本のジョーク

2009年10月 9日 (金)

20  『夫と妻』、『先生と生徒』

 ひさしぶりの「本のジョーク」です。おなじみの角川文庫、植松黎編・訳『ポケット・ジョーク』シリーズから。

16

読書

「いま、ミステリーを読んでるところなんだ」と夫が妻のミリーに言った。
「あら、その本うちの家計簿によく似てるわね」
「そう、家計簿なんだ」
(『ポケット・ジョーク21 夫と妻』P87)


金婚記念

 若い娘が、爺さんの本屋に、結婚して五十年になる祖父母におくるのにふさわしい本を選んでほしいと言った。
 爺さんは、ただちに棚から一冊の本をぬきだした。
『抗争の半世紀』というタイトルの本を。
(『ポケット・ジョーク21 夫と妻』P159)


感想

 先生はペンギンについて書いた本を生徒たちに配り、それを読んで感想を書くようにと言った。
 メイベルが書いた作文はたった一行だった。
「その本には、わたしが知りたいと思うよりずっとたくさんペンギンのことが書いてありました」
(『ポケット・ジョーク16 先生と生徒』P13)


ゆっくり教育

「何を読んでるの?」母親が七歳になるハリーにたずねた。
「お月さまを跳びこえた牝牛の話だよ」息子が答えた。
「そんな本、すぐ捨ててしまいなさい」母親が叱りつけた。「何度言ったらわかるんだい。まだサイエンス・フィクションを読むには早すぎるって」
(『ポケット・ジョーク16 先生と生徒』P72)


育児

 少年が、激しく泣きながら歩いていた。
「どうしたんだい、坊や?」親切そうな紳士が尋ねた。
「ママが、心理学の本を失くしちゃったちゃったんだよ」少年はしゃくりあげながら言った。「それで、ママったら、自分の考えでボクをそだてはじめたんだ」
(『ポケット・ジョーク16 先生と生徒』P72)


浄化

 
 文学部の学生が夏休みに家庭雑貨の店でアルバイトをやった。
 最初の客は、掃除用の強力な洗剤を買いにきた中年の女だった。
「この洗剤、ほんとにどんな汚れでも取れるかしら?」女はたずねた。
「もちろんですよ、奥さん」とバイト学生は熱心に説明した。「わたしはこいつで”チャタレー夫人の恋人”を拭いてみたんです。拭きおわってみたら、なんと、そいつは、”若草物語”になっていました。汚いものはみんなこいつが拭き取っちまったんですね」
(『ポケット・ジョーク16 先生と生徒』P185)

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2009年6月21日 (日)

19 『ジョークで読む国際政治』

 「本のジョーク19」、今回は、名越健郎『ジョークで読む国際政治』(新潮新書、2008)から拾いました。

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 安倍首相が訪中の土産に自著『美しい国へ』を胡錦濤主席にプレゼントした。すると、胡主席はタイトルを見て腰を抜かした。
「日本はまだアメリカ一辺倒なのですか」
「どうしてです」
「『美国』とは中国語でアメリカのことです」(前掲書p53~54、以下同じ)

 これは、あんまりおもしろくありませんね。そんなことは知ってるし、日本がアメリカ頼みなのはこれまでどおり。

 クリントン大統領とヒラリー夫人の回想録がずいぶんネタになっています。

 問 ヒラリー夫人の回想録がクリントン氏よりずっと早く出版されたのはなぜか?
 答 フィクションはノンフィクションを書くより時間がかかる。(p79)

 問 ヒラリー夫人の回想録が『ハリー・ポッター』よりも売れ行きがよかったのはなぜか?
 答 読者はフィクションの魔女より、現存する魔女に魅せられる。(p80)

 ヒラリー夫人は、ジョークの世界ではこわもてのようです。
 旦那の方は、回想録でもやっぱりこっち方面の話。

 クリントン氏は一千万ドル、ヒラリー夫人は八百万ドルの契約料で回想録を執筆した。二百万ドルの差が付いたことについて、出版社が説明した。
「前大統領の手記には、性描写が含まれるので……」(p79)

 問 クリントン氏が回想録を九百五十七ページも書いたのはなぜか?
 答 彼は任期中も太めを好んだ。(p81)

 だから二人の生活はこうなります。

 ヒラリー議員の六百ページの分厚い回想録は、夫との出会いや結婚の感動から始まる。
 二ページ目からはトラブルが始まる。(p85)

 クリントンは「不倫」で、その後のブッシュ大統領は「軽さ」で、それぞれアメリカの政治ジョークに活況をもたらしたそうですが、残念ながらブッシュの方は、本がからんだジョークはあまりありません。

 米国の歴代大統領には、人に知られてはならない弱みがある。
 レーガン大統領に、記憶力を尋ねてはならない。
 クリントン大統領に、関係した女性の数を尋ねてはならない。
 ブッシュ大統領に、読んだ本の数を尋ねてはならない。(p62~63)

 ヒラリー夫人は回想録で、クリントン氏とはエール大の図書館で初めて会ったと告白した。
 これを知ったブッシュ大統領が捏造の可能性を指摘した。
「わたしもエール大にいたが、図書館など見たこともない」(p79)

 本に縁がないことがネタになっています。

 次はおまけ。このタイプは前にもとりあげました。

 世界でいちばん薄い本は──。
 米国の美術史。
 中国の人権史。
 英国の料理本。
 フランスの戦勝記。(p108)

(なむや文庫にはジョークの本がたくさんありますhttp://homepage2.nifty.com/namuyabunko/

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2009年4月29日 (水)

