ジョークの本

2018年1月25日 (木)

JB75 ユダヤのジョーク3

 ユダヤのジョーク続き。

224 ユダヤ人5000年のユーモア

5000
    (書名) ユダヤ人5000年のユーモア
      (著者) ラビ・M・トケイヤー
          助川明 訳
      (出版者) 日本文芸社
      (形状)     四六判ソフトカバー
      (頁数)    252
      (出版年)  1998/05/25

・ラビ・M・トケイヤーは、8『ユダヤ・ジョーク集』(実業之日本社、1073)の著者でもあるが、この本はまた別の本。
 訳者の助川明は加瀬英明のペンネーム。
 始めにユダヤ人の笑いについて簡単な解説があり、ジョークのそれぞれにユダヤ人はこうなんだと説明する題がついている。

十戒がユダヤ人に与えられた理由(わけ)
 長老のラビと、若いラビが『天主の十戒』について、議論していた。
『天主の十戒』は、『モーセの十戒』としても知られている。「選ばれた民」であるユダヤ民族に、とくに授けられたものだ。
 聖書によると、神は『天主の十戒』を二枚の石板に刻んで与えた。
「なぜ、神は一枚ですむのに、二枚に分けたのでしょうか?」
 と若いラビが尋ねた。
「それは、神がまずドイツ民族に、『汝ら、殺すなかれ』と書かれた一枚目を授けたのだ。よころが、ドイツ人はそれを無視した。だから、神はドイツ人から取り上げた」
「それで、二枚目は?」
「神はフランス民族に、『汝ら、姦淫するなかれ』と刻まれた二枚目の石板を授けた。ところが、フランス人はそれを無視した。そこで、神は無駄にしてはならないので、フランス人から取り戻した」
「わかりました。『汝ら盗むなかれ』という警告が刻まれたほうの一枚目の板は、台湾人に授けようとしたけれど、時計や、カバンや、運動靴のコピー商品をつくるのに忙しいから、やはり無視されてしまったのでしょう?」
「そうだ。神は日本民族に『安息日は働いてはならない』と刻まれた二枚目の板を渡そうとしたが、断られた」
「だけど、そうすると、どうして、われわれユダヤ民族は二枚とも受け取って、もっとも聖なる戒めとして、後世大事に崇めてきたのでしょうか?」
「神はユダヤ人に、『十戒』があるが欲しいか、と尋ねた。すると、ユダヤ人が『いったい、それはいくらするのですか?』と尋(き)いた。神が『タダだ』というと、『それだったら、ぜひ二つともほしい』と言った。(p61)

ユダヤ人は破産しても、失う友人を半分にとどめる
「破産したら、友達を半分失ってしまったよ」
「で、残りの半分は?」
「おれが破産したとこをまだ知らないんだ」(p106)

ユダヤ人は物もちがいい
 ケチ「この傘を、もう二十年も使っているのだ」
 友人{それだったら、もうそろそろ返したほうがいいよ」(p110)

・この本に収録されたジョークには、前回紹介した(JB74 ユダヤのジョーク2)ハルペン・ジャックの「223 とっておきのユダヤジョーク」と相当数がダブっている。ユダヤ人の間ではよほぢ知られているか、ネタ本が同じだったのだろう。

ユダヤ人は仲間意識が強い
 この話は、ちょっと英語がわからなければ、おかしさが、わからない。
 ヒューヨークのマンハッタンの混雑したバーで、バーテンの背後にあるテレビにキッシンジャー(元アメリカ大統領補佐官)がうつった。
 マーティンはユダヤ人だった。キッシンジャーの顔を見て、
「あれは、われわれの一人だ!」
 と、得意になって叫んだ。
 隣の客が、
「われわれとは、どういうことかい?」
 と尋ねた。
「われわれユダヤ人の一人、といいうことさ」
 マーティンが答えた。
 スポーツのニュースに変わった。すると、ブルックリン・ドジャースの投手のサンディ・コウファックスが登場した。マーティンが再び歓声をあげた。
「あれも、われわれの一人だ!」
 隣の客がうなずいた。
 つぎに芸能ニュースになって、解説者のビバリー・シルスが登場した。
 マーティンはまた派手な歓声をあげた。
「彼女も、われわれの一人だ! 
 隣席の客は、もう、うんざりして、
「ジーザス・クライスト!(英語で「イエス・キリスト」だが、「なんてことだ」の意味でも使われる) いい加減にしてくれないか!」
 と言った。
 すると、マーティンが、
「その男もわれわれの一人だ!」
 と叫んだ。
(キリストはユダヤ人である)(p154)

 

