日曜大工、DIY

2009年10月 6日 (火)

『夜明け前』を軽く読む 2

 今日は伊勢佐木町の有隣堂まで行って、表紙用にレザックという紙を買ってきました。あまり気に入ったものではありませんでしたが、ともかく作ってしまわないと本が読めません。

 昨日作った、扉つきの中身の上に二つ折りにした見返し紙を貼ります。下の写真の空色の紙がそれです。

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 その見返し紙の上に表紙を貼ります。下の紺色の紙です。一枚で表も裏もカバーします。
 普通は見返し紙一面にべったり糊をつけて貼りますが、そうすると表紙が固くなってしまいます。ソフトカバーにするため、ノドの部分にだけ糊をつけて貼ることにしました。

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 これで乾いたら四分冊のできあがりです。ついでに背中にタイトルを書いた紙も貼りました。こんな感じです。多少不揃いなところはありますが、実用には十分です。

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 函に入れて、もとの状態と比較してみました。

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 重さは四冊で919グラムですから、もとの937グラムからたいして減っていませんが、一冊平均230グラムぐらいになりましたから、持ち運びには問題ありません。

 さて、これでようやく『夜明け前』を軽くすることができました。あとはちゃんと最後まで読み通せるかどうかです。
 ともかく明日からがんばることにします。

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2009年10月 5日 (月)

『夜明け前』を軽く読む

 タイトルを見ると、藤村の『夜明け前』をサラッと読んだ話のように聞こえるでしょうが、ちがいます。「『夜明け前』を読む前に」にしようかとも思ったんですが、これも事前に勉強しようという話に聞こえてしまいます。
 カテゴリーを見てください。「日曜大工、DIY」に分類してあります。

 読書会酣(たけなわ)の11月の課題が『夜明け前』です。長編なので、そろそろ読み始めないと間に合いません。しかもこの本は若い頃に何度か挑戦したけれど、いつも途中で投げ出してしまいました。気合いを入れて、今回読みきらないと、もう一生読まずに終わることになりそうなので、なんとかしたいと思っています。
 しかし、この本は重い。
 筑摩書房『現代日本文學大系 島崎藤村集(二)』(昭和48年5刷)。これに『夜明け前』第一部・第二部全篇がおさめられています。
 菊判534頁、函込1078グラム、函なしで937グラム。寝ながら読んだり、持ち歩いて電車の中で読んだりするのはちょっと辛いところです。

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 それで、思いきってこの本をバラして、文庫本と同じ第一部上下、第二部上下の四冊に分けることにしました。
 それならはじめから文庫で読めば、と言われそうですが 最近、できるだけ「旧仮名で書かれたものは旧仮名で」読もうと思っているのです。今『夜明け前』が出ている新潮文庫も岩波文庫も、ずいぶん前から新字新仮名になってしまっています。
 こわれかけでもいいから安い旧字旧仮名の本がないかと探していたのですが、『夜明け前』は長編なので文学全集にもあまり収録されておらず、すぐには間に合いません。この筑摩の全集は、漢字は新字ですが、仮名は旧仮名のままなので、これで読むことにして、持ち運びに便利なようバラすことにしました。

 でも「『夜明け前』をバラす」のタイトルでは、ちょっと物騒だし、藤村のスキャンダルを告発しているようにも聞こえます。「『夜明け前』を軽く読む」とした次第です。

 いよいよ取りかかります。製本のしっかりした、まだきれいな本なので、最初に見返しを扉からはがして、表紙と中身を分離させるときには、ちょっと胸が痛みました。

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 しかしこうなると、もう取り返しはつきません。

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 中身を立ててみると、こんな感じです。ごらんのとおり、いくつかの折り丁に分かれていて、糸で綴じられていました。この時代の本はもう糸をつかわないで、接着剤だけになっていると思いこんでいたので、ちゃんと綴じの確認をしないまま、いきなりバラしてしまったことを少しだけ後悔。