18 秋田實『ユーモア辞典』

  秋田實と言えば、大阪の漫才作家として有名な人でしたが、晩年にまとめていたのがこの『ユーモア辞典』だそうです。(秋田實編『ユーモア辞典1~3』、文春文庫、1978)
 その中の第3巻から、本が出てくるものをひろいました。

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つながる
 チェコスロヴァキアのブラスティラヴァのある書店で、四冊のロシアのベストセラーをショウウインドウに大々的に飾った。ところが、その店の女主人は共産党警察に逮捕されてしまった。
 なぜ?ウィーンのウィーナー・クーリエ紙が報じたところによると、その四冊の書物を次の順序で並べて陳列したから──
「モスクワから遠く離れて」
「高層建築の陰で」
「外国の旗の下で」
「われらは生きたい」
(秋田實編『ユーモア辞典3』文春文庫、1978より(以下同じ)、P56)

脅迫
母親「坊や、そんなに行儀よくしないんならお祖母さんがクリスマスのお祝いに買ってきてくださった、あの難しいご本を本当に読ませますよ。──そのお話を、お祖母さんは、坊やにして貰いたがっているんだから!」
(P83)

誇大広告
”トマトの作り方”という本を注文して取りよせた百姓が発行者に手紙を出して曰く、
「この本は広告を書いたものが書けばよかったのに!」
(P117)

用心用心
女A「”百歳まで長生きする法”って本、まだ持ってらっしゃる?」
女B「とっくに燃やしちゃったわ。おしゅうとさんが読むといけないから」
(P263)

百科全書
小児「おとうさん、ちょっとその大きなエンサイクロペディアを貸してくださいナ」
父「いいとも、そっちへ持っていってたんとお使い。お前もこの本を使うようになったのかい!」
 それからしばらくすると、いかにも不思議だと言わぬばかりの母の声で、
「オヤ、どうしてこの高い棚の上にのせておいたお菓子に、あの子の手がとどいたのだろう?」
(P275)

自叙伝
 自叙伝とは、他人についての真相を語るための無類の手段である。
(P313)

 わたしが小学生の頃、秋田實の弟子の秋田Aスケ・Bスケという漫才コンビが大人気で、Bスケの猿の物まねがはやっていました。当時の上級生で、今でも「Bちゃん」と呼ばれている先輩がいます。
 ラジオに「漫才学校」という番組があって、ミヤコ蝶々が校長、南都雄二が小使、生徒がAスケ・Bスケなどで、楽しみにして聞いていたのですが、はてどういう内容だったのか、ギャグのひとつくらい憶えていないかと、頭の中をさぐってみましたが、何もでてきませんでした。ともかくおもしろかったんだけど、今聞いたらどうでしょう。おもしろいと思うかどうか、ちょっと心配ではありますが、聞いてみたいところです。

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2009年2月17日 (火)

17 マーク・トウェイン

 このカテゴリーはずいぶんご無沙汰してしまいました。ストックが涸れてきたので、鋭意準備中です。
 今回はマーク・トウェインの『ちょっと面白い話』(大久保博 編訳、旺文社文庫、1988)から。わたしの好きな作家です。
 この本はマーク・トウェインの書いたものや逸話から、面白い話を拾い集めたものですが。さらにそこから本が出てくる話を拾いました。
 文中でクレメンズとあるのは、マーク・トウェインの本名(サミュエル・ラングホーン・クレメンズ)です。

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 批評とは奇妙なものだ。もしわたしが、「彼女は素っ裸だった」と書き、それから彼女の肉体をことこまかに描いていったら、批評家たちはみな大声で非難するだろう。そんな本を茶の間のテーブルの上に置いておこうなどと言い出す者ももいないだろう。ところが、画家はこれをやるのだ。そして人々は老いも若きも集まってきて、それを観察し、語り、そして、ほめるのだ。(P130)

 マーク・トウェインはロンドンに滞在していたころ、イギリスの学者たちが集まるある宴会に招待された。話がはずんで、いつのまにか、「ベイコン・シェイクスピア同一人物説」についての討論になった。意見は二手にわかれた。やがて、興奮した一人が、さいぜんから黙ってみんなの話を聞いていたトウェインに向かって、彼の意見を求めた。トウェインは答えた。
「わたしは今のところどちらとも言えませんな。そのうち天国へ行ってシェイクスピアに、いったい誰が彼の戯曲を書いたのかきいてみるつもりです」
「いやあ、クレメンズさん、シェイクスピアは天国になんかいませんよ」と、そのベイコン説狂信論者は言った。
 するとトウェインは、
「それなら、あなたがきいてみるんですな」(P150)

 マーク・トウェインが特に好んでいた習慣は、ベッドの中で読書や執筆をすることだった。
 ある日、約束の記者がインタビューをしにやってきたが、そのときも、トウェインはまだベッドの中で本を読んでいた。記者は戸口のところでためらった。そこでクレメンズ夫人は、半分あいている戸のすき間から夫に尋ねた。
「ね、あなた、記者の方にご迷惑だと思いません──そんなふうに、ベッドの中にいらしたりして?」
 トウェインは屈託のない落ち着きはらった声で言った。
「いやあ、もしそう思うんならね、もう一つベッドを用意してもいいんだよ、その人のためにね」(P207)

 原稿を書いているとき、マーク・トウェインは特殊な辞書が必要になった。その辞書は隣の家にあることを知っていた。そこで使いの者をやって借りてこさせようとした。使いはから手でもどると、報告した。喜んでお貸ししたいが、先さまの書斎で使っていただきたいとのことでございます。
 ひと月ほどすると、今度はその隣人から使いがきて、自分のところのが壊れてしまったので、トウェインのところの芝刈り機を貸してほしいと言ってきた。トウェインは伝えさせた。喜んでお貸ししたいが、当方の芝生で使っていただきたい。(P208)