225 決定版ユダヤ・ジョーク集

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    (書名) 決定版ユダヤ・ジョーク集
      (著者)  ラビ・マービン・トケイヤー
           加瀬英明 訳
      (出版者) 実業之日本社
      (形状)   新書(じっぴコンパクト)
      (頁数)    190
      (出版年)  2007/07/30

・この本は上記224でも紹介した『ユダヤ・ジョーク集』(実業之日本社、1973)を改題・再編集したものなので、特に内容には触れない。

 

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2018年1月22日 (月)

JB74 ユダヤのジョーク2

 ユダヤ・ジョークとして前に紹介した本は次のとおり。 

8 ユダヤ・ジョーク集(JB04 実日国別ジョーク集1/3)
9 続ユダヤ・ジョーク集( 同 上 )
123 ユダヤ笑話集JB30 ユダヤのジョーク
124 ユダヤの笑話と格言( 同 上 )
125 ユダヤ最高のジョーク( 同 上 )
125 ユダヤ・ジョーク集( 同 上 )
127 ユダヤ・ジョークの叡智( 同 上 )
128 頭がよくなるユダヤ人ジョーク集( 同 上 )
129 人生最強の武器 笑い(ジョーク)の力( 同 上 )

223 とっておきのユダヤジョーク

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    (書名) とっておきのユダヤジョーク
                    ユダヤ人と日本人の文化にみる違い

      (著者)  ハルペン・ジャック
      (出版者) KKベストセラーズ
      (形状)    文庫
      (頁数)    270
      (出版年)  1992/09/05

・ハルペン・ジャック(日本語:春遍雀來、英語:Jack Halpern)は、イスラエル国籍の言語学者、辞典編纂者ということだ。

・ユダヤジョークはユダヤ人自身をを笑ってみせるが、これは自分たちへの自信があるからこそのゆとりだろう。

ユダヤ人に豚を食わす法
 ある日、ヘブライ語を教えているユダヤ人の先生が、キリスト教の友人の家に招待された。ちょうど夕食前で、友人はすごいごちそうを運ばせていた。
「さあさあ、こっちに座って。遠慮せずにどんどん食べてくれ」
 ところが、その料理はユダヤ教で禁じられてているものだった。
「すまないが、ユダヤ教で認められたコーシャ(適正な)料理でないとだめなんだ。気持ちだけいただいとくよ」
「なんだ。それは残念だな」
 しばらくして、ジュウジュウ脂がしたたり落ちる焼き豚のかたまりが運ばれてきた。うまそうな匂いで、ヘブライ語の先生は頭がクラクラした。
「さあ、先生、食べてくれ。この豚はうまいよー。それに、海老のむき身もたくさんあるから、遠慮せずに、ささ、どうぞどうぞ」
 先生はよだれが出そうだったが、こらえにこらえて、
「うーん。で、でも、豚もエビもやっぱりだめなんだ」
 友人はがっかりした。
「へえ、厳しい宗教だなあ。でもそんなこと言ってもし無人島にでも不時着したら、あれはコーシャだこれはコーシャじゃないなんて言ってられないぜ。そんな時、禁じられてる食べ物しかなかったからどうするつもりだ」
「その時は平気だよ。生きるか死ぬかって時は何でも食べていいことになってる」
 このとき友人の頭に、ある残酷な考えがひらめいた。ヒヒヒと笑うと、鉄砲を持ち出してきて先生の鼻の頭に銃口を突きつけ、ものすごい形相で怒鳴った。
「やい! 豚を食え! 食わないとドタマ吹き飛ばすぞ!!」
 先生は顔面蒼白。ぶるぶる震えが止まらない。
「た、た、た、食べ、食べるよ」
 先生が焼き豚を食べ始めると友人はニヤリと笑い、
「ハッハッハッ! 冗談だよ冗談! 生きるか死ぬかって時なら豚を食べるかと思ってね! 先生、怒らない、怒らない」
 先生はフーッとためいきをついた。
「いや、怒らんよ。でも今度そんな悪い冗談をやるなら、焼き豚がまだ温かいうちにしてくれよ」(p78)

・この本は1992年の刊行。現在の感覚では人種差別と言うしかないジョークも収められている。次第にこういうジョークは表に出なくなるだろうが、この頃にはまだこういうジョークがそれほどとがめられることはなかったのだ。

子だくさん
 イスラエルのイエメン人移民者には子供が多い。なにしろ一家族に一二、三人の子供がいるというから、実に子だくさんである。
 ある時イエメン人夫婦が街を散歩していたが、後ろをゾロゾロついてくる子供たちの一群の一人が道ばたの溝に落ちてしまった。
 夫が言った。
「おい拾おうか、でもまた一人作ればいいかな」(p100)

 

ジプシー料理
 昔のジプシー料理を記した古書物は、オムレツの作り方についてこう書き出している。
「まず卵を二つ盗み……」(p102)