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 でもここまで来れば前進あるのみ。これを、第一部上・下、第二部上・下の四つに分けます。

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 折り丁の境目で一部・二部、上・下が分かれているわけではありませんから、状況に応じて折り丁を切り、切った頁は、ノドのところに糊をつけて所属する部の折り丁にくっつけます。
 そして、ちょっと凝って、扉をコピーしたものに「第一部 下」などのタイトルを入れ、二冊目以降の扉として貼り付けてみました。

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 ここで、本来なら綴じ直すところですが、まだ綴じはしっかりしており、糊で固めておけば当分大丈夫そうなので、あとは簡単に、見返しと柔らかい表紙を貼り付けてすませることにします。しかし、表紙に使えそうな紙が三冊分しかありませんでした。表紙がバラバラというのも気に入らないので、明日買いに行くことにして、今日の作業はここまで。

 そもそも早く読むためにはじめたことなのに、これではいつになったら読み始められるのか。
 こんなことをしてる間に、少しでも読んだらどうだ、という声が聞こえてきそうです。

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2009年8月 5日 (水)

本棚を作る 5

本棚を実際に作る(続き)

4 経費の計算

 前回お金のことを書くのを忘れていました。本棚一つあたりいくらぐらいかかったか、計算してみます。

・ラワン合板(18mm厚)  @2,480円×3枚÷2= 3,720円
・背板用合板(2.5mm厚)   @418円×3枚÷2=  627円
・木口テープ(18mm幅)
  50mで3,750円のものを使用。本棚ひとつで約10.2m必要なので
                  3,750×10.2/50=  765円
・水性ニス
  ワシン0.7リットル、1,550円のものを、本棚一つで、3分の2から4分の3くらいつかうので、4分の3として
                     1,550×3/4≒  1163円
・コーススレッドネジ、ダボ、サンドペーパー
  どうでしょう、多めに見て                500円
・ホームセンターの板カット代
  これは合板3枚で二十数カットになるので、@50円として
                              600円
     ─────────────────────────
                           合計 7,375円

 ニス塗り用のハケとか道具の損料もありますが、だいたい、ひとつ7,500円ぐらいでできたことになります。
 シナベニヤのようないい合板や、いい塗料を選択すれば、経費はもっとかかりますが、よりいいものが作れると思います。
 参考までに報告しておきます。

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2009年7月30日 (木)

本棚を作る 4

本棚を実際に作る(続き)

3 塗装する

 これが苦手です。

 本を読んでも、 「清く正しい本棚の作り方」や「VIC's D.I.Y.」を見ても、 塗装は、
1 下地処理(パテによる穴埋め、サンドペーパーがけ)
2 重ね塗り
の作業を、時間をかけて、繰り返し丁寧に行うことが大事だと書いてあります。
 ところが、組み立て終わると、もうできたような気になって、すぐにも本を並べたくなります。だから塗装は一気にエイヤッとすませたい。サンドペーパーがけを適当にすませて、重ね塗りも一回目が十分乾かないうちに次を塗りたくなったりして、しまいには多少ムラがあっても、実用にはさしつかえないからこれでいいや、になってしまいます。
 ていねいにきちんと仕上げることが重要である、とわたしも書いておきましょう。

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  水性の着色ニスを使っています。

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 今回はいちおう三度塗りで仕上げました。

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4 上下を連結する

  塗装がおわったら裏板をはります。

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 これで、上下を組めばできあがり。

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 実際に部屋に置いてから、ネジ、金具で上下を連結します。さらに置いた場所に合わせて、耐震対策として、柱や壁に金具などで固定します。

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 実際に本を入れたところ。写真がぱっとしませんが、このくらいは入るという見本です。ようやく本棚が完成しました。

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2009年7月26日 (日)