 ある人がマーク・トウェインの家を訪れ、そこにあるおびただしい数の本にびっくりした。しかし、その本の多くがしかるべき設備もなしに、ただ漫然とあちこちに積み重ねてあるのを見て、更にびっくりした。
「だってね」
とトウェインは説明した。
「とてもむつかしいことですからな、本棚まで借りてくるのは」(P258)

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2008年7月15日 (火)

16 ピンとこない翻訳もの

 翻訳物のジョークには注釈がないとよくわからないものがあります。こんなジョーク。

シカゴのとても流行っているある大衆食堂に出ていた表示

『当店はエミリー・ポストが気を失った店』。エミリー・ポストは、無論あの有名な行儀作法の本の著者。
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク22 グルメと笑い』P41)

 これはいちおうエミリー・ポストについて、有名な行儀作法の本の著者という注釈がついています。ウィキペディアによれば、アメリカの女性作家で、1922年に出版した『エチケット』がベストセラーになり、エチケットの権威として知られているそうです。日本でいえば塩月弥栄子のような人でしょうか。
 それが気を失ったというのは、よほど汚いとか、客は粗雑なあらくれ者ばかり、というようなことなのか。それを看板に出すというのは、どういう意味があるのか。エチケットなんか知ったことか、お上品ぶって食う店じゃねえ、というだけのことなのか。昔、横浜の中華街では、狭くて汚い店の方がうまいという風説がありましたが、同じような意味があるのでしょうか、わかりません。

感謝
 
「この料理のレシピー」と夕食の食卓で妻君が打ち明けた。「じつは、図書館の雑誌から切り取って来たの。いけないことをしたと思うわ」
「まあ。図書館の人はきっと怒ってるだろうが」と亭主は言った。「きみに感謝しなければならん亭主どもが何十人いるか、誰にもわからんさ」
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク22 グルメと笑い』P78)

 これも今ひとつピンと来ません。まあレシピがないおかげて、まずい手料理を食わされずにすむということですが、奥さんの手料理はまずいもの、という共通の前提がないとわかりません。

開拓者

 長い間、熱帯雨林の環境調査をしている独身主義の男が、仲間と四方山話をしていた。談たまたま、政治から料理に転じた。
「じつを言うと、おれは昔、料理の本てやつを一冊取り寄せたことがあるんだ」と独身主義の男が仲間に打ち明けた。「でも、どうにもできんかったよ」
「手の込んだややこしいことばかり書いてあったんだろう?」と仲間が言った。
「その通りさ!」と独身主義者は言った。「どのレシピーもみんな同じように始まってるんだ──綺麗なお皿を一枚用意します、ってな。それで、おれはあきらめたよ」
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク22 グルメと笑い』P178)

 これは「綺麗なお皿を一枚用意します」が「手の込んだややこしいこと」だというんでしょうが、これも日本人にはピンとこないようです。
 最後は、よくわかるやつをどうぞ。

風味

 月曜日、キリスト教の宣教師が人食い人種の村に到着した。しかし、火曜日の午後には、彼は、歴史上の人物となってしまった。
 彼の遺したもののなかに、一冊の雑誌があった。原住民のひとりが、その中に人物の写真があるのをみつけ、人間が写っている部分を破いて、一呑みに呑くだした。
 それを見て、仲間がたずねた。
「どうだね、乾かしたやつ味は?」
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク22 グルメと笑い』P185)

 人食い人種もののジョークもいろいろありますが、最近のPC=ポリティカル・コレクトの風潮からだんだんすたれていくのでしょうか。「本」が出てくるジョークはほとんどありませんが。

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2008年6月 3日 (火)

15  『ブラック・ジョーク大全』

 今回は阿刀田高の『ブラック・ジョーク大全』(講談社文庫)から。

出版社で

読者「おたくで出版している本は広告がおもしろいわりには中身がおもしろくないね」
販売員「そうですか?じゃあ名誉挽回、来月出版の本をぜひともお買い求めください」
読者「ダメだね。もう二度とだまされないよ」
販売員「いえ、いえ、今度こそご満足いただけますよ。なにしろ今まで広告を書いていた男が書いた本なんですから」
(阿刀田高『ブラック・ジョーク大全』講談社文庫、P50)

社長室で

副社長「社長、素晴らしい回想録をご執筆中だとか。早く読みたいですな」
社長「いや、これは死後にしか発表しないつもりなんじゃ」
副社長「だから早く読みたいんです」
(阿刀田高『ブラック・ジョーク大全』講談社文庫、P83)

 これは前に紹介した「善は急げ」(『ポケット・ジョーク 神さま、仏さま』P30)と同一のネタですね。

出版社で 2

編集長「新刊書の広告を出したんだが反響はどうかね?」
編集員「抗議の電話がさっきから鳴りっぱなしです」
編集長「どうして?”新妻が夫と食べる料理百種”……抗議を受けるようなほんじゃないんだが……」
編集員「ええ。ただ書名に誤植があったんです。”夫と”が”夫を”になっているんです」
(阿刀田高『ブラック・ジョーク大全』講談社文庫、P127)

研究室で

学生「先生、また本を貸してください」
先生「ああ、いいよ。どの本?」
学生「この前お借りしたのと同じような本を……」
先生「同じ著者の本かね?それとも同じようなテーマの本かね?」
学生「いえ。著者やテーマはどうでもいいんです」
先生「ほう……?」
学生「この前の本には一万円札が挟んでありました」
(阿刀田高『ブラック・ジョーク大全』講談社文庫、P225)

酒場で

詩人「ボクの詩集を出版してくれないかな」
編集者「ウーン。詩集は読者が少ないからなあ」
詩人「でも、最近ボクの詩の読者は、確実に二倍は増えたぜ」
編集者「あ、知らなかった。いつ結婚したの?」
(阿刀田高『ブラック・ジョーク大全』講談社文庫、P230)

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2008年5月21日 (水)

14 文芸なぞなぞ3

 しつこいようですが、臨時増刊のなぞなぞがまだ残っています。

 前回、ハナ肇と言っても若い人はもう知らないだろう、と書きましたが、また出てきます。この頃クレージー・キャッツは元気だったんですね。

Q1:クレージー・キャッツのリーダーだけが、空港の集合時間に遅れたという小説は?