・「ユダヤジョーク集」の看板を掲げながら、大半は「アメリカンジョーク集」と変わらない本も多いけれど、この本はユダヤ色にこだわっているように見受けられる。

宗教戦争
 ラビと神父が、ユダヤ教とキリスト教が科学にどれだけ貢献したかで議論していた。
「ラビのぉ、あんたにはすまないが、科学は明らかにキリスト教から始まったんだ」
 と神父が言うと、
「なぜだ?」
 とラビ。
「最近、ローマ帝国時代のカタコームがまた一つ発見されたんだ。そう、信者たちが知己に隠れて神に祈ったところさ。ところが考古学者が調べたら、なんとそこで電線が見つかったんだよ。二千年前だよ! キリスト教の信者は二千年も前に電信を発明していたんだ!」
 ラビは平気な顔をしている。
「なんだ、たいしたことないや。死海の近くの穴ぐらからユダヤ教典がザクザク出てきた時なんか、底まで一五メートル掘っても電線も何も出てこなかったんだぞ」
 神父はムッとして、
「それがどうした」
 と聞いた。ラビは、
「ローマ時代のはるか昔に、ユダヤ教徒は無線を発明してたんだ!」(p160)

陛下の命令
 一八九一年、ロシア皇帝は勅令を布告、ユダヤ人はモスクワより追放すべしとした。
 この布告のため、一人のユダヤ人が汽車に乗ってモスクワを追い出される所だったが、彼はなんと一番豪華な客室に乗っていた。車掌がやってきていちゃもんをつけた。
「この客室は、ある将軍様がすでに御予約済みでございます。皇帝陛下の御命令でモスクワを離れるそうです」
 ユダヤ人は、
「その将軍に言うたれ! わしだって皇帝陛下の命令でモスクワを離れるんだとな」(p181)

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2018年1月18日 (木)

JB73 アメリカンジョーク2

 前にアメリカのジョークという分類で取り上げたのは、
019 アメリカ・ジョーク集(JB05 実日国別ジョーク集2/3)
044 アメリカほら話JB10 世界ユーモア文学全集別巻
152 アメリカ小話集JB37 アメリカン・ジョーク
153 アメリカン・ジョークの世界( 同上 )
154 WHERE'S THE JOKE?( 同上 )
155 世界がわかるアメリカ・ジョーク集( 同上 )
156 アメリカの大統領はなぜジョークを言うのか( 同上 )
の7冊だが、「英語のジョーク」の分類のものの大半はアメリカンジョークで、その他の分類のものも翻訳物はほとんどがアメリカ経由のアメリカンジョークと言っていい。だからこの「アメリカ」の分類は便宜的なもので、それほど意味がないとご承知いただきたい。

222 アメリカンジョーク

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    (書名) アメリカンジョーク
                    2ちゃんねる選抜

      (著者)  2ちゃんねる新書編集部 編
      (出版者) ぶんか社
      (形状)    新書(2ちゃんねる新書)
      (頁数)    191
      (出版年)  2008/03/20

・2ちゃんねると言えば、インターネットの巨大匿名掲示板で、あれこれ物議をかもしたりもしている。その中の小分類「アメリカンジョーク」という掲示板から選んで本にしたもののようだ。

・冒頭に「「アメリカンジョーク」のお約束」が、次のように掲載されている。エスニックジョーク本の解説などにも同じようなことが書かれているが、これはわかりやすい。

【国籍についてのお約束】
日本人=卑屈・馬鹿丁寧・先端機器を持っている。
アメリカ人=独善的・戦争好き。
イギリス人=お堅い・うわべは紳士・味オンチ。
アイルランド人=粗野・お馬鹿。
スコットランド人=ケチ。
ドイツ人=田舎者・変態・無骨・酔っ払い。
ロシア人~田舎者・酔っ払い。
ユダヤ人=ケチ・金に汚い。

【女性についてのお約束】
ブロンド(金髪)=お馬鹿
ブルネット(黒髪)=知的。
レッドヘッド(赤毛)=おてんば。ブロンドほどでないがお馬鹿。

【職業についてのお約束】
牧師・法王など聖職者=ムッツリスケベ。
弁護士=人でなし・かねの亡者。
政治家=嘘つき。(冒頭、p5)

・ブロンドがどのくらいお馬鹿かというと、

「あのブロンド、AMラジオを買ったんだってな」
「ああ、午後も使えるって気づくまで一ケ月かかったらしい」(p31)

・しかし上記のようなお約束は、どうしたって差別だ偏見だと言われかねない。最近ではLGBTの権利を大切にするという動きが活発になっており、ジョークも見直さないといけなくなるだろう。