本棚を作る 3

本棚を実際に作る

 設計図(本棚を作る 2)の本棚を実際に作っていく過程を紹介します。

1 部材をそろえる

 前に書いたように、まずホームセンターでラワン合板を3枚買います。前に紹介した「清く正しい本棚の作り方」には、建材店で買え、ホームセンターの特売品には手を出すな、シナベニヤがいい、と書いてあります。
 それはたしかにそのとおりですが、価格の問題、実用十分の観点から、通常のラワン合板にします。さすがにコンクリートパネル(通称「コンパネ」)はつかいません。

 それを木取図に従ってカットしてもらいます。「清く正しい本棚の作り方」には、建具屋へ行って切ってもらえと、次のように書いてあります。

 先日描いた「木取り図」を手に添えて、にこやかに笑いながら こう聞いてみる。

 「おたくでは、サブロクを コンマ5で切れますか?(^_^)」

 万が一この質問に職人が答えられなかったとしたら、残念ながらそこで材料を切ってもらうことは諦めた方が良い。質問の意味すら判らない様子なら、なおさらその職人は怪しい人だから敬遠すべきである。

 「サブロクを コンマ5で切る」と言えば、それは「サブロク(合板のタテの1820ミリ)を コンマ5(ミリ以下の精度)で切る」という意味だ。この要求を呑めないような建具屋は、清く正しい建具屋だとは到底言えない。「ウチはコンマ2で切っちょる!」などと大見得を切る職人なら信用しても良く、「そんなこと、当たり前じゃねぇか」と言わんばかりの顔をして、無愛想に木取り図を覗き込んで来たかと思ったら、こちらの質問には一切答えず、「のこしろは何ミリ取ってあんだ?」などと「核心部分」だけを不機嫌そうに尋ねてくる職人こそ「本物」である(^_^)。 材料の切断は、全面的にその職人の腕に頼らせて頂くことにしようではないか。

 うらやましいですね。わたしも一度言ってみたい。職人さんにあれこれ言って、気に入ったように作ってもらう。──理想ですが「窮々自適」ではそうもいきません。ここは我慢して、買ったホームセンターで切ってもらいます。
 昔は、専門の店員さんがやってくれましたが、最近は、アルバイトのお兄さんかパートのおばさんとおぼしき人までが、パネルソーという、回転ノコ刃が上から下に移動して木材を切断する機械を操作して切ってくれます。だから「サブロクをコンマ5で切れますか」と言っても、まず話が通じません。
 木工の図面はミリ単位で書いてあることが多いけれど、「これを564ミリで切って」と言ってもキョトンとした顔をされます。「56.4センチ」と言い直すと、ああそうかと納得してくれます。木工とか建築の世界で仕事をしている人たちではないのです。誤差1ミリ以内で切ってもらえれば良しとしましょう。パネルソーをちゃんと操作できれば、コンマ2ぐらいで切れるそうです。

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 作業台の上にのっているのが、ホームセンターで切ってもらった、おおむね本棚ひとつ分の部材です。手前一番上の板の斜め切りは電動丸ノコで自分でやりました。 

 実はこの部材、通常のラワン合板ではなく、ランバーコア合板というものです。ベニヤ板は薄板を何枚も重ねて貼りつけた物ですが、これは中に軽い木の芯材のようなものが入っています。一見ふつうのベニヤですが、切り口はこんなふうになっています。

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 このまま仕上げるのはあんまりなので、組み立てた後、木口テープを貼っています。

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木口テープ

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 テープを貼ると、だいぶ感じがよくなります。

 この合板をホームセンターで見つけ、一度使ってみたら、強度はなんとか大丈夫そうなので、安いし軽いし、その後これを使っています。シナベニヤの半額ぐらいです。
 高くても仕上がりの美しさをとる場合もあるでしょうが、古本収納用がほとんどなので、今のところこれで実用十分です。