Q2:芥川龍之介の作品で、駅の売店で一番売れるのは何でしょう。

Q3:童話「千個のまんじゅうを踏みつけた」の作者は?

Q4:光源氏のベッドの色は

Q5:オタマジャクシのお父っつぁんのことを書いた小説は?

A1:「花のれん」(ハナ、乗れん。山崎豊子)

A2:地獄変(時刻篇)

A3;アンデルセン

A4:紫敷布(紫式部)

A5:「父帰る」(父、カエル)
 

 Q3は、「千の風に乗って、まんじゅうが飛んできた」という童話を書いたのは誰?とでも言い換えてみたらどうでしょう。
 Q5については、「Q5-2:菊池寛が一茶の句に影響を受けて書き上げたといわれる作品の名は?」というのもありました。答えは同じ。

 くだらないのが多いけれど、後はもう一気にいきましょう。

Q6:ヒットラーが死なずにかくれていて本を書いた。何という本?

Q7:水道局にいた人が作家になった。どんなジャンル?

Q8:育児書コーナーに置いてあった倉田百三の著書は?

Q9:サイコロ賭場での喧嘩出入りを克明に書いた女流作家の名は?

Q10:息子に見放されて土方になった日本の有名な作家はだれでしょう

Q11:森鴎外と志賀直哉と夏目漱石があんころもちを食べました。三人の中で焼いて食べたのは誰でしょう

Q12:出版社に詩を売り込みに行ったまではよかったが、自分が書いた詩を家に置き忘れたというノンキな作家の名は?

Q13:マラソンの最終ランナーがゴールに入ってきたとき拍手の嵐が起こりました。その感激を詩にした詩人といえば…

Q14:ポルノ女優の運動会での美しい友情を描いた感動的な小説の題名は?

Q15:エマニエル夫人は将来ふとるかやせるか

Q16:監獄に入れられたビクトル・ユーゴーは立派な模範囚でした。それを見て看守は何といったでしょうか

Q17:新幹線「こだま号」の東京発最終列車の運転士だった作家は?

Q18:笠置シズ子が昔をなつかしんでよく読むアメリカの小説は

Q19:「破れ太鼓」という作品はある西洋の名作の盗作だといわれています。何という作品でしょう

A6:「わが逃走」

A7:スイリ(水利)小説でしょう

A8:「シツケとその出来」(出家とその弟子)

A9:ツボいさかい(壺井栄)

A10:志賀直哉(アーンやコーラー<暗夜行路>のしがねえ親)

A11:志賀直哉(暗夜行路)

A12:志賀直哉(詩がないや)

A13:北原白秋(きたらはくしゅ)

A14:「走れエロス」(メロス)

A15:ふとる(今にLです)

A16:「がんばるじゃん」(ジャンバルジャン)

A17:三島行きよ!(由紀夫)

A18:「武器(ブギ)よさらば」

A19:「静かなるドン」

 なぜか志賀直哉が三回もでてきました。Q11の「あん、焼こう(ろ)」はちょっといただけません。わたしは、Q13あたりが好きです。

 これでなぞなぞの本からの引用は終わりです。

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2008年5月15日 (木)

13 文芸なぞなぞ2

 前回紹介した『週刊読売・臨時増刊』には、紀伊国屋書店の当時の社長田辺茂一と立川談志、林家三平の「しっちゃか、めっちゃか脱線ナゾナゾ座談会」という記事が掲載されています。

 その中の本に関するなぞなぞ。

Q1:紀伊国屋書店で出たばっかりの本が盗まれた。盗んだ奴はどんな奴?

Q2:読まないでいられないような本は?

Q3:一所懸命読む週刊誌は?

Q4:おまいりにいくとき読むのは?

Q5:読んですぐ売るのは?

A1:初犯(初版)

A2:シュウカン(習慣・週刊)誌

A3:週刊新潮(慎重)

A4:サンケイ(参詣)

A5:読売

 ダジャレばかりです。ほかに「文芸・ことわざ編」というページもあって、本に関するなぞなぞは主にここで紹介されています。
 この頃こんななぞなぞがはやった記憶はありません。特集を組むためにライターが収集したもの、あるいはその場で無理矢理つくったものではないかと思われます。
 しょうもないダジャレが多いけれど、この際だからできるだけ紹介することにしましょう。

 くだらないけれどわかりやすいところから

Q6:酒飲みで暴力三昧の日々をおくっていた詩人はだれ?

Q7:漱石という石を三四郎池に投げ込んだらどんな音がするでしょう

Q8:王選手の愛読書は

Q9:清少納言はどんな仕事をしていたのでしょう

Q10:太宰治は毎日酒を飲みに行っていたのに、いつもお金を払いませんでした。なぜでしょう。

A6:アルチュール・ランボー

A7:ボッチャーン

A8:ファウスト

A9:枕の掃除(枕草子)

A10:社用(斜陽)だった。

 少しひねりが入ってきます。ダジャレなことは変わりません。

Q11:世界で初めて警官を相手に麻雀をした人は?