男はパブで学者と出会った。
学者は大学で論理学を教えていた。

「論理学っていうのはどんな感じの学問ですかな」
「簡単ですよ。実践してみましょう。まず、あなたは芝刈り機を持っていますか?」
「持ってもますよ」
「ということは、庭付きの一戸建てに済んでいますね?」
「はい」
「ならばあなたは既婚者だ」
「そうです。子供が2人」
「すなわち、あなたはホモではない」
「そうですね」
「こんな感じです」
「なるほど」

翌日、男は会社へ出勤し、同僚に同じような質問をしてみた。
「君は芝刈り機を持っているかい?」
「いいや」

男は言う。
「わかったぞ、お前はホモだな」(p123)

・ブッシュやクリントンなど大統領をからかっているジョークもいくつかある。下記のジョークは、名前をトランプ大統領に変えてそのまま使われていそうだ。

イラク問題などで政権が危なくなってきたブッシュ大統領が天国のリンカーンとケネディに相談しました。

ブッシュ「この難局を乗り切るにはどうすればよいでしょうか?」
リンカーン「劇場に行ってみてはどうかね?」
ケネディ「ダラスをパレードするのもいい」(p102)

・これは初代の大統領。

桜の樹の逸話で有名なワシントン。
ある日ワシントン少年は、誤ってお父さんの大切にしていた桜の木を斧で切り倒してしまいました。しかし言い訳はせず、素直にお父さんに謝りました。
「ごめんなさい、ダッド。」
お父さんにはワシントン少年を叱ることは出来ませんでした。なぜでしょうか?

なぜなら、
ワシントン少年の手には
まだ斧が握りしめられていたからです。(p106)

 

 

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2018年1月15日 (月)

JB72 ロシア・ソ連のジョーク集4

 ロシア・ソ連ののジョーク集リスト(JB70 ロシア・ソ連のジョーク集3参照)に1冊追加。

221 ロシアのジョーク集

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    (書名)ロシアのジョーク集
                   アネクドートの世界
      (著者)  さとう好明
      (出版者) 東洋書店
      (形状)     四六判ソフトカバー
           (ユーラシア選書)
      (頁数)    182
      (出版年)  2007/07/25

・著者はもと商社員としてロシア、カザフスタンで勤務していたとのことで、ロシア人の生活状況やカザフスタンの紹介、ロシアの奇人変人紹介などにそれなりのページをとっている。
 だからロシアの内情のようなことに興味のある人にはいいかもしれないが、純粋にジョーク本として楽しもうという人には、とりつきにくい。
 ロシア・マフィアの歴史を滔々と書かれても、カタカナ書きのロシアの固有名詞やロシア語が多くてなかなか頭に入らないし、ロシア語のダジャレ=語呂合わせとなると、解説されても笑えない。

・ジョークも、背景になっているロシアの歴史などをある程度知っていないとわからない。これはソ連時代のものだろう。

 地獄で党組織の改選中。長髪の髭面が推されました。理論に強いというのが推薦の理由です。その人は辞退しました。
「現時点では不適格です」
「どうして?」
「一つは、ほとんど一生海外におりましたし、二つ目は、妻は貴族の出です。第三に、私、ユダヤ人なんです」
 後ろの列から、「名前は? 名前を言え」
 髭面は、「マルクスです。カール・マルクス」(p128)

・ソ連時代もユダヤ人ジョークはあった。

 年老いたユダヤ人が臨終を迎えています。この悲しい臨終の床に友人、親戚、知人全員が集まっています。みんなに向かってこの年寄りが言うには、
「この代を去るにあたって、死ぬ前に懺悔をしたい。アブラームや、覚えているかい? 一九三六年に一〇年食らってシベリアで伐採したろう」
「もちろん、覚えているよ。忘れられるものか」
「ちくったのは俺なんだ。アブラーム、許してくれ」
「いいさ、お前から取るものなんかありはしない。許すよ」
「イサアク、覚えているかい? 一九三八年に一五年食らってウラルからマガダンまで飛ばされたろう」
「もちろんだとも、忘れようったって忘れられない」
「あれも俺がお前を売ったんだ。許してくれ」
「許すも許さないも、お前は死んでゆくが、俺らは後に残る。恨みをいつまでも覚えておく必要はない」
「みんな、最後のときは近い。どんなにおかしく思えようが、俺の最後の願いを叶えると誓ってくれ」
「もちろんだとも、叶えるよ。言ってみろ」
「窓際に俺の好きなサボテンがある。俺と同じくらい生きてきた。奴と別れることはできない。死んだら奴を俺のケツに突っ込んでくれ」
「そんなことできるものか。なんてへんてこな願いなんだ」
「誓ったはずだぜ」
 この後老人は息を引き取りました。友人たちや親戚はかれをうつぶせにして、巨大なサボテンを取って、このへんてこな願いを叶えてやりました。この瞬間、ドアのベルが鳴り、捜査令状を見せながら刑事たちが入ってきました。
「警察に、ここで年寄りのユダヤ人を死ぬまでいじめているっていう情報が入りましてね」(p126)