2 組み立てる

 組み立て方については、「清く正しい本棚の作り方」がとても参考になります。
 あと、わたしがいつも勉強させてもらっている「VIC's D.I.Y.」 http://vicdiy.com/ というホームページがあります
 ・高価で設置場所に困る道具・工具は使わない!
 ・
屋内作業が主ながら専用の工作室を必要としない!
 ・高度で難易度の高いプロの技術を必要としない!
ことをポイントとしながら、精度の高い家具の作り方やいろんな工作を紹介されています。最近はLEDを使った電子工作に熱中されているようで、わたしはそこまではできませんが、木工について参考になる記事が満載です。
 
「VIC's D.I.Y.」 でもシナベニヤを推奨されています。資金にゆとりがあるときはシナベニヤを使いましょう。

 組立の基本的なところは、これらのホームページを見てください。

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 側板に棚板をネジで固定するとき、こんな治具を使って下穴をあけています。
 下の写真の一番上に乗っている、側板と同じ幅の板の端に穴をあけただけのものです。これを棚板がくる位置にあてて、電動ドリルで下穴をあけます。
 下穴がなくても割れることはないのですが、こうするとネジの場所を決めるのが楽で、側板のネジの位置が揃ってきれいです。
 ネジは、板厚18mmのだいたい3倍くらいということで、55mmのコーススレッドを使っています。

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 さて上下とも組み立てが終わりました。

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 下の側板には直径8mmのダボを入れました。

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 当然、上部の底には、このダボに見合う穴が掘ってあります。位置をあわせて穴を掘るには専用のマーキングポンチという治具を使います。これは「VIC's D.I.Y.」のmini-Shopで購入しました。
 使い方など詳しい解説は、下記にありますので、そちらをご覧ください。
http://vicdiy.com/zairyo_knowhow/004/004.html

 上下をあわせると、こんな感じになります。

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(続く)

 DIY関係の本は、なむや文庫でどうぞ。

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2009年7月16日 (木)

本棚を作る 2

自分で作る本棚の設計

 自分で実際に作る本棚は、次のように考えました。

1 高さとかたちは日垣隆の「理想の本棚」に基づく。
2 材料は18㎜厚のラワン合板を使用する。
3 強度を保つため、横幅は60cmとし、可動棚は作らず、すべて固定棚とする。

 これまでの経験によれば、横幅を90cmにすると、どうしても棚板がたわんできます。21mm厚の合板なら、と思わないでもないけれど、厚くすればするほど材料費が高くなります。18mm厚で60cm幅ならまず大丈夫だろうと、この大きさに決めました。
 ダボを使って可動棚を作ることもできますが、作業が面倒になるうえ、どうしても強度は弱くなります。それに本にあわせて高さを調節できるのは確かに便利ですが、本棚自体の高さが限られているので、下の方を大きな本にあわせて広くすると、上の方にはしわよせがきて小さな本しか入らないということになります。どうせいくつも本棚を作ることになりますから、必要に応じて本棚ごとに高さを調整することにして、全部固定棚にします。

 経費のこともありますし、わたしの腕前のこともありますから、「理想の本棚」ではなく、あくまで「実用十分」の本棚をめざします。多少のことは気にしない、ということです。

 これがその本棚の設計図です。
 例によって厳密な図面ではありませんが、クリックして拡大画像をごらんください。

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本棚設計図

 上下に分けて作って、後で組み立てます。
 上下は、ダボとネジと金具で連結します。

 これを作るための合板の木取り図がこれです。
 いわゆるサブロク合板(約910㎜×1820㎜)3枚から、本棚2個分の材料を取ります。
 文庫本専用にして棚数を増やす場合には、増やす棚板の分だけ、材料が別に必要になります。

Photo_3

 ホームセンターで合板を買って、切ってもらいます。通常、一切り50円~100円くらいの手数料がかかります。斜め切りはやってくれませんので、これは自分でやります。
 裏板には別に2.5mm厚のベニヤが3枚必要です。