Q12:どう考えても恋愛物語なんか書けそうにもないと思われていたのに、世界的な名作を書き上げたのは?

Q13:永井荷風は向島にだれとやってきたのでしょう

Q14:死人の顔にビックリ、そんな題の外国の小説は?

Q15:今は亡き作家で、自分のイボ痔の話を延々と書きつづった人がいます。さて誰でしょう。

Q16:芥川龍之介が最初に書いた小説は?

A11:ボッカチオ(デカめ、ロン!)

A12:トルストイ(あんな彼になあ)

A13:ボクと来たん(墨東綺譚)

A14:あら死顔か(嵐が丘)

A15:下村湖人(次郎物語)

A16:ハナ(鼻) →ハナ肇

 若い人には、「ハナ肇」と言ってもわかりませんね。

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2008年5月 9日 (金)

12 文芸なぞなぞ

 前にカモメのなぞなぞのことを書きましたが、あれ以来ずっと「どこかにあったはずだ」と、気になってさがしていた本がようやく見つかりました。
 『週刊読売 昭和59年5月9日臨時増刊号 絢爛豪華なぞなぞクイズ』です。昭和59年5月9日といえば、ちょうど今日の満二十四年前になります。

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 カモメとならんで人気のあった「ど根性スズメ」のなぞなぞも、写真付きでこんなふうに掲載されています。(写真の下部はカットしました)
 クリックして拡大してもらえば、読めると思います。

S_2

 今読むと、なんでこんなものが、と思うところもありますが、時のいきおいというんでしょうか、新聞社が臨時増刊を出すくらいはやったんですね。

 その中から本に関するものを、いくつかひろってみます。

Q1:小学校に入ったうちの子どもはぜんぜん本を読みません。薬局に行ったら「この薬を飲ませればすぐ治る」と言われました。さて何という薬でしょうか?

Q2:見せるだけで、絶対売ってくれない本があります。どんな本かな

Q3:脳ミソがぶっこわれてしまったという有名な詩集は?

Q4:数字一ケタの小説は、エミール・ゾラの「ナナ(七)」だが、それでは数字四ケタの小説は?

Q5:宮本武蔵の奥さんの小説を書いた人はだれ?

 答えは以下に。ジョークというより、ダジャレの世界ですが…

A1:ゴホン(ご本)と言えば龍角散

A2:見本

A3:「智恵子抄」(智恵、故障)

A4:「三国志」(三五九四)

A5:大岡昇平「武蔵の夫人」

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2008年4月15日 (火)

本のジョーク 11

見られぬ話

 作家志望のデニスは、才能よりも野心のほうが大きな学生だった。彼は、創作の教師を訪ねた。
「先生、ぼくは大傑作を書きました」とデニスは言った。「『モーゼの手』っていう題です。忌憚のない批評をひとつお願いします」
 教師は草稿をパラパラッとめくった。それで十分だった。下手な文章、決り文句と使い古された表現が蜿蜒(えんえん)と書き連ねてあるのがすぐにわかった。
「デニス君」と教師は言った。「題を変えたほうがいいと思うな」
「どう変えたらいいでしょう?」
「『神の顔』としたらいいと思う」
「でも、どうしてです?」
「神の顔は誰も見ることができないものだからだよ」
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク 神さま、仏さま』P131)

善は急げ

 神学者のフロマトカ博士は、講演やテーブルスピーチの名手として有名だった。ご本人もそのことを承知していて、ひそかに自負するところもあった。
 ある夕食会で博士は、殿りをつとめ、聴衆の盛大な拍手を浴びた。博士が帰り支度をしていると若い女性が近づいてきた。
「フロマトカ先生」と女はすっかり感心したという口調で言った。「素晴らしいスピーチでしたわ」
「どうもありがとう」と博士は礼儀正しく礼を言った。
「先生のスピーチは出版されるべきですわ」と女は言った。
 できるかぎりの謙遜をこめて博士は答えた。
「まあ、遺稿集なら出るかも知れませんな」
「お願いします。ぜひ」と彼女はにこやかに言った。「早ければ早いほどよろしゅうございますわ、先生」
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク 神さま、仏さま』P30)

祈り

「それから、もひとつお願いいたします」キティは、就寝前のお祈りをしめくくった。「明日、わたしが目がさめたときには、『二都物語』の作者はウィリアム・シェイクスピアになっておりますように」
 それを聞いていた母親がたずねた。
「キティ、『二都物語』の作者は別の人でしょ?」
「だって」キティが答えた。「試験で、そう書いてしまったんだもの」
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク 神さま、仏さま』P121)

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2008年3月24日 (月)

本のジョーク 10

 前に世界で一番薄い本は、
 イギリスの料理の本、
 イタリアの戦勝記、
 スイスのジョーク集、
 アメリカの美術史

というジョークを紹介しました。

 落合信彦の『ジョークでさらば20世紀』(青春出版社)ではこうなっています。

Q:世界で一番薄い本は何か?
A:戦争で英雄になったイタリア人についての本。(イタリアが2度の世界大戦で最初に降参し、敵方についてしまったことは周知の事実である)

 そう言えば昔読んだ旅行記などには、ドイツで、日本人だわかると
「今度やるときはイタリアぬきでやろう」
と言われる、という話もありました。あくまでジョークですよね。

 落合信彦のこの本には、ブッシュ大統領について、といっても今の大統領ではなくパパ・ブッシュの方ですが、こんなジョークもありました。

ブッシュが大統領になったとき、彼には人間的な深みが必要と考えたバーバラ夫人が、
「ジョージ、あなたは大統領になったのだから少しは勉強したほうがいいと思うわ」
「勉強は大学でしてきたさ」
「あれは単なる教育でしょう。私が言っているのは教養。人間的に大きくなるための努力よ」
「どんなことをすればいいんだい?」
「たとえばニーチェを読むとか……」
「ニーチェ? そりゃいったい誰が書いたんだい?」