・上記はユダヤ人蔑視のジョーク。この手のけっこうブラックなジョークがいくつかある中で、わたしが思わずドッキリしてしまったジョークがあった。

 本邦優良映画館でご鑑賞ください。最新のホラー映画「老人ホームのロジオン・ラスコーリニコフ」です。(p91)

 ラスコーリニコフは言わずと知れたドストエフスキー『罪と罰』の主人公。選ばれた人間は生きる価値のない老婆など殺してもかまわないと殺人を犯す。それが老人ホームへ行ったら…というブラック・ジョーク。
 相模原のあの事件の後で、このジョークは笑えない。
 ジョークを笑っていられる時代がいい時代なのだ。

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2018年1月 4日 (木)

JB71 ベッカム・ジョーク

 こんな本があるとは知らなかった。デイヴィッド・ベッカム、あのサッカーのスター選手をテーマにしたジョーク・ブックである。
 
220 デイヴィッド・ベッカム ジョークブック
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    (書名)デイヴィッド・ベッカム ジョークブック
      (著者)  アダム・パーフィット
    (訳者)  白畑憲之
      (出版者) 小学館
      (形状)     文庫
      (頁数)     213
      (出版年)   2004/09/01
 
・読んでみると、これはベッカムを「おバカさん」にして楽しむジョークブックだった。ベッカムは、徹底的にものを知らない、頭のまわらない、勘違いばかりするキャラクターになっている。
 初めて飛行機でマドリードへ向かうデイヴィッドは、気圧の関係で耳がツーンとするのを防ぐにはチューインガムがいいと聞いた。無事に着陸後、かれはスチュワーデスを呼んだ。「このガム、すごくよく効いたんだけど、どうやって耳から出せばいいの?」(p44)
・しかし、どれも聞いたことのあるおバカさんジョークで、名前をベッカムに名を変えたものばかりだ。実物のベッカムには、きっと「天然」のところがあって、イギリスではそこを広く愛されているのだろう。
 JB33 イタリアのジョークで紹介した、139『トッティ王子のちょっぴしおバカな笑い話』ではフランチェスコ・トッティという人気サッカー選手が同じ扱いを受けていた。
  この本も聞いたことのあるネタの、名前を入れ替えただけの本だった。ヨーロッパではこの程度の本が売れるのかとも思うが、それだけ人気があるということでもあるのだろう。
 デイヴィッド・ベッカムがピザを1枚注文した。「6きれにお切りしましょうか、それとも8切れに?」
 「6切れのほうがいいな――8切れだと食べきれそうにないから」(p79)
 デイヴィッド・ベッカムが、古いひもを引きずりながら、街を歩いていた。ファンの一人がそれを見て、言った。「ねえ、デイヴィッド、なぜそんなひもを引きずっているんだい?」
 「だって」デイヴィッドが答えた。「押してゆくより、ずっと簡単だろ」(p121)
・日本では昔、「がんばれ!! タブチくん!!」といういしいひさいちのマンガがヒットした。おもしろかったけれど、あんまり馬鹿にされていて、ちょっと田淵がかわいそうなくらいだった。あれで田淵は一銭ももらっていないそうだ。 
 長嶋さんのジョークも有名だが、あれはジョークじゃなくて、どうも実話らしいというのが凄い。ストッキングを片足に2つ履いて、「片方が無いっ!」とか。
 
・ジョーク・ネタにされるのを怒るベッカムというジョークもあった。
 イギリスの腹話術師がマドリードにやって来て、イングリッシュ・パブで公演した。かれに気づかれないようにデイヴィッド・ベッカムも観客のなかにいたのだが、やっかいなことに、腹話術師は人形をつかって、ベッカム・ネタのジョークを次々と披露しはじめた。
 しばらくすると、デイヴィッドはがまんならなくなった。かれは立ち上がり、腹話術師をやじり始めた。「もううんざりだ。おまえみたいなやつのせいで、おれが笑いものにされているのがわからないのか? おまえがひっきりなしにしゃべっているジョークを、おれがどんなふうに感じているか、じっくり考えてみたことがあるのかよ?」
 「すみませんねえ」腹話術師が言った。「まあ、ちょっとしたお楽しみということで」
 「あんたは黙ってろ」デイヴィッドが言い返した。「おれはいま、あんたの膝のところにいるチビ野郎に話してるんだ」(p190)

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2017年10月12日 (木)