 棚板の間隔については、次のような寸法表も作ってみました。

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本棚寸法表

 文庫本収納用なのか、単行本中心に入れるのかなど、必要にあわせて調整して作ります。
 しかし、いくつも作って並べる場合には、全体の高さは一定にしておかなければなりません。下から必要な高さをとっていくと、たいてい一番上は半端な高さの棚になります。調整して、有効に本が入るようにします。それで多少不揃いなところができても、それはしょうがない。「実用十分」で、余り気にせずにいきます。

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2009年7月 5日 (日)

本棚を作る 1

理想の本棚

 本棚には苦労しています。いろんなものを買ってみたり、自分でも作ってみたり。でもなかなか、これはというものがありません。

 本棚は、どういうサイズの本を、どれだけ、どこに置くかで、必要なかたちも大きさも違ってきます。理想的には並べる本と置く場所に合わせて作ればいい。百科事典や全集ものの専用本棚のように、中身が決まっていればかたちも大きさも決まります。
 しかし、ふだん買う本は大きさも数もあらかじめ決まっているわけではありません。シリーズものの一冊だけを買うこともあります。それに叢書ごとに違った大きさの本棚を並べるというのは、見た目もよくないし、余計な場所をとります。
 大きさも数も決まっていない、日々増殖し続ける本に対応するためには、特殊なサイズの本は別にして、ある程度汎用性のある本棚を考えなければなりません。

 自作する前に、当然、買う、または職人さんに頼んで作ってもらうという選択肢があります。けれどもこれには相応のお金がかかります。わたしの「窮々自適」ではむつかしいことです。
 そのうえ既製品の本棚には、なかなかこちらの都合や好みにあったものがありません。

 インターネットで「本棚の作り方」を検索すると、清く正しい本棚の作り方というホームページが出てきます。人気があって、あちこちのブログに引用されています。
 そのはじめのところに、「家具屋の本棚の七不思議」として、こう書かれています。

    (1) 天井まで届く高さのモノがない
    (2) やたら奥行きばかり有り過ぎる
    (3) 肝心の棚板がほとんど太鼓作り
    (4) 不要なガラス窓や扉などが付く
    (5) そのくせ裏板の強度に不安有り
    (6) 上等な品物ほど派手で悪趣味だ
    (7) 息の長いロングセラー品もない

http://www.coara.or.jp/~tt/books/bkshelf/bkfrm.htm

 おっしゃるとおりです。
 そして、これらを考慮して、自作の方法が紹介されている本棚は、

・高さ 2,270mm ×幅 642mm × 奥行 210 m
・下部(高さ1820mm)と上部(高さ450mm)に別れる
・棚は、下部6段、上部2段の合計8段
・21mm厚のシナベニヤ使用

というものです。
 詳しくは上記HPをごらんください。おもしろくて、とてもためになります。わたしもいろいろ参考にさせていただきました。

 この本棚の特徴は、1 天井に届くくらい高い、2 奥行きが薄い、ということです。奥行き21センチはそんなに薄くないのでは、と考える人もいるもしれませんが、これについては、作者がこう書いています。
「(作者の蔵書は)パソコン関連の雑誌が死ぬほど多く、これが収まるのに必要な長さとはピッタリ「21センチ」である。一方、一般的な文芸書や新書本、またはコミックなどでは「15センチ」あれば十分だと言える。」
 使う人の必要十分な奥行きで、ということです。
 市販のスチールの本棚が奥行25センチで、このあたりが日本の本棚の標準になっています。その結果、本の前の空間になにかしら物が置かれるか、さらにその前に本を置いて後ろの本が隠れるか、どちらかになっていることが多いようです。

 わたしは、日垣隆というジャーナリストの愛読者で、そのメールマガジン「ガッキィファイター」の購入者でもあります。そのメルマガで、2005年に、「理想の書棚」の購入があっせんされました。日垣隆については、なむや文庫の今月の本棚でも紹介しました。この人は買い物が好きで、気に入ったものを見つけると、ときどきこういう催しを行います。

