いで、サービスが行き届いてる。最後に、救命ボートに女子供を先に乗せろとは書いてない」(p164)

203.1 水の上を歩く? (集英社文庫)

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    (書名)  水の上を歩く?
      (著者)   開高健島地勝彦
      (出版者) TBSブリタニカ
      (形状)    文庫
      (頁数)    320
      (出版年) 1993/01/25

203の文庫版。

・巻末に島地勝彦の「開高健――研ぎ澄まされた哄笑」と題する回想文がある。

※以下おまけ。作家になる前、開高健が編集していた壽屋のPR雑紙「洋酒天国」をまとめた本の文庫本判。ジョークも少しある。

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