漢詩漢文

2019年3月 9日 (土)

勝負に生きる李白

漢詩のなぞなぞ21  勝負に生きる李白
 李白が大酒飲みだったことは有名ですが、それに加えて勝負事も好きだったことは、あまり知られていません。
  博打にのめり込んでいた頃、いくら負けが込んでも、もう一回ツキがまわってきさえすれば! という勝負哲学を詠んだ有名な句があります。さてなんという句でしょう?

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答 丁半、いっぺんのツキ!

 この詩のもとの題は「四か五か?」と言うそうです。

 子夜呉歌   李白

長安一片月   長安一片の月Photo
萬戸擣衣声   萬戸衣を擣(う)つの聲
秋風吹不尽   秋風吹いて尽きず
総是玉関情   総て是れ玉関の情
何日平胡虜   何れの日にか胡虜を平らげて
良人罷遠征   良人遠征を罷めん

 

 

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2019年2月24日 (日)

嗚呼稀勢の里

漢詩のなぞなぞ 20  嗚呼稀勢の里
 
 平成31年(2019)初場所、初日から三連敗した稀勢の里は、翌四日目の朝、親方に引退を申し出ました。稀勢の里は、決心するまでの間、李白の詩の一節を、何度も何度もつぶやいていました。さて、何とつぶやいていたでしょう?
 

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答 一敗、一敗、復た一敗(一杯、一杯、復一杯)

 

山中與幽人對酌    山中にて幽人と対酌す 李白

 兩人對酌山花開  両人対酌して山花開く
一杯一杯復一杯  一杯一杯復た一杯
我醉欲眠卿且去  我酔うて眠らんと欲す卿(きみ)且(しばら)く去れ
明朝有意抱琴來  明朝意あらば琴を抱いて来たれ

 李白は酒飲みで、杜甫から「李白一斗詩百篇」と歌われたほどでした。江戸川柳には、これを受けて「李太白一合宛に詩をつくり」という九があります。(太白は字(あざな)で、一斗で百なら一合でひとつできるという計算です。) 

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2019年2月20日 (水)

来るものは拒まず

漢詩のなぞなぞ19 来るものは拒まず

 有名な漢詩人になると、あちこちから詩を書いてくれ、書を書いてくれと頼まれます。しかしさすがにプライドの高い人が多くて、そう簡単には引き受けてくれませんでした。いくら大金を積まれても、気分が乗らないと絶対書かないという人もいたそうです。
 そんな中で、どんなに少額でもとにかくお礼さえすれば、気軽に引き受けてくれるという詩人がいました。さて、誰でしょう?

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答 謝霊運 (しゃれい、うん!)

 謝霊運というのは南朝の宋の大貴族の出身で、金持ちのわがまま坊ちゃん育ち、激しやすい人だったそうです。不満が多く、常識はずれの行動をして、最後は死刑にされたといいますから、お礼さえすればなんでも「うん!」と聞いてくれたというのは、ひょっとすると間違いかもしれません。
 山水詩の元祖のような人で、山登り用の下駄を発明したという話もあります。
 こちらの話は本当のようで、李白の詩にも「謝公屐(しゃこうげき)」を履いて山に登るという場面があります。「謝公屐」を中国の百度百科でひくと、下記のように、書いてあります。
 謝霊運(谢灵运)が登山のときに履いた木靴の一種で、底に二つの歯があって、上りのときには前の歯をとり、下りのときには後ろの歯をとる、ということです。

谢公屐,汉语词语,读音为xiè gōng jī,指谢灵运(385~433)登山时穿的一种木鞋。鞋底安有两个木齿,上山去其前齿,下山去其后齿,便于走山路。

 

 

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2019年2月16日 (土)

漢詩アイドル

漢詩のなぞなぞ18 漢詩アイドル

  わたしの若い頃とは違って、いつのまにか「アイドル」という言葉は、若い女の子たちが歌って踊るグループのことになってしまいました。よくは知りませんが、AKB48とか乃木坂46とか、地名にメンバーの人数をくっつけた名前をつけるのが定番になっているようです。

 そして、これが当たれば地域おこしにもなるというので、あちこちでいろんなアイドルグループが作られているとも聞きます。
 横浜では、なんと漢詩の朗詠をやるという新しいアイドルグループができました。人数は10人で、東横線沿線が活動拠点になっています。
 さて、このアイドルグループ、名前はなんというでしょう?
 

 

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答  白楽10 (はくらくテン!)

 (注:ローカルネタですみません。横浜の方はご存知かと思いますが、東横線に「白楽」という駅が あります。普通しか止まりませんが、神奈川大学があったりして、そこそこ賑やかな駅です。)

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                  白楽天
 

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2019年2月 5日 (火)

長生きするなら

 漢詩のなぞなぞ17 長生きするなら

 前に漢詩集にはいろんなご利益があることを紹介しました。(冬山登山のお守りご利益
 今回もご利益の話です。この人の詩を読むと十年長生きできると言われている漢詩人がいます。さて誰でしょう?