Tsukihon0812
日垣隆の本

 日垣隆が考える「理想の書棚」に近いものが見つかったので、それを一部改良してもらい、まとめて発注する、希望者があれば一緒にどうぞ、という趣旨で、このとき提示された「理想の書棚」の条件はこうでした。

1、労せず収納した姿が美しいこと。
2、本が取り出しやすいこと。
3、一般的な書棚より多くの本が収まること。
4、なおかつ、部屋の場所を余分にとらないこと。
5、書物だけでなく、大型パンフやA4系の複写資料も綺麗に収まること。
6、安っぽくなく、むしろ高級感があること。
7、耐震にすぐれていること。
8、だからと言って値段が高すぎないこと。2万円以下が望ましい。
9、その書棚に近づくと嬉しい。初めて見たとき感動できればなお良い。
10、欲しいと思ったらすぐに配達されること

 これもなるほどそのとおりです。(これは日垣隆の『知的ストレッチ入門』(大和書房、2006、P73~74)にも載っています。)

 この条件の本棚の仕様がこれ。
 http://homepage2.nifty.com/higakitakashi/bookshelf/page.html
 これはもう販売終了していますが、もとになった「ロング書棚」は今もこちらで販売されています。
 http://www.rakuten.co.jp/e-unit/1074002/

 特徴は、
・高さ 2150mm、(平均的日本人が片手を伸ばせるぎりぎりまで)
・下部(高さ750mmくらい)と上部(高さ1400mmくらい)で奥行きが違う
・奥行きは下部が最大295mm、上部が170mm
・棚は、下部は大型本用2段、上部は一般書用6段の計8段。

 日垣隆によれば、日本で書かれた本の奥行きは、その99%が15センチ以内におさまるそうです。また棚の高さは20センチあれば、文庫、新書、コミック、普通の単行本がおさまる。ひとまわり大きいA5判の本でも高さ22センチで十分。これに収まらない百科事典などの大型本や会議などで使われるA4サイズの資料は、下部の2段に収められる、というわけです。

 いいじゃないかと、わたしも早速、120センチ幅をひとつ買ってみました。
 なるほどたくさん収納できます。うれしくて目一杯本を並べて、これはいいものを買ったと思っていました。
 ところがしばらくたつうちに、棚が次第にたわんできました。
 こんな感じです。

Sdscf0998

 写真は広角でとっているので少し誇張がありますが、実際にもちょっと悲しい感じです。
 ダボの上に乗っている可動棚の方がたわみが大きいのですが、固定棚も程度は小さいけれどたわんでいます。
 棚の材質は「プリント化粧繊維版」というのだそうですが、十分な強度がなかったということになります。しかし、問い合わせてみても他の購入者からはそんな話はないそうです。わたしだけ不良品があたってしまったのでしょうか。こういう状態です、と写真を送ったら代金を返していただきましたが、ちょっと残念でした。

 さてそこで考えました。自分でこれと同じようなものを作ればいい。強度はもっとあげるが、価格はおさえる。幅120センチでひとつ19,740円は、収納力を考えれば高いものではありませんが、十本、二十本とまとめて買うとなると、やっぱり「窮々自適」に抵触します。
 「清く正しい本棚」で提示されている本棚の経費も、65センチ幅でひとつ15,000円ぐらいということです。これもきつい。
 より強く、より安くを目標に、自分で作ろう。 Do it myself !

 というわけで、本棚を作る話は、もう少し続きます。

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2009年1月 9日 (金)

ソーホース(ウマ)の作り方

 このブログの右下に、「検索フレーズランキング」という欄があります。どんな言葉でインターネット検索をかけたらこのブログがひっかかったかが、毎日出ています。ひっかかったからといって、必ずここを開いて読んでいるわけではないようですが。
 一番多いのは漢字の覚え方に関するフレーズで、ときどきDIY関係の「○○の作り方」というフレーズもあります。その中に「ソーホース(ウマ) 作り方」というのがありました。