JB70 ロシア・ソ連のジョーク集3

 ロシア・ソ連のジョーク集は意外にたくさん紹介している。

17 ロシア・ジョーク集JB05 実日国別ジョーク集2/3
90 ジョーク「ロシア革命史」JB23 ロシア・ソ連のジョーク集 1/2
91 スターリン・ジョーク(      〃     ) 
92 マンガとユーモアでみるソ連(   〃     )
93 ロシアより笑いを込めて(         〃     )
94 大笑い!ソ連激烈ジョーク集JB24 ロシア・ソ連のジョーク集 2/2) 
95 ロシアのユーモア (     〃      )
96 ロシアン・ジョーク (     〃      )

 それだけロシアでは「アネクドート」と呼ばれるジョークが盛んだということだろう。さらに一冊を追加する。

 

219 頭でわからないなら尻(ケツ)で理解しろ!

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    (書名)頭でわからないなら尻(ケツ)で理解しろ!
                     爆笑ロシア・ジョーク集

      (著者)  松澤一直
      (出版者) KKベストセラーズ
      (形状)     新書
           (講談社選書メチエ)
      (頁数)     206
      (出版年)   2008/02/20

・ソ連時代のジョークから現代ロシアのジョークまで、社会情勢の解説を交えながら紹介している。

・本のタイトルは「ロシアは頭では理解できない」という有名な言葉をもじったもの。
 こんなジョークもある。

英雄の正体
 ドイツ軍の捕虜となったアメリカ人兵士とロシア人兵士が、並んで銃殺されることになった。最後の瞬間が近づいたとき、ロシア人はアメリカ人にささやいた。
 「俺の尻(ケツ)を思い切り蹴飛ばせ」
 訳がわからぬままにアメリカ人が言われたとおりにすると、ロシア人はドイツ人たちに飛びかかり、銃を奪い取ると、皆殺しにしてしまった。
 安全な場所にたどり着いたのち、アメリカ人が訊ねた。
 「なぜ尻(ケツ)を蹴飛ばせと頼んだんだ?」
 「俺たちロシア人は、誰かに尻(ケツ)を蹴飛ばしてもらわないと自分からは何もできないんだよ」(p15)

 

無理な注文
 ブレジネフがチェコスロバキアを訪問。歓迎セレモニーで国際儀礼に従い、空砲が発射された。一発目の後、二発目が鳴り響いたのを耳にした老婆が警備の警官に訊ねた。
 「あの銃声はなんだい?」
 「ソ連から共産党の書記長が来たんだよ」
 「一発目で命中させることはできなかったのかね?」(p116)

ささやかな援助
 九月一一日の参事の翌日、プーチンがブッシュに見舞いの電話をかけた。
 「ペンタゴンも被害を受けたようですね。重要な機密書類で失われたものがあったら、おっしゃってください。私どもの手元にはコピーがありますから、いつでもお送りできますよ」(p136)

・本書によれば、ソ連崩壊後に発生した、学問や教養のない民間企業の成金たちを「新ロシア人」と呼ぶそうだ。

 

知らぬが仏
 新ロシア人が宝石店に来て言った。
 「十字架型のネックレスで金の量が一番多いやつを見せてくれ」
 「こういうものがございますが?」
 「よし、これをもらおう。だけど、十字懸垂をしている体操選手の像がくっついているのはなぜなんだ?」(p156)

 

気づいてよかった!
 初めてロンドンにやって来た二人の新ロシア人が、二階建ての観光バスに乗り込んだ。
 二階に上がった一人があわてて駆け下りてきて言った。
 「おい、二階はだめだ! 運転手が乗ってないぞ!」(p157)

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2017年10月 5日 (木)

JB69 指導者たちのユーモア2

 JB25 指導者たちのユーモアで紹介した「88 『指導者たちのユーモア』(村松増美、1996、サイマル出版会)」の改訂版のような本があった。

 

218 秘伝 英語で笑わせるユーモア交渉術

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    (書名)  秘伝 英語で笑わせるユーモア交渉術
      (著者)  村松 増美
      (出版者)  日本経済新聞社 
      (形状)     文庫
      (頁数)     237
      (出版年)   2003/03/ 01

・巻末に『指導者たちのユーモア』をもとに構成し、1章は「ダイワアーク」(大和銀総合研究所)の連載「ユーモアの花束」中心にまとめたものとある。

・その第1章ではジョークを独立した小ばなしとしてではなく、文章の中に溶け込ませてある。

・ジョークではないが、英語のダジャレ。
 アメリカには今でもプロペラを手で回してスタートさせる昔の飛行機があって、そのスタートのやり方を「ヘミングウェイ・スタート(Hemingway start )」というそうだ。なぜか――プロペラを手で回してエンジンに点火した瞬間、すぐ腕を引っ込めないと「Farewell to Arms 」になるから。(p40)
 蛇足だが、”Farewell to Arms”は邦訳「武器よさらば」で、”arm” には「腕」と「「兵器」の二つの意味がある。