バーバラが本を読んでいた。
「何を読んでいるんだいバーバラ」
「メルヴィルの『モビィ・ディック(白鯨)』よ」
「なんだ。いい歳してセックス小説か。それにしてもタイトルがあからさますぎるな」
("ディック"はスラングで男のイチモツを意味する)

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2008年2月27日 (水)

本のジョーク 9

 今回は、2ちゃんねる「世界史板の人気スレ、”世界史系ジョーク集”のまとめ」というホームページの「民族性関連」カテゴリーに紹介されていたジョークです。

あなたの国で最も読まれている本は何ですか?

アメリカ人「ん?そうだなぁ、やっぱ新約聖書じゃないか?」
ユダヤ人「国か・・・いやなんでもない。そうだな、旧約聖書かな」
アラブ人「最も読まれた本だって?それはコーランに決まっている」
ロシア人「なんだかんだで資本論じゃないのかな」

ここまで調べて気がついた。
「なんだ、やっぱり一番読まれているのはファンタジーだったか」 

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権力者御用達の古書店で辞書を売っていた
英語の辞書を見た    「離婚」の項目が書き加えてあった
フランス語の辞書を見た 「不可能」の項目が抜けていた
ドイツ語の辞書を見た   「ユダヤ」の項目が塗りつぶされていた
ロシア語の辞書を見た  バインダー式だった

<類似ジョーク>

権力者御用達の古書店で辞書を売っていた。
アラビア語の辞書を見た 何のことはない。コーランだった。
中国語の辞書を見た 毛沢東の表紙だったが、
 中身は江沢民の語録だった。
ポーランド語の辞書を見た ドイツ語とロシア語の半々だったが、
 真ん中に「連帯」と書かれていた。
ユダヤ語の辞書を見た 「ヴェニスの商人」が
 名作の例としてあげられていた
イタリア語の辞書を見た ワインの染みと口紅がついていた

以上 http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Cupertino/2261/sekaishi/j-minzoku-02.htm より。

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2007年12月31日 (月)

本のジョーク 8

    世界で一番薄い本

 世界で一番薄い本は、
 イギリスの料理の本、
 イタリアの戦勝記、
 スイスのジョーク集、
 アメリカの美術史

(おおば ともみつ『世界ビジネスジョーク集』(中公新書ラクレ)P11)

 こういうネタはよくありますね。
「なぜスイスに海軍があるんだ!」
「ソ連に文化省があるようなものさ」
というようなやつ。
  これの強烈なやつでは、
「日本はアメリカの属領なのに、
なんで外務省があるんだ」
というのもあるようです。

 次は、おまけ。

    ご親切に

 図書館で、図書係に、雑誌「土曜文学評論」の九月十四日号を見たいと頼んだ人があった。
 図書係嬢は、やがて戻って来て、
「あいにく、十四日号がありませんでしたので、七日号を二冊持って参りました」

(秋田實 編『ユーモア辞典①』文春文庫、P288)

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2007年12月12日 (水)

本のジョーク 7

 久しぶりに本のジョーク。

役者暮し

 ロスアンゼルスの大きな古本屋に、仕事にあぶれた役者がやってきた。
「この本を買っていただけませんか」と彼は一冊の本を差し出して言った。
「うちは個人蔵書(ライブラリー)をまるごと買う主義です」と本屋の店員は説明した。
「これ、個人蔵書のすべてなんです」と役者は言った。
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク15』P77)

悪書

 イタリアのナポリに観光旅行に出かけたアメリカ人がガイドブックを二冊買った。一冊は有名な旅行案内書の『ベデカ』で、もう一冊は土地の出版社が出したものだった。
 翌日、彼はイタリア人のガイドを雇った。やって来たガイドは、二冊の案内書を見て言った。
「『ベデカ』悪い。こっちいい」
 アメリカ人は驚いてたずねた。
「どうしてだね?『ベデカ』よりこっちのほうが詳しいのかね?」
「『ベデカ』、ガイドにチップ五ドル払えって書いてある。こっちは十ドル」とガイドは答えた。
((植松黎編・訳『ポケット・ジョーク19』P18)

王様と聖職者の会話

 昔、遍歴の聖職者が、同時代の偉人の愚行を集めて本に書いた人間だという触れ込みで、ナポリ王の前に出た。
 自分の名前もそこにのっているかと尋ねた。聖職者は本を繰って、見つけ出した。
「ナポリ王は、あるムーア人に一万二〇〇〇ドゥカーテンを持たせて、アフリカへ馬の買いつけに行かせた」
「なぜそれを愚行というんだね?」と王が尋ねた。
「ムーア人は金を持ったまま、自分の国から帰ってこないでしょうから」
「だが、もし帰ってきたら?」
「そうしたら私は、陛下のかわりにそのムーア人の名前を書き入れます」
(関楠生・編訳『わんぱくジョーク』河出文庫P174)

 どうも、いまいちパンチが不足していますね。

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2007年11月20日 (火)

6 開高健のジョーク

 開高健は、わたしの大好きな作家の一人ですが、エッセイの中で、よく世界中で聞いたジョークについて書いています。その中から本に関するものを探してみました。

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モスコーで。
 一人の男が書店へ入ってきて、『男は女の支配者』という本はどこにおいてあるかしらとたずねたら、店員がそっけなく、空想小説ならとなりの売場ですと答えた。

(開高健『食卓は笑う』p32)