 ソーホースとは英語で、”sawhorse”つまりノコギリ用の馬。日本語でも「ウマ」と言うのは偶然の一致か、それとも sawhorse が輸入されて、「ウマ」になったのでしょうか。

 何年か前ですが、ソーホース(ウマ)を作ったとき、エクセルで図面のようなものを作っていたので、それを少し修正して、ちょっと格好つけて、下図のような「作り方」を作ってみました。
 足を、角度をつけてさらに斜めに切るところがミソです。ただし、長さも角度も厳密には作図しておりません(実はできない)ので、そのつもりでごらんください。実際には、図面より成り行きに従って作っております。人に教えるような腕じゃありませんので、多少でも参考になればということでご了承を。

Sawhorse

 これは藤岡等の本を見て作ったと思うのですが、どの本だったか、確認できません。この人には「手作りマイホームマニュアル」というシリーズがあって、そのどれかだとは思うのですが。手元にある『2×4材で作るかんたん日曜大工(山海堂)』には、これとはちょっと違うソーホースの作り方が載っています。前に「バラのアーチ、支え枠、ウマ」で紹介した写真のウマは、こちらの方です)

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2008年12月28日 (日)

オケラ工房の作業台

 下の写真は、わたしが今使っているDIY用の作業台です。(写真は完成当時なので、まだきれいです。)

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 600×1200mm、高さ700mm。2×材使用。穴があいているのは、加工する木材を固定するクランプを入れるためです。
 木工教室オケラ工房の太巻(おおまき)さんに設計図をいただいて作りました。

 その太巻さんが、昨年の10月に亡くなられていたことを、最近になって知りました。http://www4.ocn.ne.jp/~okera-k/

 伊豆の別荘地にあるオケラ工房へは二度、泊まり込みで木工を習いに行きました。2003年のことですから、もう五年前です。
 二十五年つとめた会社をやめて木工教室を開かれた太巻さんは、わたしと歳も同じくらい。作業終了後、酒を飲みながらいろいろお話を聞いて、早く仕事をやめたかったわたしは、とてもうらやましかったものでした。

 そのオケラ工房で教えてもらって作ったのが、この引き出しと飾り棚。 

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 オケラ工房で教えてもらったことはいくつかあります。
 その中で一番大きかったのは、電動丸鋸の使い方を教えてもらったこと。簡単なジグを作って、線に沿ってまっすぐに切る。これを覚えただけで、できることが大きく広がりました。
 トリマーの使い方も教えてもらったのですが、不肖の弟子で、余り活用していません。しかしアリ溝ガイドを使えば、わたしにもアリ継ぎができることを体験したことは、大きな自信になりました。
 作業台も、工房にあったものよりひとまわり小さいサイズの設計図を、後日お願いして送ってもらって、自作したものです。

 その後、太巻さんは、トリマー、ルーターの専門家としてDIYの専門誌などでも活躍され、『ドゥーパ!EX』創刊号(2006 Mar.)では、附録のDVDにも登場されています。
 下の写真の左がその『ドゥーパ!EX』創刊号(2006 Mar.)、右は立風書房の『DO  SERIES ルーター&トリマー使いこなしマニュアル (2002)』に掲載された太巻さんの記事です。

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 わたしは伊豆方面ではなくもっぱら南房総に向かうようになったため、また教えてもらいたいと思いつつ足が向きませんでした。箱根方面へ行くことがあったらお邪魔しようとずっと思っていたのですが…
 突然の訃報に、驚くばかりでした。慎んでご冥福をお祈りします。合掌。

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2008年11月24日 (月)