・トルーマン大統領の机上には"The Buck Stops Here"という銘が置いてあった。
 "buck"というのは口語で「責任」のことで、 "pass the buck to ~" は[~に責任を転嫁する」 つまり「たらいまわしもここまで」、ここで責任をとる、ということ。
 歴代の大統領のうち、政策の失敗を前任者のせいにしなかったのは、初代大統領ジョージ・ワシントンだけだったとも言われているそうだ。(p72)

 

一番大事なもの(仮題)
 天国で5人のインテリが、「人生にとって一番大事なものはなにか?」という議論をしていたと想像してください。まずモーゼが、自分の頭を指差し、「一番大事のは、ここだ」と、「つまり「理性」(reason)だと言いました。するとイエス・キリストが、「いや、モーゼよ、それは違う。一番大事なのは、ここだ」と自分の胸を指差しました。 Heart 、つまり「愛」(love)だと言ったのです。
 次にカール・マルクスが、「それは違う、大事なのはここだ」と自分の腹を指します。
「胃袋」つまり「物質主義」こそ、というわけです。次いでシグムント・フロイトです。
「みんな違う、一番大事なのは腹のそのまた下だ」と指をさします。なるほど、人間の行動のすべてを「性」の衝動で説明しようとした人でした。
 みなの意見を制して、アルバート・アインシュタイン博士が、「みな違っている。万事は[相対的]である」( You are all wrong. everything is relative.)と宣言して、議論は終わった。(p46)

 

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2017年9月28日 (木)

JB68 英語のジョーク6

 「JB43 英語のジョーク5」で紹介した「172 アメリカン・ジョークに習え!」の第二集があった。未紹介の英語学習用のジョーク本は、この他にもたくさんあるが、とりあえずこれだけ紹介する。 

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(書名) アメリカン・ジョークに習え!2
(著者)  森宗貴 訳編
(出版者) アルファポリス
(形状)    文庫
(頁数)   216
(出版年) 2007/07/20

・第一集と同じく、なかなかおもしろい。文末に「オチの解説&コメント」という、それぞれのジョークの簡単な解説もあり。

 

Silent Treatment
A man and hiz wife were having some problems at home and were giving the silent treatment.

The next week the man realized that he would need his wife to wake him at 5:00am for an early flight to Sydney. Not wanting to be the first to break the silence, he finally wrote on a piece of paper. "Please wake me at 5:00am".

The next morning the man woke up, only to discover it was 9:00am, and had missed his flight.

Furious, he was about to go and see why his wife hadn't awakened him when he noticed a piece of paper by the bed. It say "It is 5:00am,wake uo! "

だんまり合戦
夫と妻が家庭内のことでもめてしまい、お互いにだんまりを決めこんでいた。

次の週、夫は、シドニーへの早朝便に搭乗するために、どうしても妻に頼んで朝5時に起こしてもらわなければならなかった。先に沈黙を破りたくなかった夫は、紙切れに「朝5時に起こしてくれ」と書いておいた。

翌朝、夫が目を覚ますと、時計の針は9時になっていた。飛行機に乗りそこねてしまっていたのだ。

激怒した夫は、何故起こしてくれなかったのかと文句を言いに行こうとした。枕元の紙切れに気がついたのはそのときだった。そこにはこう書かれていた。「朝の5時よ、起きて!」(p14)   

 

Children
You spend the first 2 years of their life teaching them to walk and talk.

Then You spend the next 16 telling them to sit down and silent.

こども
生まれてからの2年間、親は子供に歩き方と話し方を教える。

その後の16年間は、座っておとなしくしていなさいと説教する。(p18)

 

Necessity
A man will pay $2 for a $1 item that he needs.
A woman will pay $1 for a $2 item that she doesn't need.

買い物上手
男は1ドル相当の必需品を2ドルで購入してしまう。
女は2ドル相当の不要品を1ドルで購入してしまう。(p36)

 

A Morlal Lesson
A mother was preparing pancakes for his sons, Kevin 5 and Ryan 3.
The boys began to argue over who would get the first pancake. Their mother saw the opportunitiy for a moral lesson. "If Jesus were sitting here, He would say, Let my brother have the first pancake. I can wait.

Kevin turned to his younger brother and said, "Ryan, you be Jesus."