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 開高の本に出てくるジョークは下ネタが多く、本に関するものでも、こんなのがありました。

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 つぎに紹介するのは今から二十五年前ぐらいに文壇、出版界、マスコミ界を風靡した一作。ウワサによると森繁久弥氏の作だとのこと。

 都市生活にくたびれたあなたが、ふらり、田舎へ旅に出る。肩がコッてしようがないので、世ふけにアンマを呼ぶ。品の良い盲目のお婆アさんがやってきてにがい肉をしこしこともみほぐしてくれる。お婆アさんは問わず語りに盲いとけなげ一途にたたかった半生記を語り、いまでは点字でなくても普通の活字を撫でるだけですべてわかるようになりました。ウソだと思うならお試しあれと、いう。そこで枕もとのバグから雑誌をだしてわたすと、お婆アさんは指で一撫でして、ア、わかりました、これは『文藝春秋』ですねといいあてる。つぎに一冊わたすと、ア、わかりました、これは『プレイボーイ』ですねといいあてる。何をわたしてもピタリ一言でいいあてる。そこであなたは感動し、婆アさんの手をとってフトンにひき入れ、ごぞんじにさわらせようとする。婆アさんはするりと手をひきぬき、これはさわらなくてもわかります、『主婦の友』ですねと、いった。

(開高健『食卓は笑う』p74)
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2007年10月26日 (金)

5 Dream

 ジョークの本というと、英語からの翻訳が多いようですが、今回は、英語のままでひとつ。

Dream

After she woke up, a woman told her husband,"I just dreamed that you gave me a pearl necklace for Valentaine's day. What do you think it means?"

"You'll know tonight." he said.

That evening, the man came home with a package and gave it to his wife. Delighted, she opened it--to find a book entitled

"The meaning of dreams."

(森 宗貴『アメリカン・ジョークに習え!(アルファポリス)』P158)

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2007年10月20日 (土)

4 ジョーク「ロシア革命史」2

 ロシア革命の続き。スターリンは死んだ。

 死んだスターリンは、果たして天国の門をくぐらせるべきか否かが議論され、入口で長い間待たされた。
 ようやく。門をくぐることが許されたが。それはマルクスが身元引受人になってくれたからだった。
 マルクスは言った。
「仕方がない。この男は、私の『資本論』の利子だから」

(歴史探検隊『ジョーク「ロシア革命史」』文春文庫、P171)

 フルシチョフがスターリン批判を行い、人々は新しい時代に期待した。1954年にはイリヤ・エレンブルグの『雪解け』が公刊された。

 「『雪解け』の第2部が出版されるそうだ」
「へえ、なんていうの?」
「『凍結』」

(歴史探検隊『ジョーク「ロシア革命史」』文春文庫、P206)

 
 雪解けの時代に入ったとはいえ、文学者が自由に表現活動できる状態になったわけではない。ソ連国民は、タイプで打った地下出版によって、外国で出版された自国の文学者の作品を読んでいた。

 タイピストのマルタがワーシャの母に頼まれて、タイプを打っていた。
 リディアが訊いた。
「いったいなにをタイプしているの?」
 マルタが答えた。
「トルストイの『戦争と平和』をタイプしているのよ」
「まあ、その本なら本屋で買えるじゃない」
「でも、ワーシャったら、タイプで打ったものしか読もうとしないんだって」

(歴史探検隊『ジョーク「ロシア革命史」』文春文庫、P228)

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2007年10月17日 (水)

3 ジョーク「ロシア革命史」

 文春文庫の『ジョーク「ロシア革命史」』(歴史探検隊 著)は、エピソードでロシア革命史をたどりながら、合間に関連したジョークを入れてあるという本です。そこから本が出てくるジョークをひろってみます。

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 『共産党宣言』を著したカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスの2人は、科学者だといわれるが、本当だろうか?
 いや、違うだろう。科学者だったら、社会主義をまずモルモットで動物実験していただろうから。

(歴史探検隊『ジョーク「ロシア革命史」』文春文庫、P11)

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 その実験が「ロシア革命」だった、というのは、かなりきついジョークだと思うのですが、昔はけっこうまじめな顔で「壮大な実験」とか言われていました。中国や北朝鮮についても。

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「ジョン・リードの『世界をゆるがした10日間』を読んだが、スターリンがあまり出てこないじゃないか」
「そうなんだよ。ちょうどその頃スターリンは結婚準備で忙しくて、革命をやってるヒマがなかったからね」
(歴史探検隊『ジョーク「ロシア革命史」』文春文庫、P130)

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 『世界をゆるがした10日間』は、スターリン時代は発禁処分になっていたそうです。スターリンではなくトロツキーを革命の推進者として書いてあるため。

 そのスターリン独裁時代を扱ったジョーク、

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 1937年、プーシキン百年祭にさいしてソ連最高会議は詩聖プーシキンの像を建てることを決定した。
 どんな像がいいか、一般から公募することにしたところ、色々なアイデアが集まった。
 歩むプーシキン、決闘に倒れるプーシキン、本を読むプーシキン、演説するプーシキン、頭に月桂冠をいただくプーシキン、とじつにさまざまだったが、厳正な選考の結果、次のものに決まった。
”プーシキンの詩集を手にしたスターリン”
(歴史探検隊『ジョーク「ロシア革命史」』文春文庫、P171)

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2007年10月 6日 (土)

本のジョーク 2

 本のジョークをもう少し。(「本のジョーク」というカテゴリーを作りました)

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ハウツー本

 お金なしでしあわせにくらす方法。ただし本の代価は十ドル。

まとめて買えば

 一週間で四キロやせます、という広告の本。
「四冊ください」

(以上いずれも松田道弘『ジョークのたのしみ』ちくま文庫)