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答 陶淵明

 十(とお)寿命が延びる=延命できると言われています。「十歳長生き陶淵明」と覚えてください。

 久しぶりのなぞなぞ。やっぱりダジャレでした。

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2018年7月16日 (月)

古着の主2

 漢詩のなぞなぞ16 古着の主2

 古着の主は?で紹介した怪しげな北京の骨董店に、今度は日本人が訪れました。そうしたら店主はまたボロボロの古着を出して、やはり唐の有名な詩人が着ていたズボンだと言います。
 そんなものがあるとは信じられない、いったい誰のズボンだというのか、日本人が聞くと、店主は、一度はいてみろ、そうすればすぐわかる、と言います。
 そこで試しにはいてみると、なかなか感じがいい。いったい誰のズボンだと言うのか? さてここで店主はなんと答えたでしょう?

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答 このズボンはとてもハッキョイ(白居易)! 。

 これはわたしのアイデアではなく、友人が古着の主は?につけてくれたコメントを少し書きなおしたものです。
 コメントをもらったときは、漢詩人相撲大会のオチとほとんど同じなのでボツ! と思っていましたが、わたしの他のネタも大同小異ではあるので、あらためて載せておくことにしました。コメントどうもありがとうございました。

 漢詩のなぞなぞはこれで本当におしまいです。ブログも、また何か思いつくまで、ちょっと休みにします。

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2018年7月12日 (木)

李白の修行

漢詩のなぞなぞ15 李白の修行

 李白が世に出る=官吏になるためには、1 科挙に合格する 2 有力者に知遇を得て裏口から引き上げてもらう 3 道士として名をあげて天子に直接近づく、の3つの方法があり、李白は若い頃、文学だけでなく道士の修行もやっていました。
 その修行中、家々をまわって銭や米の喜捨を受ける行をやって、八十八か所巡りどころではない、膨大な数をまわりました。それでもなかなか自分を売り出すことはできず、思わずつぶやいた句があり、それは後の有名な詩にも影響しています。さてどんなことをつぶやいたのでしょう。

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答 托鉢三千回 売れぬによりて斯くの如く長し。

 このとき「芸術は托鉢だ!」と言ったという話もありますが、さだかではありません。

 

秋浦歌   李白

白髪三千丈   白髪三千丈
縁愁似箇長   愁に縁りて箇(かく)の似(ごと)く長し
不知明鏡裏   知らず明鏡の裏(うち)
何処得秋霜   何れの処にか秋霜を得たる

 

 14回で漢詩のなぞなぞは終わったつもりでしたが、1回おまけです。

 

 


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2018年7月 9日 (月)

西郷どんの事故

漢詩のなぞなぞ14

 現在大河ドラマで「西郷(せご)どん」をやっています。
 ドラマには出てきませんが、西郷隆盛は自動車を運転したことがあるそうです。ところが運転を誤って石垣に自動車をぶつけてしまい、ある言葉をつぶやいて、以後運転することはなかったといいます。
 さて、なんとつぶやいたのでしょう?

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答 「自損のために保険を貰わず」

 

 こういうのを出すと、大西郷をおちょくるとはけしからん!と謹厳実直な漢詩愛好者の方々から怒られそうですが、ネタ枯れで出してしまいました。悪意はありませんのでご容赦ください。

 

 偶成  西郷南洲

幾歷辛酸志始堅  幾たびか辛酸を歴て 志始めて固し
丈夫玉碎恥甎全  丈夫玉砕 甎全(せんぜん)を恥ず
一家遺事人知否  一家の遺事 人知るや否や
不爲兒孫買美田  児孫の為に美田を買わず
 

〇甎は瓦。丈夫は玉として砕けでも、瓦として全きを恥じる

 漢詩のなぞなぞ、14回続けることを目標に続けてきました。ようやく14回に達したので、このシリーズはここで一旦終了といたします。

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2018年7月 5日 (木)

勤倹貯蓄のすすめ

漢詩のなぞなぞ13 勤倹貯蓄のすすめ

 南宋の朱熹(しゅき)は、朱子学の創始者として有名です。
 その朱子が、若者に地道な勤倹貯蓄が重要なことを教え諭した有名な詩があります。さて朱子はなんと言っているでしょう?

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答 少年老いやすく額なりがたし
   一銭のコイン軽んずべからず

  偶成  朱熹

少年易老学難成  少年老い易く学成り難し
一寸光陰不可軽  一寸の光陰軽んずべからず
未覚池塘春草夢  いまだ覚めず池塘春草の夢
階前梧葉已秋風  階前の梧葉すでに秋風

 漢詩のなぞなぞも、ネタが尽きてきて、だんだんコジツケみたいなものばかりになってきました…

 

 

 

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2018年7月 2日 (月)

詩仙堂の境界

漢詩のなぞなぞ12  詩仙堂の境界

 石川丈山は江戸時代前期の漢詩人です。徳川家康に仕えた後、京都に隠棲して、一乗寺に詩仙堂を築きました。
 そのとき、隣の敷地との境に引かれてあった一本の白い線を見て、丈山は境界はもっと向こうだ、これではあべこべだ、と言いました。このときの文句が後の名詩にも活かされてるそうですが、さてどんな文句だったのでしょう?

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答 白線さかしまに描かる境界の線

  
 
 石川丈山と言えば、この詩です。

  富士山
仙客来遊雲外巓  仙客来たり遊ぶ 雲外の巓(いただき)
神龍棲老洞中淵  神龍棲み老ゆ 洞中の淵
雪如紈素煙如柄  雪は紈素(がんそ)の如く煙は柄(え)の如し
白扇倒懸東海天  白扇倒(さか)しまに懸かる東海の天

 〇紈素(がんそ) 白い絹

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