『簡易木工器具の作り方』

 こんな本を手に入れました。昭和五年発行の『簡易木工器具の作り方(蒲田賢三、誠文堂、S5.12.25)』。七十八年前の本だけに、表紙など、だいぶ 傷んでいます。

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 「木工器具」というのはなんだろう。作業用の台とか治具のようなもののことだろうか、と思って見てみると、木工による家庭器具=本立て、郵便函、テーブル、椅子などの作り方を書いた、普通の家庭用木工の本でした。
 今は「DIY( Do It Yourself )」と言いますが、ちょっと前までは「日曜大工」でした。昭和五年には、まだ「日曜大工」という言葉は普及していなかったのか、それとも著者がふさわしくないと思ったのか。
 「少年技師ハンドブック第十九編」となっていて、巻末にはこのシリーズの紹介があります。最後に「少年科学者必携のシーリイズ」とうたっていますから、やはり「日曜大工」ではふさわしくなかったのでしょう。

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 わたしは戦後の生まれですが、このリストは子供の頃に雑誌「子供の科学」などを読んであこがれていた世界そのままです。昭和五年の発行ですから、これを読んでいたのは大正生まれの子供たちです。子供の頃、戦前は暗黒時代のように思っていましたが、同じような子供たちがいて、ちゃんとつながっていることがわかります。

 「子供の科学社代理部」の模型材料などの通信販売の広告ものっています。発行の誠文堂は、今も「子供の科学」を出している誠文堂新光社でしょうが、この頃は「子供の科学社」は別会社だったのでしょうか。

 内容を見てみると、ノコギリ、カンナの使い方からはじまって、当然のことながら電動工具はでてきません。(わたしの感覚では、「日曜大工」は手ノコギリ・カナヅチで、電動ノコや電動ドリルを使うようになったのが「DIY」です。)
 附録として「木彫の話」と「木工細工の常識」という章がついています。その「木工細工の常識」の中で、ガラス瓶を輪切りにしたいとき、切りたいところに銅線を巻いて電池から電流を通して熱し、冷水をぶっかけて切る、というのが唯一、電気を利用した工作です。
 「ブリキのハンダ付の法」もありますが、これは「七輪に火をおこして、その中に鏝(こて)を充分に焼いておきます。」となっています。

 作例の中には「巻煙草入」や「煙草盆」が入っていますが、当時は特に問題にもならなかったでしょう。親のため、家庭のために工作する感心な少年です。
 時代を感じさせるのは、下の「炭箱」とか、「芥溜(ごみため)箱」です。

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 「ビール箱を使ったソファー」「ビール箱の腰掛け」というのもあります。この頃ビールは木箱に入っていたんですね。わたしも子供の頃、木のリンゴ箱に紙を貼った本箱を使っていたのを覚えています。この「ビール箱を使ったソファー」では、藁でソファーの中身を作っています。 今では、藁は高くて、なかなか手に入りません。

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 木工編の最後には、なんと「極く簡単な家の作り方」までのっています。下の設計図は九尺四方ですから、四畳半です。「土地の選び方」からはじまって「地ならし」「柱と骨組み」「屋根はどうする」…と続いていきます。

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 これをもとに実際に家を作った少年がいたかどうかわかりませんが、これを読んで胸をときめかせた少年は数多くいたことでしょう。

 わたしも、家は造れませんが、これにならって、バーベキュー用の炭箱でも作ってみるこにしましょうか。

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2008年7月 4日 (金)

バラのアーチ、支え枠、ウマ

 昔は日曜大工といいましたが、今ではDIY(Do It Yourself)と呼ばれる方が多くなってきたようです。下手の横好きですが、店主の趣味のひとつで、なむや文庫でも取り扱い分野のひとつとしてしています。

 最近はこんな物を作りました。

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 バラのアーチです。少し歪んで不安定そうに見えますが、バラのツルが伸びてきっちり巻き付いてくれれば、きちんと安定するはずです。

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 これはノウゼンカズラの支え枠。これもノウゼンカズラさえしっかりしてくれれば倒れることはないはずです。

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 作業用のウマ。英語ではソーホースと言うそうです。園芸用の踏み台兼用です。
 これは残念ながら支えてくれる植物がいないので、けっこう頑丈に作りました。そうしたらかなり重くなってしまい、移動に不便です。やれやれ。

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