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 実用書にもいろいろあります。

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手引書

 サハラ砂漠のまっただ中で車がエンコした。
「そうだ。確か『応急修理の手引書』がどこかにあったはずだ」
 ドライバーはゴソゴソ捜し回り、その本を見つけ出すのに成功した。そして第一ページを開き、読み始めた。
『点火装置(プラグ)とラジエーターをまず点検してみてください。もしそれでも動かないようであれば、最寄りの整備工場にご連絡ください』

(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク9』P144)

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 この話とまったく同じことが、パソコンではしばしばあります。そもそもパソコン起ちあがらないのに、「詳しい説明はオンラインヘルプをご覧ください」というやつ。ジョークどころか、腹がたってきます。

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読書

 ある酔っぱらいがよろめきつつ家に帰る道すがら考えた。どうやったら妻にこの状態を悟らせないようにできるか。
「家に帰って読書をしているふりをしよう」と彼は決心した。「読書をしている酔っぱらいなんて聞いたことがないものな」
 しばらくたって、彼の妻は書斎で物音を聞いた。
「一体全体、そこで何をしているの?」と彼女はたずねた。
「読書だよ、きみ」と夫は快活に答えた。
「全く、あなたって人は!」──書斎のドアから中をのぞいた妻は言った。
「その電話帳を閉じて、早く寝なさい」

(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク3』P11)

 妻君が言った。
「冬のリゾートがみんな載っていてどこに行けばいいか、すぐに決められるような本があればいいのにねえ」
 夫がこたえた。
「本なら一冊ちゃんとあるじゃないか。あれを見ればどこに行っちゃいけないかすぐにわかるよ。うちの貯金通帳って本だがね」

(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク9』P124)
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 なんとなく身につまされます。

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2007年9月29日 (土)

本のジョーク

 最近、早坂隆『世界の日本人ジョーク集』(中公新書ラクレ)がヒットして、書店の店頭にジョークに関する本が少し出回るようになりました。

 昔からジョークの本が好きでけっこう読んできたのですが、日本の宴会では、オヤジのダジャレや下ネタ話が横行して、なかなか気の利いたジョークを楽しむ機会がありません。そのうちせっかくのジョークも忘れてしまいます。そこで、とりあえず本に関するジョークをいくつか紹介します。

 なむや文庫には、ジョークの本も少し置いていますので、どうぞご利用ください。

稀覯本

 稀覯本の蒐集に凝っている男がいた。四六時中考えるのは本のことばかり、友人たちを古書と掘り出しものの話でうんざりさせて少しも反省の色がない。友人たちもしまいに我慢がならなくなってきて、とうとう、ちょっとばかり蒐集狂をこらしめることにした。
 友人たちは、若い俳優と相談し、筋書きをこしらえ、蒐集狂を昼食に招いた。昼食が始まるか始まらないかのうちに、予期したとおり、蒐集狂はたちまち古書の話を始めた。
「それですよ、あの古本。あんな役立たずな代物はありませんよ。ぼくは我慢がなりませんね」と共謀している役者は口をはさんだ。「かびくさいし、陰気で、たまったものじゃありません。実は、このまえも、うちにあった古いドイツ語の聖書を捨ててしまったところです。とにかく古いもんで、もう大昔からわが家に伝わっていたものなんです。ものが聖書だけに捨てきれなかったんですな!そのかびくさかったことといったら!」
「どこの印刷でした?」とマニアは膝をのりだした。
「さあ、よく覚えてませんが、グーテン何とかって名のドイツ人がつくったものらしかったですよ」
 マニアは、ポトリと手に持っていたフォークとナイフを膝の上に落とした。
「ま、まさか、グ、グ、グーテンベルグじゃないだろうね」
「ああ、それだ。グーテンベルグです」
「そりゃ、大変だ。ええ、きみ、大変なことをしてくれた。きみが捨てた本の値打はひと財産は優にあるんだ。さあ、すぐに拾いに行こう、こうしちゃいられないんだ」
「いや、だめです。そんなはずはありません」と役者は平然と言った。
「どういうことだ、それは?」とマニアは金切声に近い声で叫んだ。「なにを言ってる、ひと財産どころか、歴史的……さあ、早く、そんなトリの唐揚げなんか食っているときじゃないんだぞ」
「いや、あの本は何の値打もないですよ。だってぼくはたしかめたんです」と役者は言い張った。
「本の中にびっしりと書き込みがしてありましてね、だめなんです。そう、ルッターなにがしとか、そうだ、マルチン・ルッターという男が、余白なんか全然見えないほどなにか書き込んでしまってるんですよ……」
(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク5』p116)

夫婦の会話

 カトリックの総本山ヴァチカンの図書館には、いろいろめずらしい本が展覧されている。その中に、二冊のバイブルが並べて置いてある。一冊は厚さが六十センチもある大冊で、もう一冊は、タテ、ヨコ三センチ足らずの豆本である。
 見学者たちをこの二冊の本のところに案内して来ると、ガイドはこう説明する。
「こちらの大冊の方には、イブがアダムに言ったことがすべて記録されています。そして、この豆本の方は、アダムがイブに言ったことが全部入っています……」

(植松黎編・訳『ポケット・ジョーク2』p130)

大誤植

 ある東大教授が本の編者をひきうけた。が、仕事はなかなかはかどらず、出版は大幅に遅れてしまった。
 そこで彼は、あとがきに、
<やむを得ぬ事情により出版が遅れたことをお詫び致します>
 と書いたのだが、できてきた本を見ると、なんと「事情」が上下逆に印刷されているのだった。

(『とっておきのいい話』文春文庫、p84)

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