道徳教育
母親が二人の息子たちにパンケーキを用意してあげた。ところが、5歳のケビンと3歳のライアンはどっちが先にそのパンケーキを食べるかで言い争い始めてしまった。そこで母親はここぞとばかりに道徳教育を実践した。「もし、ここにイエス様がいたら、きっと「汝の兄弟に最初にパンケーキを与えよ。われは待てり」っておっしゃるわよ」。

そこでケビンはライアンに向かって言った。「ライアン、おまえがイエス様やれ」(p154)

 

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2017年9月21日 (木)

JB67 放送作家のジョーク集2 

 「JB15 放送作家のジョーク集」で、次の三冊を紹介した。

59 ジョーカーズ・バイブル(城悠輔)
60 世界が嗤う日本のジョーク(はかま満緒)
61
 ジャパニーズジョーク辞典(吉川スミス)

 はかま満緒の本がもう一冊あったので、今回はそれを紹介する。

   

216 はかま満緒のコント笑話史

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    (書名)  はかま満緒のコント笑話史
      (著者)  はかま満緒
      (出版者) 徳間書店
      (形状)   文庫
      (頁数)    151
      (出版年)  1983/02/15

・残念ながらこの本はあまり面白くない。「笑話史」と銘打っているが、「史」の部分は見当たらない。ジョークも翻訳ネタが多そうだ。

駅にて
「往復の乗車券ください」
「どこまでです?」
「なにをとぼけてるんだ、往復だよここからここまでに決まってるはないか!」(p51)

 

デパート
「おめでとうございます。貴女が当デパートにいらした百万人目のお客さまです。ハワイ旅行へ御招待申し上げます」
「ホ、ホントですか」
「ハイ、ところで、今日は、当デパートになんのご用でおいでになったんですか」
「ハイ、もういいんです」
「そうおっしゃらずに、婦人服売り場ですか? それとも宝石売り場?」
「いえ、その……苦情係へ」(p54)

転職時代
「ちょっとあなたは転職の回数が多いようですな。うちへ来られても、またすぐやめるんじゃないでしょうね」
「はあ、その点はご心配なく、これまで私のほうからやめようと思ったことは一度もありませんので……」(p64) 

 

原因
「おじさん、村長の選挙に破れてから離婚をしたんですって?」
「お前さん、私の票数を見なかったのかい、一票しかなかったんだ!」(p110)

 

新聞
「有名人がどんどん少なくなってくねえ」
「どうして?」
「だって、いつも有名人の死亡記事が出てるが、有名人が誕生した記事は見たことないもん」(p134)

 

 

 

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2017年9月11日 (月)

JB66 悪魔の辞典3

 「JB51  悪魔の辞典2」で別役実当世悪魔の辞典』を紹介した。別役実にはもう一冊悪魔の辞典があった。

215 ことわざ悪魔の辞典

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    (書名)  ことわざ悪魔の辞典
      (著者)  別役実
      (出版者) 筑摩書房
      (形状)   文庫
      (頁数)    236
      (出版年)  2000/10/10

・ことわざを、通常とは違う意味にねじ曲げて解釈して笑わせるというもの。そのねじ曲げ方が別役の「芸」なのだが、辞典一冊分ともなると、無理矢理こじつけたと感じるものがあったり、さすがに全部おもしろいとはいかない。

・下ネタ、ブラックなネタがけっこうある。無理矢理下ネタにこじつけて「一丁あがり」は、あまりおもしろくない。

【あまいしるをすう】
「飲む」というのは、誰はばかることのない行為であるが、「吸う」というのは、やや人目を気にし、こっそり行うべき行為である。人が「甘い汁」を「飲む」のではなく「吸う」のは、それがよくないことと知っているからにほかならない。何故よくないのか。医者にいつも言われているではないか。糖尿病になるからである。つまりこの言葉は、糖尿病へのいましめ、と解するべきであろう。(p21)

 

【おいてはこにしたがえ】
何を「負う」のかとよく聞かれるが、言うまでもない、借金である。つまり借金を背負ってしまったら、子供にまかせろと言っているのだ。赤字国債発行の智恵は、実はここから出ている。借金を子供にまかせるのなら、いっそのこと必要な金を、子供に借りてしまえばいいじゃないか、というわけだ。しかも、子供がそれに気付くころには、我々はもう死んでいるのである。(p46)

 

【こうこうしたいじぶんにおやはなし】
昔は平均寿命が短かったから、子供が「親孝行がしたいな」と考える年齢に達するころには、もう親は死んでいたのであり、したがって親孝行なんてしなくてもよかった。もちろん今日では、平均寿命が伸びたから、親はまだ生きているのだが、そうなってみると子供の方が、その年齢に達しても「親孝行したいな」と、思えなくなってしまった。どっちみち。親孝行はしないのである。(p82)

 

【ないそではふれぬ】
「袖振り合うも他生縁」と言って、それだけで或るつながりを主張する風が我国にはあるが、ノースリーブだとそうはいかない。我国でノースリーブが流行したのは、対人関係におけるそうしたわずらわしさから、逃れるためであったとされている。(p140)

 

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